【F1】2013第13戦シンガポールGP:王者ベッテルが余裕(?)で今季5度目のPP

©Pirelli
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 2013年のF1世界選手権はアジアラウンドに突入。第13戦シンガポールGPの公式予選が21日(土)に行われた。舞台となるマリーナ・ベイ・ストリート・サーキットは約1600基の照明に照らされ、今年もナイトレースならではの幻想的な空間が出来上がり、予選Q1がスタートした。

 通常なら上位陣はプライム(硬め)タイヤとなるミディアムで抑えのタイムを出したいところだが、市街地コース特有の“急速な路面状況の変化”がQ1から見られた。そのため、セッション後半には今回のオプション(柔らかめ)であるスーパーソフトをQ1から履いてアタックするドライバーが続出。結局スーパーソフトを使って2回目のタイムアタックを行ったルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が1分44秒196でトップ通過を果たした。

 続くQ2でも、まずはメルセデスAMG勢が先に仕掛ける展開。ニコ・ロズベルグが1分43秒892を叩き出すとハミルトンも1分43秒920と続きワン・ツー体制を築く。一方、ランキング2位で逆転チャンピオンを狙うフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)は1分44秒521とトップを奪えず苦戦が強いられた。15分で争われるQ2も中盤に差し掛かると今週末絶好調のレッドブル陣営がコースイン。Q1ではスーパーソフトを温存したセバスチャン・ベッテルが1分42秒905を記録しロズベルグに1秒の大差をつけると、同僚マーク・ウェバーも0.8秒差ながら全体2位に飛び込み、一気にチャンピオンチームが主導権を握った。

 残り3分。レッドブルとメルセデスAMG以外の14台がコースインし、Q3進出をかけた2回目のタイムアタックを行うが、ここで中団グループは明暗が分かれた。ランク4位のキミ・ライコネン(ロータス)はタイムが伸びず2戦連続でQ2ノックアウト。この他にもニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)やセルジオ・ペレス(マクラーレン)がノックアウト。逆にここまで苦戦が続いていたルーキーのエステバン・グティエレス(ザウバー)が初めてQ3への切符を勝ち取った。

 激しいQ1・Q2での戦いを勝ち抜いた10台のマシンで争われたQ3。1周が1分40秒以上と時間がかかるコースのため、グリーンシグナルと同時に各車コースイン。まずは1回目のタイムアタック合戦に注目が集まった。Q2同様に新品スーパーソフトを投入したベッテルがさらにタイムを更新し1分42秒841をマーク。ライバル達に0.5秒差を築いた。ここで全車がピットインしタイヤ交換。残り時間を考慮しすぐにコースインする。しかしベッテルはポールポジションを確信したのか、残り2分を残してマシンを降り、ライバル達のタイムアタックを見守った。

 ここまで余裕な振る舞いを見せられると、彼のポールポジションが決定かと思われたが、今年予選で絶好調のロズベルグをはじめ、各ドライバーが最後の最後で意地を見せる。まずはセクター1でウェバーがベッテルを上回り全体ベストを叩き出すと、続くセクター2単体ではロズベルグが全体ベスト。ガレージ内でモニターを見ていたベッテルの表情はみるみるうちに険しくなった。しかし、最終のセクター3で好タイムを出すことができずロズベルグが1分42秒932で2位、ウェバーも1分43秒152とトップに立つことが出来ない。最後の最後でロメイン・グロージャン(ロータス)が1分43秒058で3番手に食い込むが、誰もベッテルを上回ることができずチェッカー。最後はハラハラする展開となったがベッテルが無事に今季5度目、通算41回目のポールポジションを勝ち取った。またチャンピオン争いで2位につけているアロンソは1.097秒遅れの7位に終わった。

『記事:吉田 知弘』

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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