2013年のF1第7戦カナダGPの決勝レースが、現地時間の9日(日)午後にカナダ・モントリオールにあるジル・ビルヌーブサーキットで行われた。金曜フリー走行、土曜の公式予選と雨によるウエットコンディションでの走行がメインとなっていたが、決勝日になると今週末で初めて太陽が顔を出し、青空の下で22台のマシンがスターティンググリッドに集結した。
予選Q3はウエットコンディションだったため、最初に使用するドライタイヤはトップ10圏内のドライバーも自由に選択可能。週末を通してロングランのデータがまともに取れていないことも考慮し、上位陣は揃ってスーパーソフト(赤)をチョイスし、スタートが切られた。ポールポジションのセバスチャン・ベッテル(レッドブル)がそのまま1位で1コーナーに飛び込み、2位にルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)、3位ニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)、4位マーク・ウェバー(レッドブル)と続き、レッドブルvsメルセデスAMGのレース序盤になった。
PPスタートは第2戦マレーシアGP以来となるベッテルは、早速得意としている「先行逃げ切り」のレース展開に持ち込み、1周目で早くも2秒リードして帰ってくると、2周目以降もラップ当たり0.5秒近い差を2位ハミルトン以下につけていった。これには好調メルセデスAMG勢も全く対抗できず、10周で5.5秒の差を付けられてしまう。そのまま最大7.9秒までリードを築いたベッテルは16周目にピットインしミディアムタイヤに交換。当初は熱の入りが悪く、ピットアウト直後の新品状態ではタイムが伸び悩むのではないかという予想もあったが、そんな事など現王者には全く関係ないというような勢いで、1分19秒前半のタイムを連発。19周目にハミルトンが1回目のタイヤ交換を終えてコースに復帰すると、両者の差は10秒以上に広がっていた。
いつもはコース上でのアクシデントでセーフティカーが何度も出動するなど大荒れのレース展開になるカナダGPだが、今回はスタートから1度も出動することなく、こう着状態が続いたレース後半へ。ここで注目を集めたのが6番手スタートだったフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)だった。スタート直後に5位に上がると、レース前半は我慢の展開が続いた。レッドブルとメルセデスAMGの好調2チームに対しついていくのが精一杯という状況だったが、第2スティントでミディアムタイヤを得て4位に浮上すると、そこから徐々に流れを取り戻し始める。36周目から3週連続でファステストラップを連発し3位のウェバーに接近。42周目のターン1でパスすると、今度は8秒前方にいるハミルトンを猛追。さすがに8秒を逆転するのは難しいのではないかと思われたが、47周目のピットストップで新しいミディアムタイヤに履き替えるとさらにペースアップ。残り8周で捉える事に成功。大逆転で2位の座を手に入れた。
結局、スタートから全く危なげない走りで独走したベッテルがトップチェッカーを受け、今季3勝目を飾った。2位に後半の逆転劇が光ったアロンソ。3位にはハミルトンが入った。
注目のポイントランキング(ドライバーズ)はベッテルが132ポイントに伸ばし、こちらでもやや独走状態。キミ・ライコネン(ロータス)が今回9位に終わったこともあり、トータル96ポイントに伸ばしたアロンソが逆転でランキング2位に上がっている。
『記事:吉田 知弘』
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