秋の夕暮れが迫ってきた中、今日富士スピードウェイに駆けつけたファンが一番注目していたレース「GT500決勝第1レース」が始まった。
通常2人1組で行われるスーパーGTだが、今回は特別戦ルールとして22周のスプリント勝負、途中のドライバー交替は禁止というルールの中でレースが行われた。そのため、あらかじめ登録されたドライバー同士で行われた金曜日予選。そこでポールポジションを獲得した38号車SC430のリチャード・ライアンが、トップを譲ることなく第1レースを見事に優勝した。
直前に行われたGT300での大熱戦に刺激を受けたのか、各ドライバーともに1周目から積極的にオーバーテイクを仕掛ける展開。そこで、2時間前にフォーミュラニッポン第1レースを制した1号車Sc430のロッテラーが、6号車Sc430と接触し、タイヤをパンク。
緊急交換を余儀なくされる。さらに、そのピットインの際に、ピットロード内でスピード違反を犯したという裁定が下され、まさに踏んだり蹴ったりのGT500戦となってしまう。
レースはライアンが駆る38号車が逃げる中、9位スタートの17号車HSV-010の塚越広大が驚異的な追い上げを見せ、2位に浮上。最終的にはライアンに追いつかなかったものの、決勝1日目では唯一「フォーミュラニッポン」と「スーパーGT」の2カテゴリーでW表彰台を獲得した。
彼は明日のフォーミュラニッポンも第2レースが残っているため、どんな走りをしてくれるか注目したい。
そしてレース終盤、GT500は興味深い展開になっていく。11月の富士は日没時間も早く、その分レース後半は気温・路面温度ともに大きく下がってしまう。それに伴い、各タイヤメーカーのタイヤ性能に大きな差が現れたのだ。大半のマシンがブリヂストンを使用し、気温が下がった終盤はペースが落ちてしまったが、逆に32号車(ダンロップ)、23号車(ミシュラン)、24号車(ヨコハマ)の少数派のマシンが、ペースを上げて追い上げを見せるシーンがあった。
最終的に、序盤は元気がなかった24号車GT-R安田が4位、23号車GT-Rのトレルイエが5位、32号車HSV-010中山が6位と上位に進出してのチェッカーとなった。
これが明日のGT500第2レース。脇坂寿一、道上龍、本山哲など「大御所」たちが揃う明日のレース展開に、どう影響してくるのか?
画期的なアイディアから始まった20年ぶりのJAFGP決勝1日目の最終レースは、「明日の見どころを教えてくれ、ファンに“観戦する”楽しみを増やす」形で終了となった。
スーパーGT(GT500):決勝第1レース
レース結果
1位:No.38リチャード・ライアン「ZENT CERUMO SC430」(22Laps)
2位:No.17塚越広大「KEIHIN HSV-010」(+4.893)
3位:No.12ロニー・クインタレッリ「カルソニック IMPUL GT-R」(+7.221)
未承認 2011年01月25日(火)22時53分 編集・削除
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