【WTCC】日本ラウンド(RACE2):記念すべきシリーズ200戦目はコロネルが勝利!

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 2013年のWTCC日本ラウンド。ミケリスが優勝したレース1が終了すると、すぐにレース2への準備が開始される。その前にレース1で負ったダメージを修復する「リペアタイム」が15分間だけ設けられ、各チームともピット前で慌ただしく作業を行った。その中でもコース脇のタイヤバリアにヒットした影響で大きくマシンを破損したティアゴ・モンテイロ(ホンダ/カストロール・Honda・WTC・チーム)は、15分以内で作業が終わるか心配されたが、メカニックの懸命な作業で、時間内でピットを後にした。

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 このレース2はシリーズ200戦目の記念すべきレースということもあり、世界中のメディアが注目。昨日の予選Q2のうちトップ10を逆に並べる“リバースグリッド”でレース2のグリッドが決定され、メディ・ベナーニ(BMW/プロチーム・レーシング)がPP、ここ鈴鹿で優勝経験があるトム・コロネル(BMW/ロアル・モータースポーツ)が2番手に並びBMW勢がフロントローからスタート。3番手にはガブリエル・タルクィーニ(カストロール・Honda・WTC・チーム)がつけ、鈴鹿でのホンダ2連勝に期待がかかった。

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 レース2はグリッドスタートでの26周勝負。レッドシグナルが消え29台のマシンが一斉にスタートを切るが、直前のレース1でチャンピオンを決めたイヴァン・ミューラー(シボレー/RML)と優勝したノルベルト・ミリケス(ホンダ/ゼングー・モータスポーツ)が接触。ミューラーはコントロールを失い外側のガードレールにマシンをヒットさせリタイア。ミケリスもタイヤにダメージを負い緊急ピットインと、いきなり波乱の展開となる。この接触によりコースで一番のオーバーテイクポイントであるメインストレート〜1・2コーナーにかけてイエローフラッグが振られた影響で、レース前半はこう着状態になった。しかし、イエローが解除されると2位のコロネルが本領を発揮。1・2コーナーを中心にベナーニのインを突こうと積極的に仕掛けていく。ただコース幅の鈴鹿では、なかなかチャンスに恵まれずベナーニがトップのまま周回を重ねていく。一方、ホンダ勢はタルクィーニにが3位を走っていたが、思うようにペースが上がらず11周目にモンテイロがパスして3位に浮上。この時点で前のBMW2台との差は3秒以上ついており、必死に追い上げるもなかなか届かなかった。

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 大きな順位変動もないままで迎えた17周目、ついにコロネルにチャンスが訪れる。1コーナーでベナーニの走行ラインが一瞬ワイドになったのを見逃さずにインに飛び込むと、そのまま2コーナーで一気にパス。ついにトップの座を手に入れた。コロネルはそのままリードを広げ、記念すべきシリーズ200戦目のトップチェッカーを受け、鈴鹿では2011年以来、2年ぶりの優勝を飾った。

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 以前、全日本F3やフォーミュラ・ニッポンに参戦した経験もあり「日本は第2の故郷みたいなもの」とも語っていたコロネル。パルクフェルメでマシンを降りると2年前と同じように「必勝」と書かれたハチマキを頭に巻いて登場。表彰式では恒例の大ジャンプをみせて喜びを爆発させた。2位にはベナーニ、3位にはモンテイロが入り、Hondaは地元の鈴鹿で2レースとも表彰台獲得と大活躍をみせた。

 気になる日本勢はレース2では苦戦が強いられた。伊沢拓也(ホンダ/Honda Racing Team JAS)は後半にスロー走行を余儀なくされピットイン。残り7周を残してレースを断念することに。吉本大樹(ニカ・レーシングチーム)も14周終わりにマシントラブルでピットイン。こちらもリタイアという悔しい結果に。また谷口行規(ウィチャーズ・スポーツ)と加納政樹(リキモリ・チーム・エングストラー)はそれぞれ16・17位で完走を果たした。

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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