【F1】第10戦ドイツGP:レースレポート

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『Photo:Pirelli』
『Photo:Pirelli』

2012年F1世界選手権の第10戦ドイツGP決勝が22日に行われた。2008年からホッケンハイムとニュルブルクリンクで相互開催を行なっているドイツGP。今年はホッケンハイムが舞台となる。

21日に行われた予選では、前回イギリスGP同様に天候に翻弄される結果となり、2戦連続でフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)がポールポジションを獲得。2番手に母国初優勝を狙うセバスチャン・ベッテル(レッドブル)がつけた。

【母国初優勝を目指すベッテルの前に“予想外の敵”】
気温21度、路面温度29度。前回と全く同じ決勝はドライコンディションに変わってスタートが切られた。抜群のダッシュを見せたアロンソがトップで1コーナーを通過。2位ベッテル、3位ミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)と続き、新旧ドイツ人F1王者との2位争いが白熱。ここはベッテルが踏ん張って首位アロンソの追撃にかかる。

今回、上位陣のほとんどはソフトタイヤを選択。第1スティントではアロンソの方がソフトとの組み合わせが良く徐々に差を広げていく。タイヤの消耗が激しく10周目にピットインする上位陣も見られた中、28周目まで引っ張りミディアムタイヤに交換する。2位ベッテルとの差を最大3.3秒まで広げ、このまま行けば今季3勝目が確実かと思われたが、中盤戦に流れが一変する。アロンソは右フロントタイヤに異常摩耗が発生しペースが上がらず、逆に好調のベッテルが一気に追い上げ28周目には両者の差は1秒を切る。母国初優勝に向けて何としてもアロンソを攻略したいベッテル。DRSやKERSをフルに使い、横に並ぼうとするが、予想外の展開が起こる。

35周目、2人の背後に周回遅れのルイス・ハミルトン(マクラーレン)が迫り、なんとトップ争いをしているベッテルを抜いてしまう珍事が発生。本来はペースが遅い周回遅れのマシンは道を譲らなければいけないが、逆に周回遅れのマシンがペースの上がらない正規周回のマシンを抜いてはいけないというルールもない。7番手スタートのハミルトンは序盤の3周目にタイヤがパンク。緊急タイヤ交換により大きく後退してしまっていたのだ。ちょうど31周目にルーティーンのタイヤ交換を行った際、周回遅れとしてアロンソとベッテルの背後でコース復帰。新品タイヤでラップタイムも速かったため、そのままベッテルの抜いたのだ。これによりトップ争いに水を刺されてしまったベッテルはペースが乱れ始め、せっかく追い詰めたアロンソとの差が広がってしまう。一方のアロンソはハミルトンが迫ってきても全く動じることなく周回を重ね、若いベッテルとの違いを見せ付けた。

【12番手スタートの可夢偉、完璧なレースで前回のミスを取り返す】
ここ数戦、不運なアクシデントや自身のミスばかりが目立ち、負の連鎖が続いている小林可夢偉(ザウバー)。今回は12番手グリッドからのスタートだった。他の上位陣とは異なり硬い方のミディアムタイヤを選択。序盤から順位を落とすことなく、ポイント圏内を目指していく。今まで「ミディアム→ミディアム→ソフト」で繋ぐ戦略で失敗が目立った可夢偉とザウバーチームだったが、今回はロングランをやっても大きなペースダウンがなく、特にソフトタイヤを履いた終盤は、周りがミディアムを装着していたこともありファステストラップを連発。3回ストップを選んでいたメルセデスAMG勢も逆転。さらに今は最大のライバルである僚友セルジオ・ペレスを38周目にオーバーテイクするなど、国際映像に何度も取り上げられる活躍を見せた。最終的に自己最高位に並ぶ5位でチェッカーを受けた。

『Photo:SauberF1Team』
『Photo:SauberF1Team』

【チャンピオン経験者3人による優勝争いに競り勝ち、アロンソ今季3勝目】
レース中盤の現王者ベッテルとのトップ争いを制し、今季3勝目が見えてきたアロンソ。しかし。今度は新たな“チャンピオン経験者”が迫ってきた。
41周目に2回目のタイヤ交換を行ったアロンソとベッテル。コースに復帰すると、彼らの間にジェンソン・バトン(マクラーレン)が割って入り2位を奪った。直前の40周目にタイヤ交換を終えていたバトンはマクラーレンチームの素早い作業と、自身がアウトラップで思い切りプッシュしたことでベッテル攻略に成功したのだ。何とかトップを死守したいアロンソだったが、またしても右フロントタイヤが異常摩耗でペースが発生。その隙にバトンが詰め寄り44周目から1秒以内の緊迫した展開を続けた。

ペースが伸び悩みながらも、要所要所でバトンを抑え込みながら耐え続けたアロンソ。この我慢の走りが功を奏し、残り10周を切ったところで勝機が訪れた。アロンソ攻略のためにプッシュを続けたバトンにもタイヤの限界が訪れ、ペースダウン。後方から追い上げてきたベッテルに残り2周でかわされてしまう。

『Photo:Pirelli』
『Photo:Pirelli』

この2位争いの間に、再びセーフティーリードを得たアロンソは、そのままトップチェッカーを受け、今季3勝目を飾った。

2位にベッテル、3位バトンの順で後続もチェッカーを受けたが、レース後にベッテルがコース外の部分(ヘアピン出口のアウト側)を通ってバトンを追い抜いていたため、20秒加算ペナルティを受けた。これによりベッテルは5位に後退し、2位バトン、3位キミ・ライコネン(ロータス)、4位可夢偉という正式結果となった。

序盤戦は苦しいレースが続いていた可夢偉だったが、ここに来て自己最高位を更新。シーズン後半戦に向けて弾みをつけるレースとなった。

<関連記事(外部サイト)>
■アロンソ、チャンピオン獲得へ大きく近づく今季3勝目(スポーツナビ)
■ここ数戦の汚名を返上、小林可夢偉が自己最高の4位(スポーツナビ)

『記事:吉田 知弘』

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吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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