【SUPER GT】8万8400人が来場した第2戦富士。GT500はNiterra MOTUL Z、GT300はJLOC Lamborghini GT3が独走で制す!

  • 2024/5/10
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SUPER GT Rd.2 富士スピードウェイ
Rino Onodera

2024年シーズンのAUTOBACS SUPER GT Rd.2『FUJI GT 3Hours RACE』が静岡県の富士スピードウェイにて開催された。毎年ゴールデンウイークの大型連休に行われるお馴染みの第2戦富士。今年は土日開催ではなく5月3日(金)〜4日(土)に開催された。現地では大物ゲストのDJ KOOさん、荻野目洋子さんを招いたスペシャルライブや様々なイベント、そして著名人も数多く足を運んでおり、2日間延べ8万8400人の前年比110.2パーセントという観客を動員し、大盛況の下での開催となった。

そんな第2戦富士は、開幕戦の岡山とは相違点がいくつかある。ひとつ目としては、第1戦岡山は300kmと距離で争われたが、今回の富士は3時間で争われるという時間制ということだ。持ち込めるタイヤセット数は、各メーカーごとに1台あたりドライタイヤ6セット、ウエットタイヤ7セット。そして決勝中はGT500、300ともに給油を伴う2度のピットインが義務付けされている。

ふたつ目は、今シーズンから新しくなったタイム合算予選方式に、第1戦岡山を踏まえて一部改訂も加えられた。予選Q1、Q2で107%の基準タイムが設けられており、Q2での変更に変わりはないが、Q1ではそれが削除されて『コントロールラインを通過しタイムを記録しなければならない』に変更。

さらにQ1、Q2ともに条件を満たせず予選不通過となり、順位が与えられずにグリッドにつけなかった車両はピットスタートとなる。その点に変更はないが、決勝スタートで各クラスのグリーンシグナル点灯後に各自のピットから離れることができるというルールが今回新たに追加された。そんななかで迎えた第2戦富士、2日間を通して快晴に恵まれ、多くの観客が見守る下で開催。両日とも真夏に迫る暑さとなり、気温、路面温度ともに上昇したなかで行われた。

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GT500クラスの予選Q1はCIVIC TYPE R-GTがトップ3を占め、速さを見せた。第1戦岡山では、1周目に他者との接触によりリタイアとなった#17 Astemo CIVIC TYPE R-GTが朝の公式練習から好調で、Q1では太田格之進が1分26秒709と最速をマーク。塚越広大もそれに続き、合算タイム2分53秒931で開幕戦の雪辱を果たす渾身のアタックでCIVIC TYPE R-GT初となるポールポジションを獲得した。

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2番手は#3 Niterra MOTUL Z(高星明誠/三宅淳詞)、3番手は#23 MOTUL AUTECH Z(ロニー・クインタレッリ/千代勝正)とニッサンZの2台が続いた。Q1で2番手タイムをマークした#8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8(野尻智紀/松下信治)は4番手。また、Q1で3番手で終えた#16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16(大津弘樹/佐藤蓮)はQ2で、佐藤蓮が1分27秒366をマークしていたが、セッション中のイエローフラッグに阻まれてタイム抹消となり、14番手となった。

そして、トヨタ勢最上位は7番手となり、#14 ENEOS X PRIME GR Supra(福住仁嶺/大嶋和也)が獲得した。開幕戦の王者#36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)は、11番グリッドとやや後方に沈んだ。

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迎えた決勝レースは13時30分にパレードラン、フォーメーションラップを終えて初の3時間レースの口火が切られた。#3 Niterra MOTUL Zがホールショットを奪って首位に浮上。2番手にポールスタートの#17 Astemo CIVIC TYPE R-GT、3番手に#23 MOTUL AUTECH Zが続く。GT500では15台中14台がグリッドからスタートしたが、7番グリッドの#14 ENEOS X PRIME GR Supra(福住仁嶺/大嶋和也)はタイヤの4輪交換を決断したため、ピットスタートとなってしまった。

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先頭では、#3 Niterra MOTUL Z高星明誠が早々からハイペースを披露して後方を引き離していく。順位にあまり変動はなかったが、後方では序盤から順位を上げているチームがいくつかあった。#16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16の佐藤蓮は、順調に追い上げを見せ、8周目には11番手。さらに#36 au TOM’S GR Supraも9番手まで浮上。

16周目にGT300クラスの#11 GAINER TANAX Zが車両を止めたことにより、FCY(フルコースイエロー)が導入されたが、翌周には解除されてレース再開。ここで、23周目にして#17 Astemo CIVIC TYPE R-GTの背後に迫っていた#23 MOTUL AUTECH Zが、捉えて2番手に浮上し、ニスモのワン・ツー体制が築かれる。

その後、ルーティンのピット作業を済ませると、41周目にはダブルスティントの#17 Astemo CIVIC TYPE R-GT塚越広大が、#23 MOTUL AUTECH Zロニー・クインタレッリを捉えて2番手を取り戻す。しかし、この時点でトップとの差は大きく、近づくことはできない状況が続いていた。

スタートから1時間30分が経過した頃、3番手に付けていた#23 MOTUL AUTECH Zのペースが少しずつ落ち始め、4番手の#8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8がじわじわと詰め寄る。テール・トゥ・ノーズでのバトルが繰り広げられ、70周を過ぎたあたりで3番手に浮上し、表彰台圏内へと入ってきた。

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その後、各車が最後のルーティンピットを済ませるなか、78周目には#23 MOTUL AUTECH Z、#8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8が同時にピットに入る。#23 MOTUL AUTECH Zが短いピット作業で前に出ると、その後ふたたびワン・ツー体制を取り戻した。

そのままレースは最終盤へと突入していくが、ここで表彰台をかけたCIVIC TYPE R-GTの熱いバトルが繰り広げられる。3番手につけていた#8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8松下信治に、#17 Astemo CIVIC TYPE R-GT太田格之進が迫る。数周に渡ってサイド・バイ・サイドの見逃せないバトルが展開される。

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しかし、110周目、残り10分ほどというあたりで#8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8がまさかのスローダウン。詳しい原因は判明していないようだが、マシントラブルによりそのままピットに戻る結果となった。それにより、#17 Astemo CIVIC TYPE R-GT太田格之進が3番手の表彰台圏内に再浮上し、最後までマシンを運んでいく。

トップ独走体制を築いていた#3 Niterra MOTUL Z三宅淳詞は、高星明誠から受け継いだバトンをしっかりと最後まで繋ぎ、計117周を走破してトップチェッカーを受けた。終盤に表彰台圏内を取り戻した#23 MOTUL AUTECH Zが、2位でフィニッシュし、ニスモがワン・ツー表彰台を獲得。3位には一時表彰台圏外へと後退するも、粘りの走りを見せた#17 Astemo CIVIC TYPE R-GTが3位表彰台に上がり、赤いマシン3台が表彰台を占めた。

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4位には序盤から着実に追い上げ劇を見せた#36 au TOM’S GR Supraが入り、トヨタ勢最上位でポイントリーダーを死守。さらに5位には#38 KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)が入った。

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シビックのデビュー戦となった岡山で3位表彰台を獲得した#100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(牧野任祐/山本尚貴)は7位。また、序盤から中盤にかけて脅威のオーバーテイクを披露して、一時7番手まで順位を上げるこに成功していた#16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16。中盤の95周目にステアリング系統のトラブルが発生したようで、そのままピットにマシンを戻し、そこでレースを終える結果となった。

【GT300】ウイーク通して速さを見せたJLOC Lamborghini GT3が圧巻のポール・トゥ・ウイン! リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが終盤の猛追で2位に食い込み、ヨコハマタイヤがワン・ツー

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GT300クラスは午前の公式練習から早さを見せていた#88 JLOC Lamborghini GT3(元嶋佑弥/小暮卓史)がQ1、Q2と引き続き好調を示し、総合最速の合算タイム3分12秒150でポールポジションを獲得した。

2番手は#4 グッドスマイル 初音ミク AMG(片岡龍也/谷口信輝)、3番手は#56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/佐々木大樹)が続いた。予選Q2で最速タイムをマークした#65 LEON PYRAMID AMG(篠原拓朗/蒲生尚弥)は4番手につけた。

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また、開幕戦岡山で現地入りするも、車両完成が完全には間に合わなかったことから出走を断念していた#11 GAINER TANAX Z(富田竜一郎/石川京侍)は今回が初戦。前戦の岡山開催後、同地でシェイクダウンテストを行った末に、今回は富士に挑んでいた。しかし、第2戦富士の金曜日午前に実施された公式練習では、朝の車検で通過できなかったことから、走行を行えていなかった。

予選Q1でぶっつけ本番となったが、富田竜一郎が速さを示して周囲を驚かせた。ところが、Q2で石川京侍が乗り込むも、トラブルが発生したようでタイムを出せず、最後尾の27番グリッドからのスタートとなった。

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決勝では、GT500の後方でスタートが切られ、#88 JLOC Lamborghini GT3が抜群のスタートでトップを死守。2番手に#4 グッドスマイル 初音ミク AMG、3番手には5番グリッドから順位を上げていた#2 muta Racing GR86 GTが浮上していた。開始後は特に大きなアクシデント等はなかったが、16周目には1コーナーで#11 GAINER TANAX Zがマシンを止めてしまい、FCYが導入。

しかし、すぐにレースが再開されると、早くもルーティンピット作業を行うチームがで始める。ブリヂストンタイヤ勢は、開幕戦同様にいくつかタイヤ無交換作戦や、ピットのタイミングを他より少し遅らせる作戦を取るチームもあった。トップを走っていた#88 JLOC Lamborghini GT3は33周目にピットインし、元嶋佑弥が引き続きダブルスティントへと入っていく。

#31 apr LC500h GT(小高一斗/中村仁/根本悠生)は真っ先に1度目のピット作業を済ませ、2番手に浮上していた。3番手に#4 グッドスマイル 初音ミク AMG、4番手には65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗/黒澤治樹)、5番手に#52 Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)が続く。

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このままトップに動きはないまま2度目のルーティンピットのタイミングになると、62周目には#52 Green Brave GR Supra GTと#4 グッドスマイル 初音ミク AMGが同タイミングでピットイン。給油補給のみとなった#52 Green Brave GR Supra GTが、先行してコースへと戻っていく。また、その後上位を走っていた65 LEON PYRAMID AMGは、トラブルから一度ガレージにマシンを戻してしまい、ここでレースを終える結果となった。

そして、トップ独走体制を築いていた#88 JLOC Lamborghini GT3は、68周目に2度目のピット作業を済ませ、元嶋佑弥から小暮卓史にステアリングを託し、最後のスティントへと入っていく。各所でバトルが繰り広げられるなか、#52 Green Brave GR Supra GT吉田広樹と、終盤に怒涛の追い上げを見せていた#56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rジョアオ・パオロ・デ・オリベイラの2番手争いが勃発。

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マシンをやや接触させながらのサイド・バイ・サイドのバトルを制したのは、タイヤ交換のタイミングを少し遅らせた#56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが制した。

一方、変わらずトップ独走の#88 JLOC Lamborghini GT3は、小暮卓史が最後まで安定したペースを披露。3時間で107周を走り切り、GT300のトップチェッカーを受けてポール・トゥ・ウインを飾った。2位には#56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが入り、ヨコハマタイヤを履く2チームがワン・ツーの表彰台を獲得。開幕戦での逆襲を果たす結果となった。

3位には#52 Green Brave GR Supra GTが続き、ブリヂストンタイヤを履くチームが表彰台に食い込んだ。4位は#4 グッドスマイル 初音ミク AMGとなり、惜しくも表彰台を逃している。5位は13番手スタートから脅威の追い上げを見せた#31 apr LC500h GT。

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開幕戦のウイナー#2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)は6位となったが、2ポイント差でポイントリーダーを維持している。また、今季から女性ドライバーフル参戦となる#45 PONOS FERRARI 296(ケイ・コッツォリーノ/リル・ワドゥ)は、開幕戦の11位を上回る9位フィニッシュとなった。

2日間、夏日さながらの天候の下、大勢の観客が見守るなかで幕を閉じたSUPER GT Rd.2『FUJI GT 3Hours RACE』。例年を上回る大盛況での開催となり、今回も随所見逃せないバトルが多く展開された。

次戦のSUPER GT Rd.3『SUZUKA GT 3Hours RACE』は、第2戦富士と同様に3時間レースとなる。三重県の鈴鹿サーキットに舞台を移し、約1カ月後の6月1〜2日に開催されるが、熱い鈴鹿をどのチーム、どのメーカーが制すのだろうか。

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