【SF】2014最終戦鈴鹿:星野氏、中嶋氏、舘氏がトークショーで共演、28年前のJAF鈴鹿GPを語る

©T.Yoshita/KANSENZYUKU

 11月9日に決勝レースが行われた2014全日本選手権スーパーフォーミュラ最終戦「JAF鈴鹿グランプリ」の会場で星野一義監督(Lenovo TEAM IMPUL)、中嶋悟監督(NAKAJIMA RACING)、舘信秀監督(PETRONAS TEAM TOM’S)がトークショーで共演した。

 シリーズ第4戦からオフィシャルファンクラブの設立に伴い登場したオフィシャルステージでの監督トークショーで登場した3人。あいにくの雨となったが、ステージ前には当時は国内トップドライバー、今では名門チームを率いる監督として活躍するレジェンド3人を一目見ようと、たくさんのファンが集まり、28年前の懐かしい話で盛り上がった。

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 前回「JAF鈴鹿グランプリ」として開催されたのは1986年。当時はフォーミュラ・ニッポン、全日本F3000選手権になる前の、全日本F2選手権としてシーズンが争われていた時のこと。ステージでも当時の映像が流れたが、この時のレースに勝ったのは星野氏だった。

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 トークショーに登場した星野氏は、負けることが嫌いなことで有名。28年前の優勝を誇らしげに語ると、すかさず当時からライバルの中嶋氏が「でも、その年のシリーズチャンピオンは俺だよ!」と反撃。トークショーでもライバル対決となり、会場は盛り上がった。

 また舘氏はグループCのレースに参戦しており、JAFGPとは直接的な関係はなかったが、当時のレースの魅力や、この時の天候と絡めて雨のレースでの難しさなどを説明。ファンも興味津々にその話を聞き入っていた。

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 トークショーにはモータースポーツジャーナリストの小倉茂徳氏も参加。当時はテレビで観戦していてたという小倉氏は「28年前もそうでしたが、今と一緒で全車イコールコンディションという状況で争われていました。ここにいらっしゃる星野さん、中嶋さんに加え、松本恵二さんや長谷見昌弘さんなど、日本を代表する最高のドライバーたちが集まって、最高の戦いをみせてくれたレース。今でも鮮明に覚えています。」と、今でも語り継がれているJAF鈴鹿グランプリの魅力を語った。

 当時もシーズンを締めくくる最終戦で行なわれていたJAFGP。ヨーロッパのF2で戦っているワークスチームやF1ステップアップへ有力と言われている強豪ドライバーが多数来日し、星野氏や中嶋氏と競い合っていたという。これについて星野氏は、当時のエピソードをこのように語ってくれた。

 「(ミハエル・)シューマッハにしても、フィレンツェンもアーバインも全員日本に来てからF1にステップアップしているんだよね。当時も”中嶋をやっつけろ!星野をやっつけろ!”が合言葉になっていた。あの時は本当に迫力があるレースばかりだったね。」

 「昔シューマッハが日本に来た時、ずっと俺のピットを眺めていたんだよ。少しでもライバルとの違いを見つけて良い物を手に入れようとしていた。どんな時でも自分が一番良い条件を手に入れようとしていたのは印象的だったね。」

 しかし、RACE2直前で特にチャンピオン争いをしていた舘氏と星野氏は落ち着かない様子も見られたが、終始笑いが絶えないトークショーはあっという間に終了の時間を迎えた。

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 実は、あれから28年経った今シーズンも海外のトップドライバーが日本のレースに参戦しに来るというシーンは、スーパーフォーミュラでも見られた。アンドレ・ロッテラー、ロイック・デュバルといった世界耐久選手権で活躍中のドライバーがフル参戦。そこにヴィタントニオ・リウッツィ、ナレイン・カーティケヤンといったF1を経験したトップドライバーが来日して参戦。国内を代表する日本人ドライバーたちと凌ぎを削っている。

 ヨーロッパでGP2シリーズが発足して以降、F1直下のカテゴリーとして注目され、逆に日本のトップフォーミュラにスポットライトが当たらない時期もあったが、また海外からの注目を集め始めている。

 来年はどんなメンバーが国内トップフォーミュラに参戦するのか?早くも2015年開幕戦のグリッドが今から楽しみだ。

『記事:吉田 知弘』

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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