【SGT】2017第1戦岡山:レクサスがトップ6を独占!Keeper TOM’S LC500が開幕戦を制する

©︎KANSENZYUKU

2017年のSUPER GT開幕戦の決勝が岡山国際サーキットで9日に開催。GT500クラスは、大荒れのレース展開の中、レクサス勢が力強い走りを見せ、トップ6を独占。No.37keeper TOM’S LC500(平川亮/ニック・キャシディ)が優勝を飾った。

前日までの雨がらみの天気から一転し、晴天に恵まれ絶好の観戦日和となった岡山国際サーキット。今シーズンの開幕戦を待ちわびていた多くのファンでスタンドは埋め尽くされ、シーズン開幕の瞬間を見守った。

しかし、今年の開幕戦は予想外の混乱に満ちたレースとなった。

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フォーメーションラップ前に岡山県警の白バイ先導のパレードラップが行われたのだが、5番手スタートのNo.17KEIHIN NSX-GTがスタートできずにグリッド上に立ち往生。全車通過後に再スタートを切るが、ダブルヘアピンを立ち上がってしまったところで再びストップ。その直後にポールポジションスタートだったNo.8ARTA NSX-GTもモスS付近で突然ストップしてしまう。

事態収拾のため赤旗が出され、まだフォーメーションラップの段階だったが中断。ホームストレート上に各マシンが戻ってきたのだが、そこでNo.64EPSON Modulo NSX-GTもストップ。短時間にNSX-GT3台に同じようなトラブルが発生、陣営にとってはまさに悪夢のような状況となってしまった。

中断の間に、マシンが回収され、セーフティカー先導で1周減らされた81周レースとして再開。3周目にレーススタートとなった。

8号車が脱落したことにより、いきなりレクサス同士のトップ争いに。その中でも勢いよくトップに浮上したのがNo.37Keeper TOM’S LC500(ニック・キャシディ)だ。バックストレート終わりでNo.6WAKO’S 4CR LC500のインに飛び込みオーバーテイク。そのままリードを広げていこうとするが、5周目にNo.52埼玉トヨペットGreenBraveマークX MCがダブルヘアピン立ち上がりでクラッシュ。セーフティカーが再び導入となった。

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この間に、トラブル続きだったホンダ勢の中で奮闘していたNo.100RAYBRIG NSX-GTも同じトラブルでストップ。結局、No.16MOTUL MUGEN NSX-GTのみがノートラブルで最後まで走り切るという、まさかの事態となった。

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なかなかレースらしいレースにならないままの序盤戦だったが、11周目に再開されると、レクサス同士の白熱したバトルが展開。特に予選では自身のミスにより後方に沈んでしまったNo.1DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン)が怒涛の追い上げを見せ5番手まで浮上。また20周を過ぎてからNo.38ZENT CERUMO LC500(立川祐路)、No.36au TOM’S LC500(ジェームス・ロシター)も2番手争いに加わり、一瞬も目が離せないバトルが繰り広げられた。

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ピットストップ前は4番手に後退していた6号車だったが、37周終わりでのピットストップで迅速な作業を見せライバルを一気に逆転。暫定トップだった37号車の前にも出るのだが平川亮の激しい攻めにアンドレア・カルダレッリもこらえきれず、先行を許してしまう。

40周すぎに全車がピットを終え順位を整理すると、37号車が再びトップ。そのまま逃げ切りたいところだったが、それを許さなかったのが6号車のカルダレッリだ。積極的に平川に仕掛けていき、横に並びかけるが、一度前に出したら再逆転のチャンスがほとんどないことを知っている平川は必死でブロック。一瞬も気の抜けない2人のバトルにスタンドも釘付けとなった。

そんな中、53周目にNo.50Ferrari 488 GT3(新田守男)がGT500マシンの接触しスピン。2コーナーのコンクリートウォールに激突してしまう。マシンはフロント部分が大破したが、幸いにもドライバーは無事。念のため救急車でメディカルセンターに運ばれたが大事には至らなかった。

このマシンの回収のため合計3回目となるセーフティカーランに。それまで若干リードを築いていた37号車(平川)にとっては誤算ともなったが、逆にタイヤのセーブなどもでき、最後のバトルに備える。

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残り20周というところでレースが再開されると、予想どおり2台のバトルが白熱。特に1コーナーでは何度か前に出そうなチャンスがあるも、平川はGT300との混走を巧みに使いながら順位を死守。残り10周になると、GT300の集団との混走をうまく使いリードを広げ、最後は1.5秒の差をつけチェッカー。37号車にとっては2015年最終戦以来となる優勝を飾り、GT500では2年目を迎えたキャシディは嬉しい初優勝となった。

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2位には6号車の大嶋/カルダレッリ組、3位には昨年チャンピオンの1号車コバライネン/平手組が入った。

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結局、レクサス勢がトップ6を独占する快挙で、新車デビュー戦から圧倒的な強さを披露。日産勢はNo.23MOTUL AUTECH GT-Rの7位が最高となり、遅れをとる結果に。ホンダ勢は、17号車と64号車がトラブルを修復して走行再開。最高位は16号車の9位となった。

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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