【SF】鈴鹿テストではトップ10入りならずの山本尚貴「富士のテストまでには何とかしたい」

©T.Yoshita/KANSENZYUKU

 3・4日の2日間にかけて鈴鹿サーキットで行われたスーパーフォーミュラ公式合同テスト。昨年、初のシリーズチャンピオンを勝ち取った山本尚貴(TEAM無限)にとっては、苦しいスタートとなってしまった。

 今年からマシン、エンジンともに新しくなったスーパーフォーミュラ。テスト初日からロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)、アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)らが昨年のタイムを上回るパフォーマンスを発揮。2日間ともトヨタエンジン勢がタイムシートの上位を独占する形となった。一方のホンダ勢はタイムが伸びずトップから2秒近い差を付けられてしまった。

 もちろん、山本も例外でなかった。本来ならロングランのテストや新品タイヤをつけての予選シミュレーションも行うのだが、大半の時間で様々なセッティングを試すために2〜3周走ってはピットに戻ってセッティング変更という作業を繰り返していた。最後も新品タイヤでアタックをしたが思ったほどの手応えを感じる事ができなかったという。

 テストを終えた山本も、今回の結果にはさすがに落胆の表情を隠すことができず、「現状が厳しいですね。一概にエンジンだけではなく、マシンのセットアップ面でも頑張らなければいけない部分。2日間で色々なセッティングをためしましたが、正直“これだ!”といものがまだ見つかっていない状態。ただ、このままで開幕を迎えるわけには行かないので、富士のテストまでにチームとミーティングを重ねて、何とかばん回したい。」とコメントしてくれた。

 今回、ホンダ勢のタイムが伸びなかったことについて佐伯プロジェクトリーダーは「この鈴鹿ではテスト用のスペックを用意し、データ収集とマイレージ(走行距離)を稼ぐことを重視した。」とコメント。次回の富士合同テスト、そして4月の開幕戦ではより強力なスペックが投入されるとのことで、その時のパフォーマンスに期待したい。

 思わぬ形でのスタートとなってしまった2013年度チャンピオン。しかし、以前も「何をやってもダメ」というどん底の状況から快進撃への糸口を見つけ、チャンピオンを獲得した。またTEAM無限は開幕戦の舞台である鈴鹿サーキットには強いチーム。マシン、エンジンは新しくなったもののドライバーとチームの力で逆境の乗り越えることは、決して難しいことではないだろう。

 国内トップフォーミュラ連覇に向けて、山本がどのように準備を整えてくるのか、今後の動きに注目したい。

『記事:吉田 知弘』

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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