【S耐】2016第2戦SUGO:セーフティカー3回出動の大波乱!終盤の接戦を制しスリーボンド日産自動車大学校GT-Rが開幕2連勝!

©T.Yoshita/KANSENZYUKU

 2016年のスーパー耐久第2戦SUGO3時間耐久レース。注目のグループ1決勝レースが15日にスポーツランドSUGOで行われ、No.24スリーボンド日産自動車大学校GT-R(内田優大/藤井誠暢/平峰一貴)が開幕2連勝を飾った。

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 今回はST-X、ST-1、ST-2、ST-3クラスの「グループ1」のみでの決勝レース。前日のグループ2は曇り空だったが日曜日は晴天に。しかし風が冷たく、少し肌寒さも感じる中での決勝スタートとなった。

 ポールポジションスタートの24号車はエースの藤井が乗り込み、序盤からライバルを寄せつけない走りを披露。それにNo.5 Mach MAKERS GTNET GT-RとNo.3ENDLESS・ADVAN・GT-Rが食らいつき、GT-R勢3台が先行する展開となった。ところが、ここから「SUGOの魔物」が出現。一転してレースは大荒れの展開となっていく。

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 28周目にNo.89 HubAuto Ferrari 488 GT3がコースオフ。マシンを回収するためにセーフティカーが導入される。まだレース全体の3分の1を消化していないが、このタイミングを利用して上位のマシンは1回目のピットストップを敢行。順位が大きく入れ替わった。マシン回収も終わり、34周目に再スタートが切られるが、今度はST-1クラスのNo.777D’station Porsche 991が馬の背コーナーでクラッシュ。再びセーフティカーが導入される。

 他車との接触が原因でスポンジパッドに突っ込み、マシンが傾いた状態で止まった777号車。幸いドライバーは無事だったがマシン回収に時間がかかってしまう。

 ようやくコースがクリアになり46周目にレース再開。いよいよ仕切り直しと各車がペースを上げていくが、さらにアクシデントが発生。51周目に2番手を走行していた5号車がスピン。マーシャルの手を借りて再スタートを切るがトップから周回遅れとなってしまい勝負権を失ってしまった。実際にはSPアウトの立ち上がりから、最終コーナーの出口付近まで大量のオイルがあることが判明。この処理のために3度目のセーフティカーが導入。オイル処理に清掃車の出動する事態となり、3度目のセーフティカー先導は約30分に及ぶものとなった。

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 この間にST-Xクラスは2回目のピットを完了。残り1時間というところで、再度仕切り直しのスタートが切られた。度重なるセーフティカーの間に、No.10Adenau SLS AMG GT3がトップに浮上。24号車を挟み、No.8ARN SLS AMG GT3が3番手。そして3号車という上位のオーダー。“SUGOの魔物”により超大荒れとなったレースは、日産GT-RとメルセデスSLSによる四つ巴のトップ争いが終盤の見どころとなった。

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 その中でも一番勢いがあったのが、24号車の平峰。10号車のマイケル・グリーンを攻め立て、何度か横に並びかけプレッシャーをかけていく。なかなか突破口を見出せず10ラップ以上にわたって接近戦が続いたが、ついに80周目のS字でインを突きトップに再び奪還。さらに3号車の峰尾恭輔もメルセデス2台をかわし、2番手に浮上する。

 そのままチェッカーまでGT-R同士の争いとなったが、平峰が完全に後続をコントロールする走りを披露。順位は変わらず3時間を迎え、106周でチェッカーを受けた。

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 今年もKONDO RACINGと日産自動車大学校とコラボしている24号車。今週末は栃木校の学生がサポートし勝利に貢献。表彰台での優勝者インタビューで藤井は「今回は栃木校のみんなと一緒に組んで勝てて、本当に嬉しいです」とコメント。平峰も「栃木校のみんなやったよ!」と学生たちと喜びを分かち合っていた。これで24号車は開幕2連勝。今年の目標であるシリーズチャンピオンに、また一歩近づいた。

 ST-2クラスはNo.6新菱オートDIXDELターボ エボX(富桝朋広/菊池靖/大橋正澄)、ST-3クラスはNo.38MUTA Racing TWS IS350(堀田誠/阪口良平)が勝利を挙げた。

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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