フォーミュラニッポン開幕戦は、14時30分定刻通り始まった。
初めてのポールポジションからスタートとなった平手晃平だが、スタートに失敗して6位にまで後退。フロントロウの伊沢拓也が順調なスタートで昨年の富士での開幕戦同様、1コーナーをトップで通過。今年はそのままトップを守りきることに成功する。一方、予選8番手の昨年覇者・松田次生は、鮮やかなスタートダッシュを決めオープニングラップで4位にまで上がった。
予選13番手のベテラン・立川祐路が8位、4年ぶりFN復帰のリチャード・ライアンが7位、ルーキー大嶋和也が10位にそれぞれ順位を上げるが、7番手からスタートした石浦宏明がエンジンストールでスタートできず、結局1周遅れで最後尾に順位を落としてしまった。
今年注目の「オーバーテイクボタン（OTB）」は、トップの伊沢を始め数台が、最初のストレート通過の際に使用しており、客席やテレビ画面からも光る様子がよく分かったようだ。
3位にあがったロイック・デュバルがブノワ・トレルイエをパスしようとストレートで数回OTBを使ってパスしようとするものの、不発にいずれも不発に終わってしまう。富士ではサーキットの特性からストレートで使うドライバーが多かったが、うまくいった様子はあまり見られなかった。その中で小暮卓史がうまく利用していた様子が際だった。スタートの1コーナーでチームメイトのデュバルに押し出され大きく順位を落としていたが、猛追を見せながらOTBをうまく使って8周目で大嶋を、20周目で立川を、そして22周目の1コーナーでライアンをパスして6位まで浮上することに成功していた。
17周目でアンドレ・ロッテラーが1コーナーのインから松田をかわそうとフラッシングするが、なんと松田を追い出す形で接触。これによってスピンを期した王者は今季初のリタイヤをすることになってしまった。ロッテラーには15秒のペナルティストップが課せられ、25周を終えたところでピットインストップ。結局レースを10位で終えたが、ファステストラップ（30Laps/1'27.011）を記録した。
21周あたりで徐々に各車ピットインをし始める。伊沢は安定したペースでトップ走行を重ねており、後方でトレルイエとデュバルの2位争いが膠着状態を続けていたが、先にピットに入ったデュバルの前にトレルイエがコース復帰することに成功し、次のラップでピットインした伊沢を、彼のアウトラップこそ先行されたものの、35周目の1コーナーでかわし、前に出て実質トップに躍り出る。一時トップを走行していた平手は、37周目でようやくピットイン、トレルイエの後方でコースに戻ったがタイヤの温まっていない状態で伊沢にダンロップでかわされてしまう。
2年目のふたりが2位争いを繰り広げる中、トレルイエは徐々に差を広げ、レースを引っ張っていく。
41周目、ライアンが1コーナーで単独スピン。そのままタイヤバリヤに突っ込んでしまい、復帰レースをリタイヤという悔しい終わりを向かえてしまった。
45周目に小暮がOTBを使って国本をパスし8位に。一番最初に使い切ったのはどうやら彼だったようだ。
レース終盤には大嶋と塚越広大のルーキーが6位争いを繰り広げ、最終ラップで塚越が大嶋を抜き、初レースを6位入賞という嬉しい形で飾った。大嶋も7位入賞でポイントを獲得した。結局、伊沢を6秒近く引き離したトレルイエが優勝。一昨年の同じ富士で行われた開幕戦以来2年ぶりの勝利となり、完全復活をアピール。昨年は同じ舞台で悔しい思いをした伊沢だったが、平手から2位を守りきり初の表彰台を獲得。PPを獲得しながらスタートに失敗した平手も最後には3位に入り存在感を魅せた。
| Pos. | No. | Name | Team | Gap |
| 1 | 2 | B.トレルイエ | LAWSON TEAM IMPUL | 1:21'58.500 |
| 2 | 41 | 伊沢 拓也 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | -5.980 |
| 3 | 20 | 平手 晃平 | ahead TEAM IMPUL | -6.728 |
| 4 | 31 | L.デュバル | NAKAJIMA RACING | -7.903 |
| 5 | 48 | 立川 祐路 | CERUMO/INGING | -21.274 |
| 6 | 10 | 塚越 広大 | HFDP RACING | -27.239 |
| 7 | 37 | 大嶋 和也 | PETRONAS TEAM TOM'S | -28.109 |
| 8 | 32 | 小暮 卓史 | NAKAJIMA RACING | -29.707 |
| 9 | 7 | 国本 京佑 | Team LeMans | -42.287 |
| 10 | 36 | A.ロッテラー | PETRONAS TEAM TOM'S | -10.980 |
| 11 | 8 | 石浦 宏明 | Team LeMans | -1lap |
| 12 | 40 | R.ライアン | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | -15laps |
| 13 | 1 | 松田 次生 | LAWSON TEAM IMPUL | -39laps |
2007年開幕戦以来の優勝を飾ったブノワ・トレルイエ選手
[写真：秋山]
未承認 2010年11月09日(火)09時10分 編集・削除
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