【SGT】2015第4戦富士:立川/石浦組ZENT CERUMO RC Fが2位表彰台しランキング4位に浮上

©T.Yoshita/KANSENZYUKU

SUPER GT第4戦「FUJI GT 300km RACE」が8月8日(土)、9日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催された。

前戦タイより約1ヶ月半のインターバルを経ての開催となる今大会、熱帯タイでの熱い戦いに続き、夏休み期間中の富士、鈴鹿と熱い2連戦となる。梅雨明け以降、日本は各地で猛暑日が続いており、今大会も酷暑の中で戦われた。

LEXUS GAZOO Racingは、LEXUS RC Fに車両が替わる前のLEXUS SC430、それ以前のトヨタ スープラでは「ホーム」富士を得意としていたが、LEXUS RC Fではこれまでの3戦未勝利。念願の「ホーム」初勝利を目指してチーム一丸となって臨んだ。今回からレクサス勢各車にはパワーアップされた第2ローテーションのエンジンが投入されることとなっており、「ホーム」富士でのさらなる活躍に期待がかかった。

◆予選◆
予選日の富士スピードウェイは、空に雲がかかり気温28度、路面温度35度と過ごしやすい気候。直前のGT300クラスの赤旗中断により予定よりもやや遅れ、午後2時43分に出走となったGT500クラスのノックアウト予選Q1(15分間)は、いつも通りセッション残り8分ほどになって各車コースイン。タイヤを充分に温め、セッション終盤に次々に各車がタイムを更新していった。

僅差で順位が入れ替わっていく中、ファイナルラップに石浦宏明のZENT CERUMO RC F 38号車がトップタイムをマーク。伊藤大輔のPETRONAS TOM’S RC F 36号車、ヘイキ・コバライネンのDENSO KOBELCO SARD RC F 39号車も4番手、6番手でQ2進出。国本雄資がQ1を担当したENEOS SUSTINA RC F 6号車は、当落ラインぎりぎりでの争いとなったが、惜しくも最後に逆転され、僅か0.046秒差で9番手。Q1敗退となった。

ランキング首位で、60kgという重いウェイトハンデを課されているKeePer TOM’S RC F 37号車は、平川亮が健闘を見せたが12番手でQ2進出ならず。12番手の37号車ですら、首位から僅か0.4秒差という非常に僅差の予選Q1となった。WedsSport ADVAN RC F 19号車は15番手となった。

予選Q2(12分間)も残り7分半ほどで各車コースイン。アタックラップに入ると、「富士マイスター」立川の38号車が、Q1の石浦のタイムを上回る、圧巻のトップタイムをマーク。翌周にも更にタイムを伸ばし、ポールポジションを獲得した。38号車は今大会、朝のフリー走行でもトップタイム、Q1もトップと、それまでの全セッションでトップと速さを見せた。ジェームス・ロシターの36号車、平手の39号車も共に1分28秒台に入れ、3,4番手と、2列目から決勝をスタートすることとなった。

GT300クラスでは、午前中の練習走行でTOYOTA PRIUS apr GT 31号車が接触から車両にダメージを負ったが、メカニックの懸命の作業により修復、無事Q1に出走。セッション終盤、厳しいタイムアタックが繰り広げられる中、嵯峨宏紀がドライブする31号車は進出ラインぎりぎりの13番手(後にタイム抹消車両により一つ繰り上がり)でQ2への進出を決めた。飯田章/吉本大樹組のSYNTIUM LMcorsa RC F GT3 60号車は27番手から決勝をスタートすることとなった。予選Q2は、やや天候の崩れが心配される中で開始されたが、結局雨は降らず。このセッションも僅差でタイムが塗りかえられていく中、中山雄一の駆る31号車が好タイムをマーク。3番手で明日の決勝に進むこととなった。

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◆決勝◆
9日(日)は前日の予選日とは打って変わって強い日差しの下、夏らしい暑さでのレースとなった。午後3時、恒例となった白バイとパトカーの先導によるパレードランに続き、66周、300kmのレースがスタート。ポールポジションの38号車は立川がスタートを担当し、首位のポジションをキープすると共に、1周目から後続を引き離していった。

3番手スタートの36号車ロシターも前を走るNSX 8号車に詰め寄り、3周目のストレートエンドでインをさして2位に浮上。LEXUS RC Fが1-2体制に。首位の38号車は12周目には2位に5秒もの大差をつけての独走態勢となった。

一方、後方では9,12番手からスタートし、8位、9位へポジションを上げていた6号車と37号車が混戦の中で接触。スピンを喫した6号車は車両にダメージ。37号車もこの接触でドライブスルーペナルティを科され、大きく順位を落としてしまった。中盤に入り、各チーム給油とドライバー交代、タイヤ交換のために続々とピットへ。36周目に最後まで引っ張った19号車と37号車がピットへ向かうと、再び38号車が首位、36号車が2位へと復帰した。しかし、ピットで一気に順位を上げてきたGT-R 1号車が猛烈な勢いで追い上げ、38周目に伊藤の駆る36号車との激しい2位争いに。39周目に36号車は惜しくもかわされ、3位に後退してしまった。

GT-R 1号車の勢いは止まらず、首位の38号車石浦にも追いつくことに。石浦は絶妙なブロックで首位をキープ。テール・トゥ・ノーズでの首位争いが数周にわたって続いた。終盤戦に入ると、ノーハンデのGT-Rの24号車がハイペースでの追い上げを見せ、36号車は56周目にかわされ4位へ。後続との4位争いを繰り広げた36号車は、最終コーナー立ち上がりで接触し、スピン。7位までポジションを落とすこととなってしまった。翌周、ストレートでGT300車両がタイヤバーストに見舞われ、ボディの破片が大量にストレート上に散らばることに。破片を踏んでのパンクを避けるべく、ラインを選んでの厳しいバトルとなった。

首位を逃げる38号車石浦の後方では、GT-R同士の2位争いの末に、圧倒的に速さで勝る24号車が先行。残り5周のストレートで、38号車も24号車にかわされ、2位へとポジションを落としてしまった。再び追う1号車との2位争いになった38号車石浦だったが、このバトルは最後まで凌ぎきり、2位でチェッカー。開幕戦に続く、今季2度目の表彰台を獲得した。36号車は7位、39号車が9位、19号車が10位でフィニッシュし、ポイント獲得となった。

[Text:トヨタ リリースより]

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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