【JAFGP】SGT(GT500)決勝第1レース:塚越広大が悲願達成!見事な逆転劇で今季初V

©T.Yoshita/KANSENZYUKU

 2013年のJAFGP富士スプリントカップ。GT500クラスは第1レースから大激戦の展開となった。

 秋ということで西日が最終コーナー側から差し込む中で始まったGT500の決勝第1レース。ポールポジションはSGTでは初となる山本尚貴(ウイダーモデューロHSV-010)、2番手には小暮卓史(RAYBRIG HSV-010)とホンダHSV勢がフロントローを独占した。しかし、スタートではクラッチのレスポンスが良くなくダッシュが上手く出来なかった山本が遅れ、小暮も伸び悩む。その間を3番手の立川祐路(ZENT CERUMO SC430)がすり抜けてトップで1コーナーへ入っていく。そこから、シリーズ戦でもみせた快走をみせ、少しずつリードを築いていった。

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 スタートの出遅れで一時5位まで後退した山本だったが、ペースを取り戻し3位まで浮上。「この勢いなら勝てると思った」と本人もいうように、すぐに2位の小暮へ接近し追い抜きにかかる。その間にも立川はチャンピオンの貫禄をみせリードを築いて独走態勢に持ち込もうとする。このまま優勝かと思われたが、こちらも今年の後半戦で絶好調だった塚越広大(KEIHIN HSV-010)が怒とうの追い上げを発揮する。

 スタートで7位に下がったものの、着実に順位を上げ8周目には4位。その後、トップ争いにも徐々に追いついていく。まずは12周目に山本を攻略し3位に上がると15周目のプリウスコーナーで小暮のインを突き2位へ。その辺りから前半のプッシュでタイヤが辛くなり始めた立川のペースが伸び悩み始める。この隙に一気に間合いを詰めた塚越は最終戦もてぎでチャンピオンを取り逃したリベンジとばかりに抜きにかかる。しかし、相手も百戦錬磨の名手立川だけになかなかチャンスを作らせず17周目へ。ヘアピン出口から横に並びかけ、ダンロップシケインでアウトから抜きにかかった塚越。進入時に一瞬接触するが2台とも並んだまま13コーナーへ。ここで塚越がアウトから攻めこみ、ついにトップ浮上を果たす。

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 その後は一気に後続を突き放し安全なリードを保ちフィニッシュ。今シーズンあと一歩の所で勝利がなかった17号車の塚越が悲願の今季初優勝を飾った。2位には立川、3位には小暮がそのまま入った。

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 パルクフェルメに帰ってきた塚越はマシンを降りると真っ先にメカニックのもとに駆け寄り、満面の笑みで喜びを分かり合った。「シーズン中は勝てそうで勝てないレースばかりで、もう2位はいらないという気持ちでJAFGPに臨みました。やっと勝つことができて結果を出すことができて、ここまで支えてくれた皆に感謝したいです。」とコメント。またこのレースで現役引退となるHSV−010については「HSV-010が最後のレースで、自分が最初から最後まで乗り続けることが出来たクルマなので、これまでの恩返しができたと思います。本当にHSVには感謝しています。」と感謝の気持ちを述べた。

『記事:吉田 知弘』

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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