【SF】アンドレ・ロッテラー、SF参戦は今季限り?「これがスーパーフォーミュラでの最後のレースになるかもしれない」

©T.Yoshita/KANSENZYUKU

2016年のスーパーフォーミュラ最終戦。Race1・Race2ともに2位表彰台を獲得し年間ランキングも2位となったアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)だが、レース後の記者会見でスーパーフォーミュラへの参戦が今季限りになる可能性があることを明かした。

今シーズンは序盤戦で苦戦しながらも第4戦もてぎで2位表彰台を獲得。着実にポイントを重ね、ランキング3位で最終戦を迎えた。予選ではP.MU/CERUMO・INGING)、DOCOMO TEAM DANDELION RACING勢の先行を許す形となったがRace1決勝では得意のスタートで2番手にジャンプアップ。国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)を苦しめる走りをみせ2位表彰台を獲得。Race2ではセーフティカーランから残り4周のリスタートで石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)をアウトからオーバーテイク。最後はストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)に迫ったが追い抜くまでには至らず2位チェッカーとなった。

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最終的に国本にわずか3ポイント届かずランキング2位。「あと一つここで勝てていればチャンピオンになれたと思うと複雑な気持ち。シーズンを通して考えると上手くいかなかったところが多かった。それでもこうしてチャンピオン争いに残れて、最後まで望みは捨てていなかった。今週末は振り返っても満足しているしベストを尽くした」と、あと一歩で届かなかっただけに終始笑顔はなかった。

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そのままロッテラーは「もしかすると、これが僕にとってスーパーフォーミュラでの最後のレースになるかもしれない。アウディがWECから撤退することになったから、今後どうなっていくか分からない状況だよ」と来年のことについても言及。思いもよらぬ発言に記者会見に集まった報道陣も驚きの表情をみせていた。

これまでもWEC参戦の兼ね合いもあって翌シーズンの参戦が心配される声も多々あったが、こういった形で「最後になるかもしれない」とハッキリ言ったのは初めてのこと。やはり先日発表されたアウディWEC撤退が大きく影響している模様。記者会見後も詳細について聞いてみると、コメントは少なめだったが、可能な限りの状況を答えてくれた。

「まだ分からない。でも、そうなるかもしれない。今回チャンピオンを獲得して終われなかったのは残念だけど…それもレースだよ。来年に向けてはいくつか選択肢はあるけど、その中にはスーパーフォーミュラに参戦できなくなるものもある。本当ならアウディに残りたいし、いろいろなチャンス、選択肢を模索しているんだけど……」

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ロッテラーは2003年に当時のフォーミュラ・ニッポンにデビュー。2006年にトムスに移籍し、2011年には念願のチャンピオンも獲得。それ以外、毎年のようにチャンピオン争いに加わってきた。

「14年、本当に長かったし、すごく特別な時間を過ごしたよ。チームとも家族のように充実した時間を過ごせたし、日本には鈴鹿みたいに素晴らしいコース、素晴らしいマシン、素晴らしいドライバーがいる。その中で本当に多くのことを学ぶことができたし、たくさんの経験ができた。そして日本でのレースを機に、たくさんのチャンスも得られた。WECにも参戦できるようになったのも、ここで相応のレベルにまで成長することができたからだよ。日本でレースができたことが僕のレースキャリアは素晴らしいものになった。本当に感謝している」

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まだ来季の体制については100%決まってはいないということだが、表情を見る限り来年のスーパーフォーミュラ参戦の可能性は例年以上に低い様子だったが、わずかな可能性をあきらめずに探っているようにも感じられた。

前述の通り14年もの間、日本のトップフォーミュラで戦い続けてきたことで、彼のファンも多く、来年もスーパーフォーミュラに残ってくれる声も色々なところで上がっている。正式な発表まではもう少し時間がかかるようだが、その内容がどんなものになるのか。例年以上に気になるところだ。

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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