【FormulaNippon】第7戦鈴鹿(決勝RACE2):9番手スタートの中嶋一貴が大逆転でタイトル決定!!

伊沢拓也が制した決勝第1レースから約3時間後。2012年のチャンピオンを決めるフォーミュラ・ニッポン第7戦鈴鹿の決勝第2レースがスタートした。

スタートではランキング5位につけポールポジションからスタートしたジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)と2番手の塚越広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)によるサイドバイサイドのバトルとなり、意地でオリベイラがトップを死守し1コーナーを通過。2位塚越、3位松田次生(TEAM IMPUL)が続く。しかし、ここから大波乱のレースが始まっていく。

まずは1周目の後半で3位松田がマシントラブルでスローダウンし脱落、4番手スタートだった山本尚貴(TEAM 無限)も第1レースでのトラブルが完治せずピットインを余儀なくされてしまった。

この一方で後方からのスタートしたドライバーたちが義務となっているタイヤ交換を早めに行い、1周目には中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM’S)、伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がピットインしタイヤ交換を済ませ、レース後半での上位浮上を目指した。

トップ争いでは序盤からオリベイラが猛プッシュで逃げる展開。2位の塚越はペースが上がらず追いつけない。逆転チャンピオンを狙ったオリベイラだったが、西ストレートでしつこくミラーを確認する仕草をみせ、9周目にピットイン。当初は義務のタイヤ交換かと思われたが、すぐに再度ピットイン。その後もレースを続行したが13周目にリアウイングを破損にピットインしリタイヤとなった。

こういった他のドライバーが混乱している隙に、徐々に順位を上げていった一貴。7周目にピットインした塚越も逆転。後半まで引っ張った小暮卓史(NAKAJIMA RACING)や平手晃平(Projectμ/cerumo・INGING)もピットに入り、残り7周でトップに浮上した。

 

一方、一貴に逆転された塚越はペースが上がらず、8番手から徐々に順位を上げてきたロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO)に18周目のシケインでパスされてしまった。

全体を通して今週末の苦戦を感じさせない速さで周回を重ねた一貴。誰もがチャンピオンの可能性が絶たれたと思っていた中で見事な逆転劇をみせ、今季2勝目のトップチェッカーを受けた。

ウイニングランも各コーナーでガッツポーズをみせた一貴。パルクフェルメにかえってくると「ヨッシャー!」と雄叫びを上げて再びガッツポーズ。喜びを爆発させた。

 

第1レースを終えて伊沢拓也と塚越広大が40ポイント。昨日の予選から苦戦している中嶋一貴は第1レースを13位ノーポイントで終え、第2レース前は38ポイントで首位を奪われた状態。本人も「半分以上諦めていました。とにかく9番手から出来ることをやろうと思ってレースを始めたら、自分でも驚く速さで走れました。最後は気持ちが折れそうでしたが、チームやファンの皆さんに支えてもらい、チャンピオンを取ることが出来ました。本当にありがとうございます。」とコメント。レース後のインタビューでは感極まって涙をみせた一貴。

17年間続いたフォーミュラ・ニッポンのシリーズで最後のチャンピオンドライバーに輝いた瞬間だった。

『記事:吉田 知弘』

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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