【ビギナー観戦塾】今からでも間に合う!初めてのSUPER GT観戦(2015ver)「Part1:魅力盛りだくさんの国内人気レース!」

©KANSENZYUKU

いつもビギナー観戦塾をご覧いただきありがとうございます。
今年も国内最大級の観客動員数を誇る人気レース「SUPER GT」がまもなく開幕します!

毎回最終ラップまで手に汗握るバトルが展開され、年々注目度も上がってきているレース。日本を代表する自動車メーカーも数多く参戦しており、自分たちの大好きなチームを応援するために毎回サーキットに足を運ぶ熱狂的なファンも多くいらっしゃいます。しかし、F1ほど認知度があるわけではないので、普段F1は欠かさず観戦するけどSGTは知らないという人も多いでしょう。

でも、今からでも十分に間に合います!今回は初めてSUPER GTを観戦する人向けに、レースの魅力やルールなどをご紹介していこうと思います!

※今回は今までSUPER GTを観たことがない方向けの内容となっています。ご了承下さい。

【SUPER GTって何?】
皆さんは、「SUPER GT」というレースをご存知でしょうか?
最近、人気を集め始め、現在では国内最大級の観客動員を誇る自動車レースです。毎週日曜日にテレビ東京系列で「SUPER GTプラス」も放送されており、「SUPER GT」という言葉を耳にする人も増えていると思います。

F1と違い、国内メインで開催されるレースイベント実際にサーキットに観戦に行ける機会も多いです。さらにFチーム・ドライバーとファンが身近に接することが出来るレースでもあるのですが、まだまだ認知度が高くないため、「どんなレース??」という方も多数いらっしゃると思います。

©T.Yoshita/KANSENZYUKU ©T.Yoshita/KANSENZYUKU

【F1とSUPER GTの違い“参戦車両は一般のスポーツカーがベース】
F1やスーパーフォーミュラなど「フォーミュラカー」と言われるマシンは4つのタイヤが剥き出しになり、ドライバーの頭もコックピット(運転席)から出ています。それに対しSUPER GTの車両は、市販されている国産のスポーツカーがベースとなっているため、普段からみなさんが街中で見かけるスポーツカーと似た形状をしています。このスポーツカーをレース用に専用開発された「GTカー」で、SUPER GTは争われています。

©T.Yoshita/KANSENZYUKU ©T.Yoshita/KANSENZYUKU

【異なるクラスのマシンが同じレースで走る“2クラス混走レース”】
SUPER GTのもう一つの特徴は、「2クラス制」ということです。異なる車両規則の基で開発された2クラスのマシンが同じレースで同時に走ることになります。決勝出走台数は両クラス合わせて約40台。GTカーの大迫力なサウンドはもちろん、その台数だけでもF1にも勝る迫力があります!

ホンダ、日産、レクサス(トヨタ)がメーカーが参戦し、専用で開発した最新マシンで争われる「GT500クラス」。もう一つは市販のレーシングカー「FIA-GT3車両」をはじめ、GT500より改造範囲が制限されているマシンで争う「GT300クラス」です。

GT500とGT300の違い

当然、高性能なGT500クラスのマシンの方が圧倒的に速いため、すぐにGT300のマシンたちは周回遅れになってしまいますが、最終結果としては「GT500」「GT300」と別々に結果を出すため、300クラスのマシンは周回遅れになってしまっても、特に問題はありません。

©T.Yoshita/KANSENZYUKU ©T.Yoshita/KANSENZYUKU

逆にGT500クラスのマシンは「周回遅れとなるGT300のマシンを上手く利用、いかに自分のクラスで順位を上げていくか?」またGT300クラスは「後ろから来るGT500のマシンを先に行かせながら、いかに自分達のクラスでバトルをしていくか?」と、異なるクラスのマシンを上手く利用しながら、バトルをしていく「頭を使った駆け引き」が見られるのも特徴の一つです。

最近ではGT300マシンの直線スピードが上がり、GT500マシンが簡単に追い抜いていけないことも多々あります。それも含めて、各クラス同士で、どのようにレース戦略を立てていくのか?SUPER GTはチーム全体での「総合力」も問われるレースなのです。

さらに今年のGT300クラスは国内外のさまざまなレーシングカーが参戦。BMW、ランボルギーニ、アウディ、メルセデスベンツなどの世界を代表するスーパーカーのバトルを国内で観ることができます。この他にも、先日発売されたスバルBRZや、トヨタが代表するハイブリッドカー“プリウス”、ホンダCR-Zなども参戦しています。

【F1にはなくて、SUPER GTにはある“レースを面白くするルール”】
F1は「世界中のモータースポーツの頂点に立つレース」という位置づけが強いため、エンターテイメント性というよりも、「チーム同士の技術競争」だったり「ドライバーの世界一決定戦」という部分が一番の条件となってルールが作られているものが多いです。しかしSUPER GTの場合は、もちろん国内最高峰のレースで厳格なルールが決まっているのですが、「GTレースならでは」のルールがいくつかあります。

■必ず2人1組で1台のマシンを走らせる
F1は、1人で1台のマシンをスタートからゴールまで走らせる“スプリント形式”なのに対し、SGTは2人1組で1台のマシンを走らせる“耐久レース形式”となっています。
なので、2人が力を合わせて優勝を目指すことになるので、前半のドライバーがミスをしても、後半のドライバーが挽回できたり、それぞれの走りのスタイルを考慮した上で、効率の良いレース戦略を考えたりと、各チームで個性が出てきます。

SGTトライバー見分け方

※ 鈴鹿1000kmなどの超ロングレースでは第3ドライバーが登場する場合もあります。

■ドライバー交替を含むピット作業にも注目!
さらにSGTではピット作業に参加できるメカニックの人数が最大7人。ここでは主にドライバー交替とタイヤ交換、給油作業が行われます。安全のためタイヤ交換と給油は同時に行えず、タイヤ交換要因も2人だけと厳しくルールが決められています(もちろん、違反した場合はペナルティ)。ただ、これだけ限られた条件だからこそ作業を担当するメカニックは腕の見せどころ。いかに迅速に作業を終わらせるかによって、レースの順位も大きく影響してくるのです。

©T.Yoshita/KANSENZYUKU

コース上のバトルだけではなく、是非ピット作業にも注目してみてください!

■2015年はF1経験者も参戦!
毎年ハイレベルな戦いが繰り広げられているSUPER GT。現在ル・マン24時間レースで活躍するブノワ・トレルイエ、アンドレ・ロッテラー、ロイック・デュバルらもこのカテゴリーでチャンピオンを獲得。それがきっかけとなりアウディのワークスチームからル・マン参戦につながっています。

©KANSENZYUKU ©T.Yoshita/KANSENZYUKU

このため最近ではヨーロッパをはじめ海外からも注目を集め、多くのドライバーが日本にやってきてくるようになりました。そして今年は、F1で優勝経験のあるヘイキ・コバライネンが参戦!レクサス勢ではエース格の平手晃平とともにNo.39 DENSO KOBELCO SARD RC Fをドライブします。

またホンダには今年から参戦するNo.15ドラゴ モデューロ ホンダレーシングにマクラーレンで開発ドライバーを務めるオリバー・ターベイが加入。こちらもホンダを代表するドライバーである小暮卓史と組んで参戦します。

この他にも、挙げれば切りがないほど注目のドライバーが参戦。今年は本当に見逃せません!

■世界唯一!4つのタイヤメーカーが参戦し、白熱したバトルを演出!
©T.Yoshita/KANSENZYUKU ©T.Yoshita/KANSENZYUKU

©T.Yoshita/KANSENZYUKU ©T.Yoshita/KANSENZYUKU

近年、世界各国のレースでタイヤだけは全車統一(ワンメイク)というルールが主流になっていますが、このSUPER GTではブリヂストン、ミシュラン、ヨコハマ、ダンロップと、4つのタイヤメーカーが参戦!しのぎを削っています。もちろん、これだけ多くのタイヤメーカーが参戦しているレースは世界中探してもSGTだけ!

それぞれのメーカーで長所・短所があり、決勝レースに強いメーカー、雨に強さを発揮するメーカー、夏場に強いメーカーなど様々。各マシンの長所・短所にタイヤという要素が加わることで、レース展開はより複雑になり、全く展開が読めない白熱したバトルが毎回繰り広げられることになります!

■シーズン独走はできません!「ウエイトハンデシステム」
「常に公平なコンディションでレースをさせ、チーム・ドライバーの実力差を見る」のがF1に対して、「速いマシン、強いチームには“ハンデ”を与えて、実力が均等になるようにする」のがSUPER GTの特徴。一人勝ちを許さないルールとして、「ウエイトハンデシステム」というルールが導入されています。レースで優勝を含め上位に入賞したマシンは、その順位に応じて、次戦から「重り」をマシンに積まなければいけません。
重りを積むことによって、マシンの性能が落ち、F1のように2連勝・3連勝が困難になります。その結果、毎レースで勝者が変わり、最終戦まで白熱したチャンピオン争いが展開され、最後の最後まで目が離せないレースが展開されるのが、SUPER GTの面白さでもあります。

SGTポイントシステム
[マシンに貼られるウエイトハンデのステッカー]

<<ウエイトハンデのシステム>>
●前戦まで獲得したシリーズポイントの1ポイントあたり2kgのウェイトを積む。
例)20ポイント獲得しているマシン→次戦から40kgのウェイトを積むことになる。
●シリーズ第7戦は1ポイントあたり1kgのウェイトを積む。
例)20ポイント獲得しているマシン→第7戦のみ20kgのウェイトを積む。
●シリーズ最終戦全車ウェイトハンディなし。

※ウェイトの最大搭載量は100kgまで

【2015SUPER GTレーススケジュール】
[table id=2015sgtschedule /]

【SUPER GTはファンイベントも盛りだくさん!ピットウォークは毎回開催!】
F1日本グランプリでも木曜日に行われるピットウォーク。もちろん、SUPER GTでも開催されており、富士や鈴鹿など人気のサーキットでは参加券が完売になってしまうほど大盛況です。F1の場合は一般向けのピットウォークは1日のみですが、SUPER GTは土・日の2日間とも開催(天候状況により中止になる場合もあり)されます!さらに小さなお子様連れのご家族を対象としたキッズピットウォークも予選終了後に開催され、こちらも毎レース好評!中学生以下のお子様と保護者限定のイベントで、観戦券をお持ちの方であれば無料!予選終了後まで待たなければいけませんが、ご家族連れのお客様は必見のプログラムです!

©T.Yoshita/KANSENZYUKU ©T.Yoshita/KANSENZYUKU

©KANSENZYUKU ©KANSENZYUKU

©KANSENZYUKU ©KANSENZYUKU

いよいよ4月の岡山国際サーキットから2015シーズンが開幕。今年は国内で7レース開催されます。都内ではパブリックビューイングもありますし、是非サーキットに来て迫力あるSGTのレースを観戦してみてください。サーキットは辿り着くまで大変ですが、東北のスポーツランドSUGOや九州のオートポリスなど、ぞれぞれの地域で開催され比較的観戦に行くチャンスも多くの人にあると思います。

是非、どこかのタイミングで観戦に行く計画を立てていただいてSUPER GTを観戦してみてくださいね!

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

この著者の最新の記事

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


おすすめ記事

  1. 2019-2-23

    【2019F1日本GP】F1日本グランプリ 民間駐車場予約開始!

    2019年10月に開催されるF1日本グランプリの民間駐車場の予約が早くも始まった! 場所は、鈴鹿…
  2. 2019-5-12

    【2019F1日本GP】2019日本GP期間中のキャンプサイト予約受付が5月16日(木)9時からスタート

    5月19日(日)の観戦券販売開始に先立ち、レースウィーク中に利用できるキャンプサイトの予約受付が…

最近の記事

  1. Rino Onodera 2024年 AUTOBACS SUPER GT Rd.1『OKAY…
  2. Rino Onodera いよいよ、2024年シーズンのSUPER GT開幕戦が4月13〜1…
  3. 画像:鈴鹿サーキット いよいよ2024年のF1日本グランプリ開催が近づいてきました。例年より…
  4. いよいよ開幕が近づいてきた2024年のF1日本グランプリ。観戦チケットをゲットした多くの方…
  5. いよいよ2024年のF1日本グランプリ開催が近づいてきました。例年より開催時期が変わり、4…

カテゴリー

アーカイブ

SPECIAL SITE

*

*

ページ上部へ戻る