【F1】第6戦モナコGP:プレビュー

モナコ2011B(ピレリ)

今週末のF1は、伝統のモナコGP。5月24日(木)から開幕し、27日(日)に決勝が行われる。
地中海に面したモナコ公国の公道を舞台にした市街地レース。シリーズの中で最も華やかで最も過酷なレースとして、世界中のF1ファンのみならず各界の著名人からも注目を集め、多くのセレブたちが観戦にくる。

さらに今年のモナコグランプリは、F1世界選手権前のグランプリも含め、70回目の記念大会。世界中が注目する今週末のレースの見どころを今回はご紹介していきたいと思う。

【今季初めてスーパーソフトが登場、今回もタイヤマネジメントが鍵か】
モナコGPで持ち込まれるピレリのドライタイヤはスーパーソフト(赤)とソフト(黄)の2種類。普段は一般道として利用されているモンテカルロ市街地コース。サーキット舗装ではなく滑りやすい路面と言う事もあり、今回はピレリが用意知れ居るドライタイヤの中でも、一番柔らかい2種類が選ばれた。

Pirelli_P_Zero_Supersoft RED_01 Pirelli_P_Zero_Soft YELLOW_01

他のコースと比べてタイヤに負担のかかる高速コーナーが少ない超低速タイプのコースだが、ドライタイヤの中でも消耗が早い2種類のタイヤを予選・決勝を通して上手く使いこなせるかどうかがポイントになってきそうだ。

SPANISH GRAND PRIX F1/2012

また、ここはコース幅が非常に狭く、周回遅れのマシンも含めて他車を追い抜くのがとても困難なのが特徴。そのため、前回スペインGPのように複数回タイヤ交換を行う戦略をとると、その分トラフィックにひっかかる可能性が高くなり、戦況も不利になってしまう。
今回用意された柔らかいタイヤで“いかにレース中のピットストップ回数を減らせられるか?”といったタイヤマネジメントが、最終的に大きく影響してきそうだ。

【モナコGP制覇の大きな鍵は“予選”】
コース幅が狭く追い抜きポイントがほとんどないモンテカルロ市街地コース。過去10年のレース結果を見ても、10回全て3番手以内からスタートしたドライバーが優勝を飾っている(そのうち、ポール・トゥ・ウィンは7回)。コース上での追い抜きが出来ない分、予選結果が非常に重要となってくるのだ。

モナコ2011(ピレリ)

しかし、その予選もコース幅が狭いモナコでは、タイムアタック中に他車に引っかかってしまう事が多く、1周のアタックを完ぺきに決めることが難しい。決勝で優勝するためには、予選でのタイムアタックから完璧に決めていかなければならない。これが伝統のモナコGPで勝利を掴む、最大の難しさでもある。

【6人目のウィナー誕生か?大混戦の2012シーズン】
今年のF1は、ここ数年で最も激戦のシーズンとなっており、ここまで5人の勝者が誕生。今度の舞台、モンテカルロ市街地コースは前述の通り公道を使ったコースで幅も狭く、シケイン・ヘアピンといったコーナーが多い超低速タイプのサーキット。これまでのような広いサーキットとは全く異なる性質を持っており、これが毎年モナコGPのみ勢力図を大きく変える要因のひとつにもなっている。
ここまで2度のポールポジションのとりながら、まだ優勝がないルイス・ハミルトン(マクラーレン)、今季F1に復帰してから2度の表彰台に登っているキミ・ライコネン(ロータス)、さらに過去モナコで5勝を挙げている“モナコマイスター”ミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)。すでに優勝している5人以外にもたくさんの優勝候補が名を連ねている。その誰が今回のモナコGPを制するのか?今週末のレースから目が離せない。

Photo:Pirreli BAHRAIN F1 GRAND PRIX 2012

【悲願の初表彰台なるか?今週末の可夢偉にも期待】
前回スペインGPで自己最高位タイの5位入賞を果たした小林可夢偉(ザウバー)。ここモナコは、昨年彼が5位入賞を果たしたところ。
元々、ザウバーのマシンはモナコのような狭いコースは苦手としていたが、1ストップ作戦を見事成功させ13番手スタートから5位までジャンプアップするレースをみせた。

前回スペインでもタイヤマネジメントを上手く行った結果、終盤に怒涛の追い上げをみせた可夢偉。モナコではどんな走りをみせてくれるのか?今から楽しみだ。

注目の第70回モナコGP。今年の“モナコマイスター”の称号を勝ち取るのは、一体誰なのか?いよいよ伝統の一戦が開幕する。

『Photo:Pirelli』
『記事:吉田 知弘』

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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