【ビギナー観戦塾】開幕前の準備真っ最中!プレシーズンテストで各チームが行なっていることとは?

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Pirelli
[Photo:Pirelli]

いつもビギナー観戦塾をご覧いただきありがとうございます。

いよいよ来月に開幕が迫った2013年のF1世界選手権!現在、各チームの本拠地があるヨーロッパでは開幕戦に向けてのテスト走行が行われています。ただ、特に最近になってF1を観始めた皆さんにとっては「プレシーズンテスト」という言葉は聞き慣れないと思います。

果たして、このテストでは何をやっているのか?を簡単にご紹介していきたいと思います。

※この内容はF1観戦歴が少ない初心者ファン向けの内容となっています。

【“テスト”と聞くと・・・】
テストと聞くと、まず思い浮かべるのが「試験」という意味だと思います。ちょうど時期的にも入学試験の真っ最中ですからね。また野球やサッカー、その他のプロスポーツでも「入団テスト」や「プロテスト」というようにプロ選手になるため、そのチームに加入するためのテストを行う機会が多く、それと同じ意味だと捉えられてしまうことも少なくありません。

F1をはじめ、モータースポーツでのテストは若干意味が異なってきます。すごく分かりやすい表現をあえてするならば「試運転、試走」という感じですね。

Pirelli Pirelli
[Photo:Pirelli]

特にF1では毎年のように車両規則が変更され、それに適したマシンを毎年開発しなければいけません。しかし、せっかく高性能のマシンを製作・完成させたとしても、その性能や耐久性などは、あくまでコンピュータ内で仮想実験した「シミュレーション上のお話」。ワールドチャンピオンを勝ち取るためには、いくら速くてもレース中にトラブルが頻発してリタイヤしてしまったり、いざ本番で走ってみたら全然いうことを聞いてくれない繊細なマシンだったら、勝てるレースも勝てません。

ライバルよりも速く、そして確実に走るためには本番前の「テスト走行」というのは欠かせない重要項目になるのです。こういったように、完成した新型マシンの試運転をサーキットで行う機会を、我々は通称「テスト」と呼んでいます。

実は普段の生活でも活用されている市販車も、発売されるまでに何ヶ月(時には1年以上かけて)にもわたってテスト走行が繰り返され、色々な不具合を潰したり、細部にわたって磨きをかけられたものが“完成形”として販売されています。

市販車以上にシビアなものが要求されるレーシングカー、特にF1の場合はテスト走行というのは本当に欠かせません。

【各チームを悩ませる厳しいテスト制限】
各チームにとっては超重要なテスト。シーズン開幕までに少しでも多く走ってデータ収集や新パーツの開発。ドライバーにとっては新マシンの習熟を行いたいところ。実際に以前のF1はシーズンオフ中、クリスマスとお正月を除いては毎週のようにヨーロッパのどこかでテスト走行が行われていました。さらにシーズン中もレースとレースの間にもテストを行うチームが多く、シーズン中にマシンが劇的に改良されていくことも珍しくなかったのです。

MercedesAMG MercedesAMG
[Photo:MercedesAMG]

しかし近年では各チームの予算削減のためにテスト走行にも厳しい制限がかけられています。
・シーズン中の実走行テストは主催者側が設けた公式合同テストを除き原則禁止。
・1日のテストセッションで使用できるマシンは1台のみ。
・年間のテスト走行距離も1チームあたり15,000km以下に抑えること。

このため、F1マシンをサーキットで走らせられる機会は2月からの1ヶ月間で開催される合同テストのみ!今年2013年は12日間しかなく、チームやドライバーにとっては一瞬も無駄にできない重要な期間となっています。

【現在のプレシーズンテストで行なっていること】
その限られた時間の中で各チームが行なっていること。ザックリまとめると以下のような項目があります。

SauberF1Team
[Photo:SauberF1Team]

・今年仕様のピレリタイヤは、どれくらい耐久力があるのか?それを長持ちさせるために、マシンにどのような改良・調整を加えれば良いのか?
・満タン状態で走行した時に、どのような動きをするのか?
・予選でのタイムアタック想定した時、どれくらいのタイムで走れるのか?
・レース中に勝敗を左右する重要項目「タイヤ交換」の練習
・新開発されたパーツはちゃんと機能するのか?
・その他、マシンやタイヤ、エンジンなど各パーツのデータ収集

またチームを移籍したドライバーは新しいチームで採用されているハンドルのスイッチの位置を覚えたり、テスト走行とは直接関係ないですがチームのプロモーション映像の撮影のための走行を行うこともあります。

このように各チームによって1日のテストで試す項目はバラバラ。そのため各メディアのニュース記事で報じられるタイム結果=今年の勢力図という事には、基本的になりません。あくまでも「参考記録」として捉えておいていただけるのがベストだと思います。

Pirelli Pirelli
[Photo:Pirelli]

いかがだったでしょうか?
本当に簡単なご説明になりましたが、シーズン前のテスト走行の重要性について、少しイメージできたかと思います。早速、本日(2月19日)から4日間にわたってバルセロナ合同テストが行われ、各日のタイム結果等は観戦塾でも随時更新していきます。

「今年はどのチームが速いのかな?」「応援しているあのドライバーのチームは調子が良いのかな?」と、参考程度にしかなりませんが“開幕までの楽しみ”の一つとして、ニュース記事をチェックしてみると面白いかもしれませんね!

『記事:吉田 知弘』

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吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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