【ビギナー観戦塾】今からでも間に合う!初めてのSUPER GT観戦(2013ver.)

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いつもビギナー観戦塾をご覧いただきありがとうございます。

いつもはF1日本グランプリの観戦情報を紹介するビギナー観戦塾ですが、今年もSUPER GTや名称が一新したスーパーフォーミュラなど国内レースの魅力や観戦ポイントなどを出来る限りご紹介していこうと思います。

国内のモータースポーツでは最大級の観客動員数を誇り、熱狂的なファンも多いことで有名なレースです。毎回最終ラップまで手に汗握るバトルが展開され、年々注目度も上がってきています。しかし、F1ほど認知度があるわけではないので、知らない人も多いでしょう。でも、今からでも十分に間に合います!今回は初めてSUPER GTを観戦する人向けに、レースの魅力やルールなどをご紹介していこうと思います。

※今回は今までSUPER GTを観たことがない方向けの内容となっています。ご了承下さい。

【SUPER GTって何?】
皆さんは、「SUPER GT」というレースをご存知でしょうか?
最近、人気を集め始めている、国内最高峰の自動車レース「SUPER GT」。今年はテレビ東京で中尾明慶さんがMCを勤める番組「SUPER GT+」も放送されており、「SUPER GT」という言葉を耳にする人も増えていると思います。

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F1と違い、国内メインで開催されるレースイベント。実際にサーキットに観戦に行ける機会も多く、F1よりもチーム・ドライバーとファンが身近に接することが出来るレースでもあるのですが、まだまだ認知度が少ないため、「どんなレース??」というのが、現状だと思います。

【F1とSUPER GTの違い“参戦車両は一般のスポーツカーがベース】
F1とSUPER GTの違いは、いくつかあります。

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[左:F1マシン、右:SUPER GTマシン]

F1マシンは、4つのタイヤが剥き出しになり、ドライバーの頭もコックピット(運転席)から出ている「フォーミュラカー」となっていますが、SUPER GTの車両は、市販されている国産のスポーツカーがベースとなっているため、普段からみなさんが街中で見かけるスポーツカーと似た形状をしています。このスポーツカーをレース用に専用開発された「GTカー」で、SUPER GTは戦われています。

【異なるクラスのマシンが同じレースで走る“2クラス混走レース”】
SUPER GTのもう一つの特徴は、「2クラス制」ということです。
最大出力が500馬力でホンダ、日産、レクサス(トヨタ)がメーカーの威信をかけて開発した最新マシンで争われる「GT500クラス」と、最大出力300馬力でGT500より改造範囲が制限されている「GT300クラス」と、異なる車両規則の基で開発された“2クラス”のマシンが、同じレースで同時に走ることになります。

GT500 GT300

[どのマシンがどちらのクラスは分かりやすいよう、ゼッケンが色分けされています]

当然、高性能なGT500クラスのマシンの方が圧倒的に速いため、すぐにGT300のマシンたちは周回遅れになってしまいますが、最終結果としては「GT500」「GT300」と別々に結果を出すため、300クラスのマシンは周回遅れになってしまっても、特に問題はありません。

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逆にGT500クラスのマシンは「周回遅れとなるGT300のマシンを上手く利用、いかに自分のクラスで順位を上げていくか?」またGT300クラスは「後ろから来るGT500のマシンを先に行かせながら、いかに自分達のクラスでバトルをしていくか?」と、異なるクラスのマシンを上手く利用しながら、バトルをしていく「頭を使った駆け引き」が見られるのも特徴の一つです。
最近ではGT300マシンの直線スピードが上がり、GT500マシンが簡単に追い抜いていけないことも多々あります。それも含めて、各クラス同士で、どのようにレース戦略を立てていくのか?SUPER GTはチーム全体での「総合力」も問われるレースなのです。

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[ホンダHSV-010]

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[日産GT-R]

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[レクサスSC430]

さらに今年のGT300クラスは国内外のさまざまなレーシングカーが参戦。フェラーリ、BMW、ランボルギーニ、アウディ、メルセデスベンツなどの世界を代表するスーパーカーのバトルを国内で観ることができます。この他にも、先日発売されたスバルBRZや、トヨタが代表するハイブリッドカー“プリウス”、ホンダCR-Zなども参戦しています。

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[左:トヨタ プリウスGT、右:ホンダCR-Z GT」

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[左:スバルBRZ、右:日産GT-R(GT3)」

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[左:ポルシェ、右:メルセデス・ベンツSLS]

【F1にはなくて、SUPER GTにはある“レースを面白くするルール”】
F1は「世界中のモータースポーツの頂点に立つレース」という位置づけが強いため、エンターテイメント性というよりも、「チーム同士の技術競争」だったり「ドライバーの世界一決定戦」という部分が第1条件となってルールが作られているものが多いです。
しかしSUPER GTの場合は、もちろん国内最高峰のレースで厳格なルールが決まっているのですが、「GTレースならでは」のルールがいくつかあります。

■必ず2人1組で1台のマシンを走らせる
F1は、1人で1台のマシンをスタートからゴールまで走らせる“スプリント形式”なのに対し、スーパーGTは2人1組で1台のマシンを走らせる“耐久レース形式”となっています。

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なので、2人が力を合わせて優勝を目指すことになるので、前半のドライバーがミスをしても、後半のドライバーが挽回できたり、それぞれの走りのスタイルを考慮した上で、効率の良いレース戦略を考えたりと、各チームで個性が出てきます。

■シーズン独走はできません!「ウエイトハンデシステム」
「常にに公平なコンディションでレースをさせ、チーム・ドライバーの実力差を見る」のがF1に対して、「速いマシン、強いチームには“ハンデ”を与えて、実力が均等になるようにする」のがSUPER GTの特徴です。
一人勝ちを許さないルールとして、スーパーGTでは「ウエイトハンデシステム」というルールが導入されています。レースで優勝を含め上位に入賞したマシンは、その順位に応じて、次戦から「重り」をマシンに積まなければいけません。
重りを積むことによって、マシンの性能が落ち、F1のように2連勝・3連勝が困難になります。その結果、毎レースで勝者が変わり、最終戦まで白熱したチャンピオン争いが展開され、最後の最後まで目が離せないレースが展開されるのが、SUPER GTの面白さでもあります。

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[マシンに貼られるウエイトハンデのステッカー]

<<ウエイトハンデのシステム>>
●前戦まで獲得したシリーズポイントの1ポイントあたり2kgのウェイトを積む。
例)20ポイント獲得しているマシン→次戦から40kgのウェイトを積むことになる。
●シリーズ第7戦の2レースは、1ポイントあたり1kgのウェイトを積む。
例)20ポイント獲得しているマシン→第7戦のみ20kgのウェイトを積む。
●シリーズ最終戦・特別戦は、全車ウェイトハンディなし。

2013SUPER GTレースカレンダー

【SUPER GTはファンイベントも盛りだくさん!ピットウォークは毎回開催!】
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F1日本グランプリでも木曜日に行われるピットウォーク。もちろん、SUPER GTでも開催されており、富士や鈴鹿など人気のサーキットでは参加券が完売になってしまうほど大盛況です。F1の場合は一般向けのピットウォークは1日のみですが、SUPER GTは土・日の2日間とも開催(天候状況により中止になる場合もあり)されます!さらに小さなお子様連れのご家族を対象としたキッズピットウォークも予選終了後に開催され、こちらも毎レース好評!この他にもドライバートークショーやレースクイーンが登場するステージなど、毎回イベント盛りだくさんです!

【アニメやゲームとコラボするチームも参戦!】
近年、アニメやゲームがSUPER GTのチームとタッグを組んで参戦するケースが増え始め、数年前までは“夢物語”と考えられていた「痛車レーシングカー」が実際に参戦します!

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一番有名なのが元祖痛車GTカーのGSR初音ミクBMW。2011年にはGT300クラスのチャンピオンにも輝き、レース界でも恐れられている「最強の痛車チーム」です。今年も初音ミクがデザインされたBMW Z4 GT3で王座奪還を目指します。

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こちらも最近話題のアニメ「エヴァンゲリオン新劇場版」のPRのために活動するエヴァンゲリオンレーシング。昨年で初号機カラーに彩られた紫電は引退となってしまいましたが、今年からヨーロッパで大活躍中のマクラーレンMP4/12c」が初号機バージョンとなって参戦します!さらに注目なのはレースクイーンもエヴァ新劇場版に登場する5人のキャラクターを再現したコスチュームで登場!各サーキットのピットウォークでは大人気になること間違いなしです!

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この他にも大人気アニメ「攻殻機動隊」とポルシェなども参戦しており、今ではすっかり痛車がSUPER GTに参戦するのが当たり前になり始めています。

いかがだったでしょうか?

最後にSUPER GT公式プロモーションビデオをご紹介させていただきます。今回ご紹介した内容も入っていますので、実際にあった迫力あるレースシーンも一緒に是非ご覧ください!


『動画:GTA』

F1と違いチケット料金も低価格ですし、チームやドライバーとも身近に接することが出来るレースです。そして、国内最高峰のレースだけに、マシンが駆け抜けていく迫力も、十分感じることができます。また今週末の第6戦は首都圏から近い富士スピードウェイでの開催なので、東京からの日帰り観戦も可能です。

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是非、今年はSUPER GT開幕戦も現地で観戦して、F1日本グランプリにはない“モータースポーツの醍醐味”を感じてみてください!

『記事:吉田 知弘』

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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