ホンダHSV-010陣営が大活躍しRAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/小暮卓史)が優勝、KEIHIN HSV-010(塚越広大/金石年弘)が2位に入った2013SUPER GT開幕戦のGT500クラス。しかし、途中まで2位を走り上位争いに絡み続けたウイダーモデューロHSV-010(山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ)も見逃せない存在だった。
6日(土)の予選ではあいにくの大雨。しかし唯一ホンダ勢で雨に強いと言われるミシュランタイヤを履く18号車にとっては逆にチャンスになるはずだった。しかし予選Q1では赤旗中断になることが多く、最後もタイミングが上手く噛み合わなった18号車。結局9位でQ1敗退という厳しい結果になってしまう。「予選で9位になってしまい、本来僕たちがいるべきでないポジションからのスタートだったから、どうしても序盤から追い上げたかった。」とQ1アタックカーだった山本。
その気迫通り、序盤から前のマシンを次々とパス。15周目には昨年までチームメイトだった伊沢拓也も抜き去り3位に浮上してみせた。その後も逃げるトップ2台に離されることなく周回を続けた山本。この頑張りにチームも応え、42周目にピットインすると迅速な作業で2位ケーヒンHSVを逆転。後半スティントを新加入のフレデリック・マコヴィッキィに託す。FIA-GT1選手権などで実績があるマコヴィッキィだが、もちろんSUPER GT初参戦。さらに後ろからは百戦錬磨の100号車小暮卓史が迫ってきた。何度となくピンチに追い込まれたが、巧みなブロックで100号車をブロック。このまま表彰台フィニッシュも見えてきたところだったが、68周目のアドウッド・カーブで単独スピンを喫し後退。その後は一転して苦しい展開となってしまい、結局5位でフィニッシュした。
初のS-GT決勝を経験したマコヴィッキィは「尚貴が凄くいい仕事をしてくれて3位に上がってピットに入ってきてくれた。後半スティントの出だしは良かったけど、GT300マシンの処理などを上手くこなすことが出来ず100号車に追いつかれてしまった。でも小暮とのバトルはフェアだったし良い経験ができた。最後はスピンも自分のミスでスピンしてしまい順位を落とすことになってしまったけど、このレースで本当に色々なことを学べたし、それを生かして次はもっと良い結果が期待できると思う。」とレースを振り返った。
また前半スティントで素晴らしい走りを見せた山本も「昨日の予選はクルマもタイヤも調子良かったし、僕のスティントで3番手まで順位を戻してマコヴィッキィにバトンを渡せたところまでは良かったです。ただ後半は急激にコンディションが変わってきて、それに対して僕たちが選んだタイヤが上手くマッチせず、多分彼も苦しかったと思いますが、最後はちゃんと5位でポイントを獲得できたという点では良かったと思います。本当はもっと上へ行きたかったですが、正直開幕戦でここまでのレースが出来ると思っていなかったので、シーズンの出だしとしては良かったですし、これからどんどん夏に向かっていければ僕たちが持っているパフォーマンスをフルに発揮できると思うので、これから先がすごく楽しみです。」と悔しい気持ちを残しつつも、笑顔で語ってくれた。
18号車ウイダーモデューロHSVは第3戦セパンで2連勝している実績がある他、今年から新しくパートナーとなったミシュランタイヤは雨だけでなく夏の暑いコンディションも得意としている。残念ながら、今回のレースは脇役になってしまった部分があるが、第2戦以降の走りに期待がかかる岡山での走りだった。
『記事:吉田 知弘』
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