【F1】2013ベルギーGP:レースレポート

©Pirelli
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 2013年のF1世界選手権も夏休みが終わり、いよいよチャンピオン争いが本格化する後半戦に突入。第11戦ベルギーGPの決勝レースが25日(日)に行われた。

 前日の公式予選では名物の“スパウェザー”に翻弄され、Q3はウエットコンディションの中でグリッド争奪戦が行われ、ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)がポールポジション。セバスチャン・ベッテル、マーク・ウェバーのレッドブル勢が2−3位につける上位グリッドとなった。一夜明けたスパ・フランコルシャンは、厚い雲に覆われているものの、雨は降っておらず気温25℃、路面温度19℃のドライコンディションでスタートが切られた。

 昨年は1コーナーで多重クラッシュが発生し大波乱のきっかけとなったが、今回はハミルトンを先頭にほぼ順当に1コーナーを通過。大きな接触は見られなかった。すると、2位ベッテルが一気に勝負に出てケメルストレートでアウト側から追い抜いてトップ奪還。その後も集中力を切らすことなく2周目に1分54秒624、3周目に1分54秒865と序盤からペースを上げ、2位以下に対し4秒のリードを築く。後続は2位ハミルトン、3位ニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)と続いていたが、9番手からスタートしたフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が積極的なレースを見せ、6周目に3位浮上。第1スティントはベッテル、ハミルトン、アロンソのチャンピオン経験者による三つ巴の展開となった。

 5周目以降は1分55秒前半と安定したペースで周回したベッテルが徐々に主導権を握っていき、14周を終えたところでピットイン。ミディアムタイヤに履き替え第2スティントに入っていく。一方、その後ろでは少しずつ間合いを詰めていたアロンソが1回目のピットストップを終えた15周目にハミルトンを逆転。1分53秒前半のラップタイムを刻み続け、トップを猛追。一方逃げるベッテルも16周目に1分52秒804のファステストラップを叩き出すと1分53秒0のペースに上げ、後続との差を維持。現在ポイントランキング1位と3位のドライバーよる激しいマッチレースが展開されたが、ベッテルが確実に0.2〜0.3秒引き離し2回目のピットストップを行ったレースの折り返し地点となる22周目には8.7秒まで貯金を増やした。

 今季絶好調の現王者に食らいつくライバルのアロンソ。その一方で前回ハンガリーGPでは素晴らしいレース戦略をみせたキミ・ライコネン(ロータス)は序盤からブレーキトラブルに苦しめられる。ついに25周目、症状が悪化したことでレース続行を諦め、2012年にF1復帰して以来31戦目で初のリタイアを喫し、昨年の第4戦バーレーンGPから続いて連続入賞記録も27でストップした。

 30周目に差し掛かると上位陣は2回目のピットストップ。ベッテル、アロンソともにハードタイヤに履き替えゴールを目指す。最終スティントでも両者ともに一歩も譲らぬ全開でのラップが毎周にわたって繰り広げられたが、ここでもベッテルが少しずつ引き離していく。余り攻めすぎてマシンに不具合がでるのではないかというチームの心配をよそに40周目には1分40秒756のファステストラップをマーク。最終的に16.8秒の大差をつけ今季5勝目、通算31勝目となるトップチェッカーを受けた。2位にはアロンソ、3位にはハミルトンがそのまま順位を維持してゴールした。

 今シーズンは第8戦イギリスGPで一度リタイアがあるものの、それ以外は全て4位以内でチェッカーを受けているベッテル。ポイントランキングでもトータル197ポイントに伸ばし、2位の座を取り戻したアロンソ(151pts)に対し46ポイントのリードを築いた。また今回リタイアを喫したライコネンは4位に後退し、ハミルトンが139ポイントで3位に浮上している。

『記事:吉田 知弘』

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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