【Formula Nippon】『第1戦』鈴鹿2&4レース:プレビュー

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いよいよ4月14日(土)に開幕する2012年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン。
開幕戦鈴鹿の見どころも含め、2012年フォーミュラ・ニッポンの展望を紹介していく。

【4人のチャンピオンが激突!誰が勝ってもおかしくないFN大戦国時代が始まる】
昨年、PETRONAS TEAM TOM’Sとアンドレ・ロッテラーの圧勝に終わったフォーミュラ・ニッポン。今年は王者ロッテラーに加え、2011年王者のJ・P・デ・オリベイラも継続参戦。さらにロイック・デュバル(2009王者)、松田次生(2007・2008王者)のシリーズ復帰も決まり、過去最多となる4人のチャンピオン経験者が激突するシーズンとなる。

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新王者として“カーナンバー1”を手に入れたロッテラーは、「ライバルは多いけど、チャンピオンというポジションを守る」と新たな気持ちで新シーズンに挑む。一方、昨年はロッテラーに破れカーナンバー1を献上したオリベイラは「今年はレース戦略やピット作業など、本当に細かいところの良し悪しで差が着くシーズンになると思う。とにかくSUPER GT同様にチャンピオンを狙いたい」と意気込んでいる。

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[左:ロイック・デュバル、右:松田次生]

またフォーミュラ・ニッポン復帰組となるロイック・デュバルや松田次生もチャンピオンを目指し虎視眈々。ディバルは「色々なレースに参戦する選択肢はあったが、大好きなシングルシーターカー(フォーミュラカー)のレース、そしてこのフォーミュラニッポンでまた走れる事になって本当に嬉しい」と開幕戦が待ち遠しい様子。2007・2008年王者の松田も「IMPULから参戦する以上、チャンピオンを獲得して当たり前。これまでのブランクを言い訳にせず、チャンピオンを狙っていきたい」と、今季のFN参戦に対する覚悟が伺えた。

ロッテラーの2連覇なるか?それとも、他のチャンピオンたちがタイトルを奪うのか。FN史上最大の戦国時代が幕を開ける。

【打倒チャンピオン勢!注目の国内トップドライバーが多数参戦】
今年の主役はチャンピオン経験者4人だけではない。たった一つしかない「2012FNチャンピオン」の座をかけて、国内トップドライバーも準備万端で開幕戦に挑む。
昨年のルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した中嶋一貴。僚友ロッテラーと最終戦までチャンピオン争いをしたが一歩及ばずランキング2位だった。今年はWEC(世界耐久選手権)やSUPER GTも兼務して参戦となるなど多忙なシーズンになるが、元F1ドライバーの本領が発揮されるシーズンとなりそうだ。昨年は予想外の失速が多かった小暮卓史も悲願の初タイトルに向け気合十分。今年からNakajima Racingはマシンカラーも一新し、また新たな気持ちでのシーズンのスタートを切る。昨年の開幕戦鈴鹿ではトップを快走していたが、タイヤ交換でミスが出てしまい2位に終わった。「まずは開幕戦できっちり勝って、シーズンの流れを作りたい」と、チャンピオン獲得に向けての第1段階となる開幕戦勝利を見据えて準備を整えている。

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[今年から新カラーとなったNakajima Racingのマシンでテストに参加する小暮]

また、昨年は若手ドライバーの成長も著しく見られ、彼らが今年どんな活躍を見せてくれるのかにも期待が集まっている。昨年の開幕戦鈴鹿でポールポジションを獲得した山本尚貴は「昨年はポールポジションをとれて嬉しかったけど、決勝では忘れ物(優勝できなかった事)をしてしまったので、早く忘れ物を取り戻しにいきたい」と、初ポールポジションを獲得した思い出の地での1年ぶりのレースが楽しみな様子。第2戦オートポリスでポールを獲得するなど、昨年はランキング4位で終えた塚越広大も「今年はやっつける相手が増えて、逆に楽しみです。」とライバルが増えた今シーズンを楽しみにしていた。

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[左:山本尚貴、右:塚越広大]

3月に鈴鹿サーキットで行われた公式合同テストでは塚越、山本ともに好タイムを記録するなど、昨年0勝に終わってしまったホンダエンジン勢が速さをみせていた。この流れで、ホンダエンジン勢が巻き返すシーズンになるのか、注目が集まる。

この他にも、Team LeMansの大嶋和也やセルモ・インギングに移籍した平手晃平、2年目を迎える中嶋大祐、国本雄資。そしてSUPER GTで活躍中の安田裕信、折目遼が今季からFN参戦など、注目ドライバーーが揃った。

今年も第2戦と特別戦を除き、公式予選はノックアウト方式で行われるが、今年も0.001秒単位での争いになる事は確実で、今までQ3常連だったドライバーがいきなりQ1脱落ということもあり得るほど、予想のつかないシーズンになりそうだ。

【今年はレース中のタイヤ交換義務が撤廃され“レース戦略”が勝敗の鍵を握る?】
今年のフォーミュラ・ニッポンは各戦のレース距離を250kmに統一。また、レース中のタイヤ交換義務がなくなり、よりシンプルなレースが観られそうだ。
しかし、燃料搭載量を厳しく制限する事により、レース中に必ず1回は給油のためのピット作業が必要となる。

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タイヤ交換の義務はないものの、この給油の際にタイヤ交換を行うことも可能。そのピット作業をどのタイミングで行うかが、勝敗を分ける大きなポイントになってきそうだ。

※第7戦鈴鹿のみ2レース制のため、レース距離が異なる。

【シーズン後半には佐藤琢磨もFN参戦!】
豪華なメンバーが揃う今年のフォーミュラ・ニッポンだが、シーズン終盤には米インディカーレースで活躍中の佐藤琢磨がフォーミュラ・ニッポンにスポット参戦することが決定している。具体的な参戦レースやチーム体制などは正式に発表はされていないものの、インディのシリーズ全日程が終了した11月の最終戦鈴鹿に参戦する可能性が高いと言われており、琢磨本人も「多分、11月の鈴鹿ラウンドには参戦します」と鈴鹿ファン感でコメントしている。

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その鈴鹿ファン感で行われたデモレース「Fomula Nippon Rd.0」では、雨という難しいコンディションの中で初めて乗るFN09を巧みにコントロール、2位という好成績をおさめた他、3月5日に行われたFN公式合同テストにも参加。こちらも雨の中で上位陣とほぼ変わらないペースで周回を重ねるなど、関係者を驚かせた。

スポット参戦ということで、手探りだらけのレースになるかもしれないが、どんな走りをみせてくれるのか、今から楽しみだ。

【開幕戦を現地で観戦しよう!】
4月14・15日に開催される鈴鹿2&4レース。現在、鈴鹿サーキットのオンラインチケットサイト「MOBILITY STATION」や各コンビニ・プレイガイドで観戦チケットが購入できる。
毎年モータースポーツシーズンの幕開けを告げる鈴鹿2&4レースでは、フォーミュラ・ニッポン(4輪)の他に全日本ロードレースJSB1000クラス(2輪)も同時開催されるなど、内容盛りだくさん。また、鈴鹿ファン感で実現しなかった「“夢のF1競演”中嶋悟×星野一義」の最終第2ラウンドのイベントも予定されている。

また前売り観戦券にはゆうえんちパスポート(1日分)が付いていたり、3歳~小学生のお子様はサーキット入園料でレース観戦できるなど、特典満載となっている。
この他にもピットウォークやファン向けのイベントが盛りだくさん。是非、鈴鹿サーキットまで足を運んでいただき、レース観戦を満喫してみてはいかがだろうか。

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いよいよ今週開幕するフォーミュラ・ニッポン。開幕戦を制してシーズンの流れをいち早く掴むのは誰か?F1やSUPER GT以上に目が離せないシーズンが、いよいよ始まる。

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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