【SF】2017第5戦オートポリス:ピエール・ガスリーが2連勝!来季F1ステップアップの可能性も?

©︎H.Yoshii

2017年のスーパーフォーミュラ第5戦の決勝レースが10日、オートポリスで開催され、ピエール・ガスリー(TEAM無限)が前回もてぎに続いて2連勝を飾った。

前日の公式予選同様、晴天に恵まれたオートポリス。2年ぶりの開催ということで、国内最高峰のレースを楽しみにしていたファンが、グランドスタンドに集まった。

今回のレースでも、ソフト・ミディアムの2コンパウンドが用意され、決勝中には最低一度ずつ使用しなければならない。もてぎ戦と同じようにスタート前のグリッド上でも、誰がどのタイヤを履くのかに注目が集まった。

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もてぎ戦ではグリッド上位陣がソフトタイヤを選択したが、今回はマシンバランスの点やソフトタイヤが予想より早く消耗するかもしれないという事前情報もあってか、トップ10のドライバーたちは軒並みミディアムを選択。しかし、5番手スタートのガスリーは直前になってソフトタイヤに履き替えた。

ソフト、ミディアムの差はスタート時のグリップ力でも違いが現れ、好ダッシュを決めたガスリーは一気に2番手に浮上。ポールポジションからホールショットを決め野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)との一騎打ちになっていく。

一方、後方では、スタートに出遅れたアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)と山本尚貴(TEAM無限)が接触。山本はスピンを喫し大きく後退。ロッテラーは左フロントサスペンションにダメージを受け、そのままリタイアとなるなど、序盤から波乱の展開となった。

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さらにレース序盤からピットストップを行うチームも現れ、序盤から各チームの戦略で順位が大きく変動する展開。今までのオートポリス戦ではなかなか見られなかった動きの激しいレースとなった。

そんな中、トップ争いは野尻とガスリーの一騎打ち。計算上はラップあたり1.5秒程度速いと言われているソフトタイヤを履くガスリー。野尻の隙を伺い続けるが、そのチャンスに恵まれず中盤戦に突入。23周を終えたところでガスリーが先にピットインを決断。チームも12.4秒と迅速な作業でコースに送り出した。

一方の野尻は、ソフトタイヤで走行する時間を短くするためステイアウトを選択。38周終わりにピットインするが、給油が少し長く16.1秒でピットアウト。ガスリーをはじめ、その後ろにいた上位集団の先行を許してしまう。

さらに40周目の1コーナーで、野尻は小林可夢偉(KCMG)と接触、フロントウイングを失い上位争いから脱落してしまった。

これでトップに立ったガスリーだが、その後方には2戦連続で表彰台に乗るフェリックス・ローゼンクヴィスト。チームメイトの大嶋和也も続きSUNOCO TeamLeMans勢が2・3番手につける。

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実は彼らはレース序盤にピットインを行い、ローゼンクヴィストは4周目、大嶋は6周目にタイヤ交換を完了。両者ともミディアムからソフトにつなぐ作戦をとっていた。

大方の予想では、燃料が途中で足りなくなるのと、ソフトタイヤの消耗が大きくなって終盤にもう一度ピットに入るのではないかと思われていたが、2台ともガスリーに迫るほどの好ペースで走行。特にローゼンクヴィストは最終ラップでオーバーテイクボタンを押し、ガス欠を気にしていない様子だった。

最後は1秒後方まで迫られたガスリーだったが、ミスのない安定した走りを徹底。前回もてぎに続いて2連勝をマーク。2位にはローゼンクヴィストが入り3戦連続表彰台。3位には大嶋が続き、2012年以来の表彰台を獲得した。4位には石浦が入りポイントランキングトップを死守している。

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もてぎ、オートポリスと初めてレースをするサーキットで勝利を飾ったガスリー。ちょうど、F1へのステップアップの話もヨーロッパでは上がっており、今後の彼の動向に注目が集まっている。

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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