【SUPER GT】第2戦富士(GT300決勝):GSR 初音ミク BMWが怒涛の追い上げで今季初優勝!

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『終盤の激しい追い上げで逆転トップに立った0号車(撮影:SHIGE)』

SUPER GT第2戦FUJI GT500kmRaceのGT300クラス決勝は、昨年のチャンピオンチームであるGSR 初音ミク BMW(谷口信輝/片岡龍也)が残り9周で大逆転を果たし、見事優勝を飾った。

4番手からスタートしたGSR 初音ミク BMWは、序盤から始まった目まぐるしい天候変化にも柔軟に対応し、少しずつ順位を上げていく。トップ争いはストレートスピードに強いART TASTE PORSCHE(ティム・ベルグマイスター/土屋武士/ヨルグ・ベルグマイスター)、triple a Vantage GT3(吉本大樹/星野一樹)といったGT3マシンが序盤から抜け出し、15号車は一時後続を30秒以上引き離す独走を見せる。

長丁場の500kmレースも落ち着きをみせ始めた59周目(GT500は62周目)、15号車ポルシェがメインストレートで突然挙動を乱し、ピット出口横のガードレールに激突。これによりセーフティカーが導入された。運転席側のドアが砕けるほどの激しいクラッシュで、ドライバーのティム・ベルグマイスターの容態が心配されたが、幸い意識はあるとのことで、すぐにドクターヘリで近くの病院に緊急搬送された。

数周のセーフティカーランを終えてレースが再開、残り1回のピット作業を終えトップに立ったのはNo.43ARTA Galaiya(高木真一/松浦孝亮)だった。強豪の海外GT3勢を抑えてJAF-GTマシンが優勝かと思われたが、後方からチャンピオンの0号車谷口信輝が迫ってくる。実は谷口にドライバー交代した直後、GT500のウイダーHSV-010と接触され順位を後退。一時優勝争いから脱落しかけたが、勝利に対しての執念をみせた谷口が、一気に追い上げてきた。さらに残り15周から降り始めた雨でペースダウンを余儀なくされた43号車を、残り9周のところで0号車が追い抜き、見事今季初優勝を飾った。

2位にはエヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電(高橋一穂/加藤寛規)が入り、話題の痛車が1-2フィニッシュ、3位にはtriple a Vantage GT3(吉本大樹/星野一樹)が入った。

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先日のスーパー耐久第2戦に引き続き、見事な大逆転劇をみせた谷口は「本当に泥仕合を制したという感じです。全体的に見ると作戦面が良かったので上位に来れたのですが、終盤に18号車に追突されて順位を落としたときは腹が立ちました。それまではタイヤの温存なども考慮していたのですが、最後はお構いなしに鬼プッシュをしていたら恵みの雨に助けられて逆転する事ができました。片岡選手からトップでバトンをもらって、自分のスティントで大きな順位などがあったので、一人大運動会のような感じでした。」と大波乱のレースを振り返った。

また、このチームでは初優勝となったパートナーの片岡は「クルマのパフォーマンスに苦しんだ部分もあり、特に富士はキツいレースになると思っていたので、今回みたいに荒れれば荒れるほど、自分達にチャンスがあると思っていました。自分のパートではレース戦略のバランスをみて、できるだけ燃費をセーブしてロングランをするという走りが僕の任務でした。自分は比較的淡々と走って谷口さんにバトンを渡しました。そこからモニターで谷口さんを応援していたのですが、大きな順位変動もあって、モニターの前で気持ちの浮き沈みが多かったレースでした。ただチーム力と言う意味でも2戦目で優勝できたし、こういう荒れたレースで勝てたことは意味があることなので、この調子で力をあわせていけば良いレースができると思います。」と振り返った。

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GT500同様に大荒れのレース展開となったGT300。その中でも、500km全体を考えて燃費を計算した“守る走り”を完璧にこなした片岡と、終盤の“攻める走り”でトップを奪い返した谷口、そしてレース戦略を上手くコントロールして言ったチャンピオンチーム全体で掴んだ勝利だった。

『記事:吉田 知弘』

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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