【INDY】佐藤琢磨が報道陣にインディ500優勝を報告、次の目標は「シリーズチャンピオン」

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©T.Yoshita
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6月13日、東京・青山にあるホンダウエルカムプラザ青山で、インディ500で日本人初の優勝という快挙を成し遂げた佐藤琢磨が出席。集まった報道陣に対して優勝報告取材会が行われた。

会場内には、琢磨がこれまでのインディカー・シリーズで使用したヘルメットやレーシングスーツが展示されていた他、優勝者に贈られたミルクのビンも展示されていた。

また琢磨の優勝以降、ウエルカムプラザ青山に来場したファンの寄せ書きも展示されており、大旗サイズの寄せ書きは早くも5枚目に突入。これまで琢磨を応援し続けてきたみんなの思いが詰まっていた。

多忙なスケジュールの合間を縫って、昨日帰国したばかりの琢磨。疲れた表情をみせず、チームウェア姿で登場すると、まずは集まった報道陣に深々と一礼。花束を受け取ると、「こうして優勝報告の場を設けていただき、幸せに感じます。このインディ500優勝は本当に大きな意味を持ちますが、僕を信じてくださったホンダさんをはじめ、スポンサーの皆さんにも感謝しております」と、感謝の気持ちを述べていた。

そこから、今回のレースについて琢磨自身が振り返っていったのだが、まずは2012年の、あのファイナルラップの話から始まっていった。

「今回の優勝の前に、一つだけお話ししたいのが2012年のインディ500です。挑戦者として、トップを走るダリオ・フランキッティを抜こうとして、ファイナルラップの1コーナーでインに飛び込んでいきました。しかし自分自身も至らないところがあり、ダリオの強さというか、インディ500をかつ難しさを知った瞬間でもありました」

「インディ500は勝つためにレースに参戦しています。その思いを胸に、さらに5年間挑戦してきました。その後、AJフォイトレーシングで4年間走り、チャンスもありましたが厳しい時間もありました。そして、今年アンドレッティ・オートスポーツに移籍して素晴らしい環境を手にしました」

「あの勝利は、チーム全員の力だと思います。一つ一つのピット作業を確実にこなしてくれたクルー、素晴らしいクルマを作ってくれたメカニックたち、エンジニアが用意してくれたストラテジー。全てが揃い、それを僕自身が思いを乗せて走り、ミスが許されない中で、本当に素晴らしい経験になりました」

「ラスト5周、トップに出てから色々なことを考えました。本当なら最終ラップまで先頭を走りたくないという傾向がここ数年ありました。ラストチャンスに賭けなければいけないということと、ラスト数周でイエローが入ってしまったら、やっぱり勝てないです」

「チームのみんなも、ファンのみんなもすごく心配したと思いますが、あの時の僕には勝算がありました。残り5周あれば、何があっても自分で挽回することができると思っていたからです。もしエリオ・カストロネベスが1周後に僕を抜いてきたら、2周様子を見て、ラスト2周で勝負を仕掛けよう。2周後に抜いて着たら1周様子を見て、ラスト2周で勝負を仕掛けようと思っていました。もし3周目に仕掛けてきたら、その1コーナーを抑えれば大丈夫だろうと信じていました。そういったことを頭の中で一生懸命考えていました」

「実際、2周半かけて彼が追いついてくるのですが、それは彼が抜かないのか、抜けないのかが唯一わかりませんでした。ところが残り2周で彼が挑戦してきたのを見て“彼は抜けないんだ”と感じました。そこで数周前にチップガナッシのマシンとやり合っていた時に、どのラインを通ればうまくディフェンスできるか、自分が有利に立てるかというのをシミュレートしていました。その通りにエリオがきてくれたので、今度こそ白線を踏まずに行こうと正しい方向を向いてコーナーを通過しました」

「そこからは予選のような走りで、風向きを考えながら一生懸命走って、ファイナルラップはミラーは1回も見ませんでした。もちろんスポッターからエリオの位置は知らされていましたが、自分にはイメージもできていましたし、ストレートのラインも毎回変えてエリオにパターンを読まれないようにしていました」

「そして、最終コーナーを抜けて加速を得られた時は、このレースは自分たちが勝ったと実感した瞬間でした。本当はすぐに無線でみんなにありがとうと言いたかったのですが、言葉にならなかったです。純粋にあれば自分の気持ちを表していました」

「牛乳は最高の味でした」

「感謝の気持ちが本当に大きいです。この喜びをたくさんの人に知っていただきたいです。海外でスポーツを勝負をする、挑戦するというのは大変なこと。僕も8年間で2勝という、厳しい世界です。その中でも常に奮い立たせてくれるのが、モチベーションです」

「日本から海外に出てトップに立ちたいという気持ちがすごく大きいです。イチロー選手もそうですし、多くのサッカー選手にしても、世界で活躍するいろんな競技でのアスリートの活動・活躍を見て、僕自身も影響を受けて奮い立たせることができましたし、ひとつの明るいニュースを日本に届けることができたと思います」

「このニュースを是非、多く取り上げていただいて、インディ500、そしてモータースポーツの魅力をたくさん伝えていただきたいです」

「新たな夢ができました。それは、今度は選手権のタイトルを大きな目標としてチームとともに頑張っていきたいです」

また、この会見にはホンダの八郷隆弘社長も出席。「インディ500での日本人初優勝という偉業、本当におめでとうございます。今年、シーズンが始まる前に佐藤選手と『今年こそ、もう一度優勝をしよう』と話をしていました。それがインディ500で実現したということで、ホンダのメンバー全員が感動しております。本当に嬉しく思っています。これからも頑張ってください」と挨拶をした。

さらに今回の偉業を讃え、新型NSXが琢磨にプレゼントされることが決定。彼自身、このクルマの開発にも携わっており、満面の笑みを見せていた。


Photo:T.Yoshita/KANSENZYUKU

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吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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