【F1】2013第15戦日本GP:ベッテルが得意の鈴鹿で鮮やかな逆転優勝!!

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 2013年のF1日本グランプリ。いよいよ決勝レースがスタートする時間がやってきた。午後も青空が広がった鈴鹿サーキット。今年は日本人ドライバーの参戦もなく、86,000人と昨年より少ない来場者数となったが、今までとは変わらない熱気に包まれ、決勝レースがスタートした。

 ポールポジションはマーク・ウェバー(レッドブル)、2番手にセバスチャン・ベッテル(レッドブル)というコンビ。スタート直前にベッテルの左フロントタイヤから白煙が見えたが、特に大きな問題はなくブラックアウト。するとレッドブル2台ともダッシュが効かず2列目にいたルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)とロメイン・グロージャン(ロータス)が間に割って入り、なんと4番手スタートのグロージャンがトップで1コーナーへ。ハミルトンも2番手で飛び込もうとするが、狭いスペースでベッテルを抜いた際に右リヤタイヤを傷つけてしまいバースト。脱落を余儀なくされた。鈴鹿での開催は25回目となる今年のF1日本GPは、グロージャンが先行しウェバー、ベッテルのレッドブル勢が追いかける展開で始まっていく。

 必死に攻めるグロージャンだが、今週末好調のウェバー、ベッテルを引き離すことができず1回目のピットストップへ。まずウェバーが11周目に動き、ミディアムからハードへ。翌12周目にグロージャンが入り、同じくハードへ交換した。ここで第1スティントを引っ張ったのは3位を走行していたベッテル。14週目にピットイン、こちらもハードタイヤへ交換。コースへ復旧するが、グロージャン、ウェバーの後方3位のまま。どうしても追い抜きが難しいと言われる鈴鹿。ペース的にはレッドブル勢の方が速いが、グロージャンも初優勝に向け意地をみせ、プッシュしながら周回を重ねていく。

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 レースが大きく動いたのは中盤の25周目、3ストップ作戦を予定していたウェバーが2回目のピットに入ると、頑張ってスティントを引っ張ったグロージャンも29周目に2回目の作業を終える。通常の流れだと、このままベッテルも入るのだが、1分37秒0のペースをキープしステイアウト。実はライバルより1回少ない2ストップ作戦を狙っていたのだ。新品タイヤを履く2人にラップタイムでは負けてしまっていたが、着実に周回を重ね37周目にピットイン。3位に後退するが、すぐに1分35秒317を叩き出しグロージャンに接近。41周目の1コーナーでパスし2位に浮上。その後ウェバーが予定通り3回目のピットストップを敢行。一時は優勝も厳しいレース展開かと思われたが、いつもとは異なる鮮やかな逆転劇を見せた。

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 残り10周、グロージャンとウェバーの2位争いに注目が集まる。最終スティンでミディアムタイヤを選択したウェバーは1分34秒587のファステストラップを記録し猛追。45周目で1秒以内に追いつき、シケインや1コーナーなどでプレッシャーをかけていく。しかし、あと一歩のところで前に出ることはできず、手持ちのコマがなくなっていく。それでもラストランとなる鈴鹿で何としても2位を手に入れたいウェバーは諦めずにプッシュ。そして残り2周というところで周回遅れのマシンに気を取られていたグロージャンの隙をついて攻略。最後の最後で最強レッドブル陣営がワン・ツー体制を築きチェッカー。ベッテルは今シーズンの勝利数を9に伸ばし、ウェバーはラストランとなる鈴鹿で素晴らしい走りを披露した。

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 表彰式で喜びを爆発させたベッテルは「まずは毎年鈴鹿に来てくれるファンの皆に感謝したい。今日はとにかくライバルとの位置関係、タイヤマネジメント、ペースコントロール。この3点をベースにレースを進めた。2011年はこれが鍵となってやられたけど、今回はやり返せたね。今日チャンピオンは決められなかったけど、またポイント差を広げることが出来た」とコメント。最後はグランドスタンドに集まったファンに、昨年よりも流暢になった日本語で「アリガトウ!」と手を振りながら感謝のメッセージを伝えた。

『記事:吉田 知弘』

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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