【SF】2013第4戦もてぎ:中嶋一貴が完璧なレース運びで今季初V!トムスがワン・ツー

©KANSENZYUKU

2013年の全日本選手権スーパーフォーミュラの第4戦ツインリンクもてぎ。EnjoyHondaの併催もあり、朝から多くのファンが詰め掛け15,500人が詰め掛ける中、決勝レースが行われた。

今回は2&4レースということで午前中に2輪、午後も全日本F3の第11戦決勝が行われるなど、ハードスケジュールな決勝日。一番のメインレースとなるスーパーフォーミュラはいつもより遅い15時15分からのスタートだった。しかし、各車がグリッドについてマシンの最終チェックを行なっている間に雨がパラつきはじめ、全車スリックタイヤのままフォーメーションラップが始まり、セミウェットのコンディションで52周の決勝がスタートした。

1コーナーでは特に大きな混乱はなく、ポールポジションの中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM’S)が先頭を死守。5番手のアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)が好スタートを決め、1コーナーで3位に上がると4コーナーでロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)をかわし2位に浮上。あっという間にトムスのワン・ツー体制が出来上がった。スタート直後でタイヤも温まっていない上に路面も濡れはじめの滑りやすい状況。そのため後続では接触がいくつか見られ、90度コーナー明けの左コーナーで7位争いをしていた伊沢拓也(DOCOMO DANDELION RACING)と山本尚貴(TEAM無限)が接触。伊沢はスピンしてグラベルに止まり、まさかのリタイアに終わってしまう。一方押し出すような形となってしまった山本。一時はペナルティになるのかと思われたが、レースアクシデントの判定となりレースは続行。しかし、接触の影響で順位を落としたこともあり、8位でフィニッシュとなった。

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トップ争いは一貴、ロッテラー、デュバルの三つ巴に。ともにル・マン優勝経験があり、こういったセミウェットを得意としている2人に詰め寄られた一貴だったが意地で踏ん張りトップを死守。その後、雨が止んで路面も乾き始めると徐々に後続との差を広げ、レース中盤まで1分35秒台と安定したラップを刻み続けた。

レースも半分を過ぎた34周目、まずは2位のロッテラーがピットイン。タイヤ交換と給油を終え15.6秒でコースに復帰する。その2位の座を狙うデュバルも翌35周目にピットインするが、タッチの差で逆転できずロッテラーが先行。そしてライバルがピットに入っている間にベストタイムを刻んで貯金を稼いだ一貴は36周目に満を持してピットイン。ところが右フロントタイヤが外れないアクシデントが発生。幸い給油時間内でタイヤ交換を終えることができたため、15.8秒と大きなロスなくコースに復帰。トップの座を守った。

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このまま一貴のポール・トゥ・ウィンで終わるかと思われたが、今季3連勝を目指すロッテラーが残り10周を切って猛プッシュ。その差を2.5秒まで縮められる。しかし、一貴もその状況を察知してラストスパート。全く付け入る隙を与えずチェッカーフラッグ。今季初、通算4勝目を飾った。2位にそのままロッテラーが入りトムスがワン・ツーフィニッシュ。3位にはデュバルが入って今季2度目の表彰台を獲得した。

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注目のチャンピオン争いはロッテラーが29ポイントまで伸ばしトップを死守。デュバルが20ポイントで2位に浮上。3位に山本(18ポイント)が続いている。第5戦インジェがなくなり、次回は9月末のスポーツランドSUGO。ランキングで1・2位を争う2人は最終戦鈴鹿がWECの日程と重なり出られないため、次回がシリーズ戦では最後のレースとなる予定。チャンピオン獲得のために少しでも多くポイントを稼いでおきたいところだ。

『記事:吉田 知弘』

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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