フォーミュラ・ニッポンにSUPER GTと今年も大忙しのスケジュールのJAFGP富士スプリントカップ2012。早速、午後12時45分からSUPER GT(GT300クラス)の決勝第1レースが行われた。
午前中から降り続いていた雨は決勝スタート時刻が迫るにつれ大粒に。完全にフルウエットの中で第1レースのスタートが切られた。今回はシリーズ戦とは異なりF1やフォーミュラ・ニッポンと同じスタンディングスタート。ポールポジションのHANKOOK PORSCHEの藤井誠暢が好スタートを決めてトップで1コーナーを通過。3番手の無限CR-Zの中嶋大祐が2位にジャンプアップする。一方、ダンロップコーナーでtriple a vantage GT3の吉本大樹とARTA Garaiyaの松浦孝亮を中心に数台がスピンや接触するなど、雨の影響によりオープニングラップから混乱が見られた。
「今年は雨レースで良い走りが出来なかったので、今回は正直自信がありませんでした。」とウエットコンディションでのレースに少し不安を見せていた藤井だったが、序盤からペースも安定し後続を引き離しにかかる。しかしJAF-GT車両の代表としてCR-Zの大祐も奮起。ピタリと背後につけてチャンスを伺った。しかし10周目のプリウスコーナーでコースオフを喫してしまう。これでリズムを乱してしまい1秒だった藤井との差が9.4秒まで広がってしまった。
後方ではS Road NDDP GT-Rの千代勝正とガライヤ松浦孝亮のバトルが激化。両者1周目の混乱で順位を落としてしまったが悪天候を味方につけ千代が3位、松浦が4位に浮上。この雨の中でも抜群のコーナリング性能を見せつけ、最終コーナーで何度も横に並びかけるも、NDDP GT-R千代がストレートで挽回。最終ラップまで千代が3位を守っていたが、その最終コーナーでイン側に空いた僅かな隙間に松浦が飛び込み、3位を奪取。今季いっぱいで引退するガライヤが嬉しい3位表彰台を獲得した。
結局、スタートから一度もトップを譲らなかった藤井が、そのままチェッカーを受けポール・トゥ・ウィン。2位も中嶋大祐が入り7月の第4戦SUGOでデビューし、わずか6戦で2度目の表彰台を獲得した。
藤井は2010年に初めて開催された富士スプリントカップで3位。昨年は最終ラップの最終コーナーでトップに立つものの、チェッカー直前に初音ミクBMWの谷口信輝に逆転され悔しい2位フィニッシュ。今年こそと意気込んで挑んだ3回目のレースで、見事なレース運びをみせた。
『記事:吉田 知弘』
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (0)
この記事へのコメントはありません。