いよいよ、日本時間の25日(日)21時00分にスタートが切られる2014年のF1第6戦モナコGP決勝。今回も開幕戦から絶好調のメルセデスAMG勢がフロントローを独占した。しかし、ポールポジションを獲得したのは、ここまで4連勝中のルイス・ハミルトンではなく、開幕戦の勝者であるニコ・ロズベルグだった。
Q1ではハミルトンの前の2位で通過したが、Q2では粘り強いアタックに負けてしまう。そしてポールポジションをかけたQ3では唯一1分15秒台までタイムを伸ばし、その座を掴み取った。昨年も強豪レッドブル・レーシング勢を抑えてポールポジションを獲得。決勝でもそのまま逃げ切って伝統の一戦を制したロズベルグ。今回も狙う目標は2年連続のポール・トゥ・ウィンだ。
ここモナコはコース幅が狭く、レース中の追い抜きは非常に困難。またタイヤ交換のためのピットストップも必要最小限に抑えられるため、後方からの逆転は難しい。それだけに今回彼が掴み取ったポールポジションという座は非常に大きな意味を持つ。また今季のメルセデスAMG勢はマシン・エンジンともに絶好調。前回のスペインGPまでの5戦全てでポールポジションと優勝を奪っている。
それだけにロズベルグのモナコ2連覇は比較的難しいものではないように思えるが、今日の決勝レースでは間違いなく同僚のハミルトンが立ちはだかってくるだろう。開幕戦オーストラリアGPこそマシントラブルでリタイアしたものの、第2戦以降は敵なしの勢いで快進撃をみせ4連勝中。前回のスペインGPでついにロズベルグがランキング首位の座を奪い取った。
2008年にモナコを制している彼だが、ポールポジションの経験はまだない。昨日の予選でも今季5度目のPPを目指し、Q3で最後のタイムアタックに挑んだ。ところが直前を走っていたロズベルグが体勢を乱しミラボーコーナーでコースオフ。黄旗の原因を作ってしまい、結果的に妨害される形で逆転ポールならず。ロズベルグのミスは故意ではなかったとしてグリッド降格のペナルティはないが、理由はどうであれ納得がいくはずもなく、予選後の記者会見ではコメントも少なめで怒りをあらわにしていた。
そのハミルトンが最前列に並んでの決勝レース。ロズベルグと同じく、1コーナーまで前方にマシンがいない状態でスタートを切れるため、ダッシュが決まれば1コーナーまでにチームメイトを逆転しトップに立つことも可能。逆に8m前からスタートできるロズベルグは1コーナーまでハミルトンをきっちり抑えこむことができるか?ここが勝敗を分ける大きな鍵になるだろう。
ここモナコで勝利を奪えば再びドライバーズランキングの首位を取り戻せるロズベルグ。逆にハミルトンに優勝を奪われてしまえば、ポイント差が広がり、今後の中盤戦での争いが不利になっていく。モナコ2連覇だけではなく、今シーズンのチャンピオン争いを考えても今日の決勝レースは重要な1戦になることは間違いない。
今年は第3戦バーレーンGP、第5戦スペインGPと直接対決で悔し涙をのんできたロズベルグにとっては、絶対に落とすわけにいかない大一番が始まろうとしている。
『記事:吉田 知弘』
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