【F1】2013第14戦韓国GP:レースレポート

©Pirelli
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 2013年のF1第14戦韓国GPの決勝レースが、現地時間の6日(日)に韓国南西部ヨンアムにある韓国インターナショナルサーキットで開催された。開幕前から台風23号の接近に伴い、決勝レースは大雨になるのではないかと心配されていたが、フタを開けてみれば太陽も時より顔を出すほどの曇り空。ドライコンディションでレースが始まった。
ポールポジションは今季最多6度目となるセバスチャン・ベッテル(レッドブル)、2番手にルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が並ぶフロントローの顔ぶれ。予選3位でマーク・ウェバー(レッドブル)が入っていたが、前回シンガポールGPでの危険行為で10グリッド降格ペナルティを受け、代わりにロメイン・グロージャン(ロータス)が3番手に入った。

 スタートでは、ここ一番の集中力をみせたベッテルが先行。2位ハミルトン、3位グロージャンと順当に続く展開。後方では長いストレートから一気にブレーキングするターン3でフェリペ・マッサ(フェラーリ)がスピン。大きく順位を落とした。その後、後半セクションを上手くさばいたグロージャンがハミルトンをパスして2位に浮上。そのままトップのベッテルもと行きたかったところだったが、いつも通りの先行逃げ切り作戦をやられてしまい、1周目から早くも2秒のギャップを築かれてしまう。

©Pirelli
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 前回シンガポールGPでは後続に1周あたり1〜2秒のリードを築いたベッテルだったが、今回はそこまでの独走はできない。それでも確実に差を広げ8周目には3秒差に。今回はスーパーソフト(赤)とミディアム(白)の2種類のドライタイヤを使用しなければいけない韓国GP。Q3進出組は全員スーパーソフトでスタートしているため、10周目と比較的早いタイミングで続々と1回目のタイヤ交換を行う。3位ハミルトンがと6位フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が9周目に入ったのを皮切りに、翌10周目にグロージャン。11周目にベッテルがピットイン。ここでの大きな順位変動はなかった。

 しばらくこう着状態が続き、レースも中盤に差し掛かった31周目、セルジオ・ペレス(マクラーレン)の右フロントタイヤがバースト。タイヤの破片がコース上に飛び散り、それらを回収するためセーフティカーが導入される。ちょうど2回目のピットストップを予定していた上位陣は、このタイミングで一斉にピットイン。これで順位が大きく変わることになり、ベッテル、グロージャンに続き2回目のピットストップを早めに済ませていたキミ・ライコネン(ロータス)が3位に浮上。ドイツGP以来となるロータスによるベッテル包囲網が出来上がった。

 コース上の破片回収が終わり、36周目にレース再開。ここでは大きな順位変動はなく進むが、直後のターン3でエイドリアン・スーティル(フォースインディア)がスピン。そのままヘアピンを通過していたウェバーにぶつかってしまい、2台ともコースオフ。同時にウェバーのマシン後部から炎が上がるアクシデントに見舞われリタイア。この時、マーシャルの対応が遅れ、ウェバーは脱出していたもののマシンは大きな炎に包まれてしまった。これにより2度目のセーフティカーが導入。その直前でライコネンがグロージャンをパスしており、ベッテル、ライコネン、グロージャンの順で再び隊列が形成された。

 そして41周目に再び再スタートが切られると、ベッテルはベルギーGPから続く4連勝に向けてラストスパート。これにライコネンはついていけず、グロージャンが再び順位を取り戻そうとロータス2台による接近戦が白熱した。トップ3の争いがこう着する中、終盤盛り上がったのは4位争い。今年ザウバーで苦戦が続いていたニコ・ヒュルケンベルグがハミルトン、アロンソなど歴代チャンピオンドライバーの猛追を抑え激走。ファンや関係者の注目を集めた。

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 こうして順位の入れ替わりはなかったものの白熱したバトルが展開された終盤。結局危なげない走りをみせたベッテルが今季8勝目のトップチェッカー。2位ライコネン、3位グロージャンと続いた。ランキング2位のアロンソは精彩を欠き6位。これにより2人の差は77ポイントに広がり、次回の日本GP(鈴鹿)でベッテルが4度目のチャンピオンが決まる可能性が出てきた。

『記事:吉田 知弘』

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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