【F1】2014第1戦オーストラリアGP:レースレポート

©MercedesAMG
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 2014年のF1開幕戦オーストラリアGPの決勝レースが16日、オーストラリア・メルボルンにあるアルバートパーク・サーキットで行われた。

 前日の予選は大雨に見舞われたが、決勝日は再び太陽が顔を出しドライコンディションに。サーキットには地元出身のダニエル・リカルド(レッドブル・レーシング)が予選2位を勝ち取ったこともあり、彼を応援しようと多くのファンが来場。さらに今シーズンはマシンのレギュレーションが大幅に変更になり、果たしてどんなレース展開になるのか注目が集まった。

 1周のフォーメーションラップを終えてグリッドに戻ってくるが、後方のマックス・チルトン(マルシャ)にトラブルが発生し、スタートがディレイ。再度フォーメーションラップをやり直したため、1周減算の57周で争われることになった。改めて仕切り直されたスタートで抜群の反応をみせたのが3番手スタートのニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)。ポールポジションのルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)、2番手リカルドの出だしが鈍かったこともあり、一気に中央突破でトップを奪う。続々と1コーナーへ進入していくが、14番手スタートだった小林可夢偉(ケータハム)が減速しきれずフェリペ・マッサ(ウイリアムズ)と接触。可夢偉はフロントセクションを大きく壊し外側のランオフエリアで停車。1年ぶりのF1復帰レースは、わずか10秒足らずで終了してしまうという、厳しいシーズンスタートとなってしまった。マッサもマシンにダメージを受け、その後リタイア。当初は可夢偉のミスという憶測が飛び交いペナルティも検討されたが、後にブレーキトラブルだったことが判明。お咎めなしとなった。

 直後のターン3でもスピンする車両があったがコースを塞ぐことはなくレースは続行。ロズベルグ、ハミルトン、リカルドという順で2周目に突入。しかし、オーストラリアGPの波乱はここから始まっていく。シーズンオフではトラブルも少なく順調だったメルセデスAMG勢だが、2位のハミルトンにエンジントラブルが発生。3周目にはピットインを余儀なくされ早々と戦列離脱を余儀なくされる。その翌周には前年度チャンピオンのセバスチャン・ベッテル(レッドブル・レーシング)もマシントラブルが発生。こちらもピットインしリタイア。昨年、何度も優勝争いで活躍した2人が早々と姿を消してしまった。

 お互いにチームメイトが序盤にリタイアしてしまい、マシンの信頼性に不安を抱えることになったロズベルグとリカルドがトップ争いを演じる。地元ファンの前で良いところを見せようとリカルドも必死に食らいつくが、ロズベルグがファステストラップを連発し、10周目には6.5秒のリードを築く。12周目にコース上に落ちたパーツを回収するためセーフティカーが導入される。ちょうど1回目のピットストップのタイミングが近づいていたこともあり、各車一斉にピットイン。上位陣に大きな順位変動はなく15周目にレースが再開される。

 このセーフティカーでリードがなくなったロズベルグだが、今年からガソリンタンクの容量が100kgまでと制限され、上手く燃費のコントロールをしていくことも求められるが、その心配をしていないかのようなハイペースで周回。レース中盤の24周目にはリードを10秒に広げ、2回目のピットストップを終えた39周目には16.1秒もの大量リードを築いた。

 ここまで逃げられてしまうとリカルドも為す術がない。2回目のピットストップを終え、2位のままチェッカーを目指すが、最終スティントで予期せぬライバルが出現する。中盤は常に5秒以上のリードを築いていた3位ケビン・マグヌッセン(マクラーレン)が、最後のピットストップでミディアムタイヤを装着すると一気にペースアップ。41周目にはDRS(コース内2ヶ所に設けられたゾーンのみでリアウイングを寝かせ、スピードアップできるシステム)の稼働圏内である1秒以下に接近。若手同士の2位争いが白熱する。

 制限されていた100kgのガソリン容量が気になり思うようにペースを上げられなかったリカルドだが、要所要所できっちり抑えこみマグヌッセンに抜くチャンスを与えない走りをみせ2位を死守。残り5周を切ったところで「燃料は問題ない」とチームからGOサインがでると、ラストスパートをかけ一気に振り切ってみせた。これにはスタンドに詰めかけた地元ファンも湧き上がり、彼が目の前を通過する度に大声援で後押しした。

 後半は2位以下での順位争いが白熱したこともあり、全く国際映像に映らなかったロズベルグ。最後まで着実にリードを守りきり、結局後続に24.5秒の大差をつけフィニッシュ。通算4勝目を挙げた。2位には最後までポジションを守ったリカルドが入り、地元オーストラリアGPで自己最高位、そして初の表彰台を獲得。3位には、これがF1初レースだったマグヌッセンが入り、関係者を驚かせた。4位には着実に追い上げてきたジェンソン・バトン(マクラーレン)、5位にはフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が入った。

©MercedesAMG
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 パルクフェルメに戻ってきたロズベルグは、マシンを降りると真っ先にチームクルーのもとへ駆け寄り喜びを分かち合った。昨年は特に序盤戦で決勝でのレースペースに苦しみ何度も悔しい思いをしてきた分、開幕戦で勝利し25ポイントを勝ち取ったことはリザルト以上に大きな成果だっただろう。そして、チャンピオン経験者が誰もいない全く新鮮な顔ぶれの表彰台。これから全く予想がつかない波乱のシーズンになっていくことを予感させる2014年開幕戦になった。

 なお、レース後の車検で、2位に入ったリカルドに燃料規定違反の疑いがあることが判明。現在も審議中となっており、正式結果はまだ出ていない。

『記事:吉田 知弘』

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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