【SUPER GT】今季2度目の3時間レースはDeloitte TOM’S GR Supra、D’station Vantage GT3がそれぞれポール・トゥ・ウインを飾る!

  • 2024/6/5
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2024シーズンのAUTOBACS SUPER GT Rd.3『SUZUKA GT 3Hours RACE』が、6月1日(土)〜2日(日)に三重県の鈴鹿サーキットにて開催された。シーズンを通して鈴鹿では計2度レースが行われるが、今回はその1度目となり、前戦の富士に続いて3時間で争われるという時間制での実施となる。そのため今回も決勝中はGT500・GT300ともに給油を伴う2度のピットインが義務付けられている。

台風1号の影響も心配されていたが、鈴鹿サーキットは予選日と決勝日で天候が変化。予選日は朝から晴天が広がり、予選開始時には気温26度、路面温度45度まで上昇し、やや汗ばむ夏日さながらの天候となった。ところが、決勝日は降水確率80パーセントと雨予報。朝は曇り空だったが、ピットウォーク終了後に一気に雨が降り始め、スタートを前に路面はドライからウェットコンディションへと変化した。

ウォームアップ開始時にはウエット宣言も出されていたが、各車がグリッドに付く際にはまた所々から陽が差し始めた。タイヤ選択が分かれる難しいコンディションでスタートされるかと思いきや、レース開始時には路面もほとんど乾くほどに回復。やや天気に翻弄される2日間となった。

【GT500】Deloitte TOM’S GR Supra、終盤までもつれた激闘を制して初のポール・トゥ・ウイン! ENEOS X PRIME GR Supraも激走で2位に入り、トヨタがワン・ツーフィニッシュ

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午前9時45分からは予選に先駆けて公式練習が行われ、トップタイムをマークしたのは序盤から速さを見せていた#16ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT(大津弘樹/佐藤蓮)だった。2番手には#37 Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)、3番手には#12 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)が続き、それぞれ3メーカーがトップ3を分け合う形となった。

予選では好調を維持していた37号車が、笹原とアレジともに渾身のアタックを見せ、トータルタイム3分31秒873でポールポジションを獲得。公式練習でトップタイムをマークした16号車は2番手、3番手には#14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/福住仁嶺)が続いた。

フォーメーションラップから念入りにタイヤを温めるていた各車が、一斉にスタートを切ると、まずは37号車が先頭で1コーナーへと進入していく。2番手16号車の大津も背後にピタリとつけていたが、数周でじわりじわりと離されていた。その後方には14号車の大嶋が迫り、5周目に順位を入れ替えてトヨタのワン・ツー体制を築いた。

その後も粘りの走りを見せていた16号車の大津に、#8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8の松下信治が迫ってきていた。これにより3番手争いが激化し、接触すれすれのバトルが繰り広げられる。順位は変わらずとも、激闘を繰り広げるこの2台の後方には、#38 KeePer CERUMO GR Supraの大湯都史樹を先頭に、11番手を走る#36 au TOM’S GR Supraまでの9台が数珠つなぎとなった。

この集団の中で、38号車の大湯が一気に2台に先行を許す形となり、その後は23周目に先陣を切って最初のピット作業へ。そこから1度目のピット作業を済ませるチームが増え始め、上位勢としては16号車が25周目に大津から佐藤へとドライバー交代した。

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1時間が経過するタイミングで上位2台も動き、33周目には14号車が福住から大嶋に交代、さらに翌周には37号車もピットに入る。こちらは笹原がダブルスティントする作戦を取り、一足早くピット作業を済ませた14号車アンダーカットを阻止。そのままトップ2の順位は変わることなく、レースへと復帰した。

その後方では、上位2台より早いタイミングでピット作業を済ませていた16号車は、3番手の順位を取り戻していた。その後41周目には、8号車とバトルを切り広げていた#23 MOTUL AUTECH Zの千代勝正が、前を走る38号車に追突。これにより、ホームストレート上に38号車のパーツが飛散し、FCY(フルコース・イエロー)が導入された。

パーツ回収後にすぐに再開されると、今度は8号車ARTAの野尻智紀がスローダウン。今回もトラブルに見舞われてしまい、マシン一度ガレージへと戻された。その数周後にはGT300のトラブルで2度目のFCYも導入される展開となった。

少々荒れた展開が続いていたが、上位の順位に変動はないままレースは終盤戦へと突入。ここで最後のピットを済ませるタイミングとなるが、トップ争いを繰り広げる37号車が今度は14号車より先にピットインを済ませ、笹原からアレジへとバトンを繋ぐ。

その2周後には少しリードを広げていた14号車の大嶋がピットに入り、素早く作業を済ませて最終スティントを福住に託した。これにより逆転でトップ奪還となったが、残り50分を切ったところで、ここでまさかのドライブスルー・ペナルティが言い渡されることに。ピットを離れる際、ピットレーンを走行していた#100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTの前に割って入る形となり、アンセーフリリースの判定を受けた。

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14号車は70周を前にドライブスルー・ペナルティを消化。その間に37号車、16号車、36号車の3台に先行を許し4番手で復帰した。逆転から一転、厳しい状況となってしまったが、残された40分間で14号車の福住が覚醒する。

猛烈な追い上げで爆走を繰り広げていくと、まずは72周目に36号車を仕留めて表彰台圏内に這い上がる。さらに今度は16号車をドライブする大津との距離を詰めていき、わずかその4周後にシケイン飛び込みのイン側から仕留める。

見事にミスを挽回して2番手へと這い上がるが、トップを走る37号車のアレジには及ばず。92周を走破した37号車がトップチェッカーを受け、待望のGT500初優勝をポール・トゥ・ウインで飾った。また、笹原とアレジにとってもGT500クラス初となる悲願の初優勝を達成し、パルクフェルメでは喜びを爆発させた。

14号車は、見事な挽回を見せたが2位でチェッカーを受け、トヨタ陣営がワン・ツー・フィニッシュ。3位には16号車が続き、今季初表彰台を獲得した。4位には12号車、5位には36号車が続いた。

最終ラップまで100号車の山本尚貴と、クラスの最後尾スタートなるも追い上げを見せていた#17 Astemo CIVIC TYPE R-GTの太田格之進による6番手争いは、何度もオーバーテイクの機会を探ったが、ファイナルラップの日立Astemoシケインで太田が逆転を果たし、6位を獲得した。

【GT300】D’station Vantage GT3が独走のポール・トゥ・ウイン! 

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GT300クラスは、2023年シーズンの鈴鹿2大会ともポールポジションを獲得した#61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が公式練習から速さを見せていた。このまま鈴鹿大会において昨年に引き続き3連続でのポールポジションかと思われたが、予選では#777 D’station Vantage GT3(藤井誠暢/チャーリー・ファグ)が最速。トータルタイム3分56秒190でチームとして、スーパーGTで初のポールポジションを獲得した。

61号車はわずかに及ばず2番手に続き、ダンロップタイヤを履く2台がワン・ツーを占めた。最大サクセスウエイトを積む#2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)は、終盤の見事なタイム更新を見せて3番手をもぎ取った。

また、第2戦終了時点でランキング2位につけていた#88 JLOC Lamborghini GT3の小暮卓史が、予選B組の予選Q1において終盤のアタック中に130Rでスピン。さらに、同タイミングで自己ベストを更新していた#56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(佐々木大樹/J.P.デ・オリベイラ)も、イエローフラッグに阻まれる形でタイム更新できず。予選Q2のアッパー16への進出を逃してしまったこの2台は、それぞれ26番手、27番手と後方からのスタートとなった。

GT500クラスの後方でスタートしたGT300クラスの決勝レース。ポールスタートの777号車がホールショットを奪うと、予選グリッド順位通りの61号車、2号車と続いていく。後方では#6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIの 片山義章が#20 シェイドレーシング GR86 GTの清水英志郎を交わし、早々に4番手に浮上している。

また、最後尾スタートとなったJLOC Lamborghini GT3は、パレードラップ完了後にタイヤ交換を行うためピットに入り、全車通過後にピットを離れてスタートした。

スタートから5周目を迎える頃には、GT500クラスの車両がGT300クラスに追いつき、ここからGT名物の混走へと変わる。そのなか、序盤から2号車が最大サクセスウエイトを積んでいるとは思えないペースを披露。わずか14周目に先行する61号車をパスし、2番手へと順位を上げた。

さらにその後方では、20号車と#31 apr LC500h GTの5番手争いが激化。パッシングしながら後方に迫る31号車の小高一斗が、1コーナー飛び込みで仕留めると4番手に浮上した。20周目頃になると、先行を許した20号車が真っ先に最初のピット作業を遂行。その後、続いて各車もルーティーンのピット作業を済ませていく。

トップ快走の777号車は29周目にピットインし、藤井誠暢からチャーリー・ファグにドライバーを交代。32周目に2号車も入り、ブリヂストン勢は得意のタイヤ無交換作戦を取るところも多く、素早くレースに復帰していく。GT300全車が一度目のピットインを終えた頃、ダブルスティントをとった31号車の小高トップに立っていた。

ここで42周目には、GT500クラスの車両パーツがコース上に飛散したことにより、1度目のFCYが導入。再開後には31号車の後方から777号車が迫り、テール・トゥ・ノーズへと持ち込まれる。777号車のファグがスプーンカーブで31号車の小高をついに仕留め、首位奪還に成功。

このままペースを上げていきたいところだが、今度は3番手を走行していた61号車にトラブル発生。コースサイドにマシンを止めてしまったことで、2度目のFCYとなった。昨年鈴鹿で速さを見せていた61号車だが、ここで戦線離脱となり、無念のリタイアに終わった。

48周目にリスタートを迎えると、早くも2度目のピットインを済ませるチームもあった。その3周後には2番手の31号車がピットに入り、小高から中村仁に最終スティントを託した。トップ独走の777号車は、61周目に2度目のピット作業を済ませ、ファグから藤井へとバトンが引き継がれる。

レース終了30分を前に、今度は2番手を走行していたmuta Racing GR86 GTも最後のピットストップを遂行。タイヤ無交換かつ給油のみの素早いピットで、31号車の前で復帰し、堤優威が最終スティントに臨んだ。先行を許した31号車の背後には、6号車のロベルト・メリ・ムンタンが迫り、3番手争いへと持ち込まれる。

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そのバトルは70周目のヘアピンで決着がつき、6号車が3番手の表彰台圏内に浮上した。その後は上位に変動はなく、777号車が独走でトップチェッカーを受け、D’station RacingとしてスーパーGTで初優勝を飾った。

最大ウエイトを積みながらも終始好走を見せた2号車は、2位でフィニッシュし、ポイントリーダーを維持。6号車は3位を獲得し、今季初の表彰台を手にした。4位には31号車、5位には#52 Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太とブリヂストン勢が続く結果となった。

次戦は約2カ月間のインターバルを挟み、舞台は再び富士スピードウェイへと戻される。早くも3戦が終了したが、GT500、GT300ともにどのメーカーも接戦を繰り広げている。真夏の熱いレースは、一体どのようなドラマが待ち構えているのだろうか。

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