【WEC】2014第1戦シルバーストン6時間:トヨタが初のワン・ツーフィニッシュ!

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©TOYOTA
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 4月20日(日)FIA世界耐久選手権(WEC)第1戦シルバーストーン6時間レースが行われた。めまぐるしく変わる天候に翻弄されるレースとなり、最後は30分ほどを残して激しい雨のために短縮終了となった。スタートから最後まで強さを見せたトヨタ・レーシングのTS040 HYBRID #8が優勝。#7が2位で続き、トヨタ・レーシングは新型TS040 HYBRIDのデビュー戦を、チームにとってWEC参戦初となる、1-2フィニッシュで飾った。

 1000馬力を誇るパワーを4輪駆動で路面に伝えるTS040 HYBRIDは、アンソニー・デビッドソン、ニコラス・ラピエール、セバスチャン・ブエミの3人が駆る#8が圧倒的な速さを見せた。同車はレース序盤に首位に立つと、その後は一度もポジションを譲ることなく、2014年シーズンの開幕戦を制した。

 変わりやすい天候に苦しみながらも、アレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、中嶋一貴の#7が2位で続き、トヨタ・レーシングはWEC参戦初となる、1-2フィニッシュを飾った。

 コースコンディションは完全なドライからヘビーウェットコンディションまで、めまぐるしく変わった。最後は予定されていたチェッカーフラッグの時間まで30分程を残して、豪雨により赤旗が出され、レースはその時点で終了となった。

 レースはスタート直後から激しい順位争いが繰り広げられたが、ポールポジションからスタートを切った#7のブルツは首位をキープ。#8のブエミも5番手スタートから1周目に3位へと順位を上げた。

 2台のTS040 HYBRIDは、雨が降り始める40分過ぎ前後まで、首位争いを展開。雨が降り始めた中での最初のピットインで、#7がウェットタイヤを、#8は溝の無いインターミディエイトタイヤを選択した。

 ピットアウト後まもなく雨は小降りとなり、インターミディエイトタイヤを選択した#8のブエミは首位に立つと、TS040 HYBRIDの4輪駆動ハイブリッドシステムの利点も活かし、後続に大きな差を付けて行った。

 #7のブルツは、路面が乾いていく中でウェットタイヤのグリップが低下し、3位に後退して中嶋へとドライバー交代。中嶋は急速に乾いていく路面へ向け、スリックタイヤを選択した。

 #7のすぐ後にピットへ向かった#8も同様にスリックタイヤへと交換し、ラピエールに交代。#8が着実に首位を走行する一方で、#7の中嶋は2位へと順位を上げ、レースが折り返しを過ぎた時点で、#7をサラザンへと託した。

 その後、セーフティカーが導入されたことで、バトルは一旦中断。2位に1周差をつけて首位を走行していた#8は、このチャンスを活かしてラピエールからデビッドソンへとドライバーチェンジを行った。

 レースが残り1時間になるころ、コースは激しい雨に見舞われ、TS040 HYBRIDは2台揃ってウェットタイヤへと交換。ドライバーは#7がサラザンから中嶋へ、#8はデビッドソンからブエミへと交代し、最後の1時間へと臨んだ。

 しかし、雨はさらに強さを増し、チェッカーまで残り40分ほどで再びセーフティカーが導入された。数周のセーフティカーランの後、レース続行は不可能な状況と判断され、短縮終了が決定された。これにより、トヨタ・レーシングは参戦15戦目にして6勝目を挙げることとなった。昨年の最終戦バーレーンで勝利を挙げているトヨタ・レーシングにとっては、シーズンをまたいでの2連勝となる。

 #8のドライバーは表彰台の頂点で、1905年から続く伝統のRAC(英国王立自動車倶楽部)ツーリスト・トロフィーを授与され、デビッドソンはまた、イギリス人レーシングドライバーズクラブメンバーの最高位ドライバーに送られるリチャード・ロイド・トロフィーを獲得した。

 シーズンの第2戦となるスパ・フランコルシャン6時間レースは、2週間後の5月3日(土)にベルギーで開催される。

©TOYOTA
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木下美明 チーム代表:
今シーズン開幕戦のシルバーストーン6時間レースでトヨタ・レーシングが1、2位表彰台という、最高のスタートを切ることが出来た。チーム全員の努力に感謝している。TS040 HYBRIDの開発に我々は冬の間全力を傾けてきたが、その努力が報われて、とても嬉しい。ここシルバーストーンで、信じられないくらい多くの観客を前に、最高の雰囲気の中で、ライバルとの素晴らしいレースを見てもらえたことを誇りに思う。今日の天候は非常に不安定だったが、我々は慎重にレースを進め、戦略も見事に当たった。チームのスタッフ全員がこの結果を嬉しく思っているが、アウディ、ポルシェとの戦いは非常に接近しているだけに、次戦スパも気を抜くことなく、全力でチャレンジしたい。

TS040 HYBRID #7:
(アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/中嶋一貴)
決勝レース:2位、166周、ピットストップ6回、最速ラップ:1分44秒326

アレックス・ブルツ:
非常に厳しいレースだった。レース環境が目まぐるしく変わったが、自分を試し、このコンディションをマスターするには最高の環境だった。1位、2位を獲得し、選手権をリード出来たことは、トヨタ・レーシングにとっては最高の出来だった。チームにとってここまで最高の成績が得られるとは夢のようだ。しかし、戦いは非常に接近しており、これから先も厳しいレースが続くはずだ。とにかく手を抜かないでプッシュし続けなければならない。

ステファン・サラザン:
トヨタ・レーシングにとって最高のシーズン開幕になった。チームは素晴らしい仕事をしてくれたし、チームメイトのドライバーも難しいコンディションの中で素晴らしいレースをしてくれた。スタートではアレックスがリードし、一貴も最高の走りをした。私も良いスティントを走ることが出来たと思う。リスクを犯さず完走を目指し、その結果表彰台を獲得出来、ポイントを稼ぐことが出来た。これは重要なことだ。チームにとって最高の一日だった。

中嶋一貴:
今日は良い仕事が出来たので満足している。厳しい天候にもかかわらず可能な限りプッシュしたが、#8とのギャップが1分以上開いた時にはこれ以上は困難だと悟った。チームにとっては最高の一日で、素晴らしいシーズンのスタートになった。チーム全員ががむしゃらに働いた結果としての初めての1−2フィニッシュを誇りに思う。自分たちを褒めたい。

TS040 HYBRID #8:
(アンソニー・デビッドソン/ニコラス・ラピエール/セバスチャン・ブエミ)
決勝レース:1位、167周、ピットストップ6回、最速ラップ:1分44秒646

アンソニー・デビッドソン:
私の地元のレースで勝てた素晴らしい週末となった。チームはこの週末、素晴らしい仕事をしてくれた。もし、ドライコンディションであれば、アウディとポルシェと激しい戦いになっていたと思うが、雨が来ることは分かっていたし、ウェットコンディションへ向けてのチームの的確な対応が功を奏した。我々はタイヤ選択も正しく、レース運びも完璧だったことが勝因となった。また、ツーリスト・トロフィーとリチャード・ロイド・トロフィーを獲得出来たことも格別だ。 本当に素晴らしい成果で、この上ない週末となった。

ニコラス・ラピエール:
この週末の戦いは、拮抗して始まったが今日は2台が異なる戦略でレースに臨んだ。そして、その戦略が見事に合って、チーム全員にとって素晴らしいシーズンのスタートを切ることが出来た。さらに、最後まで何が起こるか分からない中でも十分なマージンを持っていた。 戦略上、チームが良い仕事をしてくれたことが結果に結びついた。シーズン開幕戦はいつも特別だが、今日の勝利は特に誇りに思う。それは、勝利だけでなくツーリスト・トロフィーを獲得し名前を刻めたことだ。

セバスチャン・ブエミ:
この結果を本当に喜んでいるし、TS040 HYBRIDのシーズン初レースで我々が勝てたことは、チームにとっても大きな自信になった。コンディションは最後には非常に難しいものとなり、完全なウェットで、セーフティカーの後ろについて走るのすら大変だった。しかし、全体としては、TS040 HYBRIDの状態は良かったので、この後のシーズンへの自信にもなった。とはいえ、戦いは非常に拮抗しており、スパでもまた良い戦いが出来ることを願っている。この結果は嬉しいが、次のレースに向けて、すぐに気持ちを切り換えなければいけない。

[トヨタ リリースより]

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吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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