2014年のSUPER GT第3戦オートポリス。ポールポジションからスタートしたNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(佐々木孝太/井口卓人)は惜しくも2位に終わった。
福岡県出身の井口卓人にとっては、ここオートポリスは地元レース。ここ2戦は不運が続き満足のいく結果が得られなかったが、地元で悪い流れを断ち切るべく自らが担当した予選Q1でトップタイムを記録。パートナーの佐々木孝太もQ2でトップタイムをマークし今季初のポールポジションを勝ち取った。
スタンドにはスバル応援席に加えて井口卓人応援シートも設置され、長年オートポリスなどで彼の活躍を見守ってきた地元のファンが集結。スタートからゴールで声援を送り続けた。スタートは佐々木が担当、直後からNo.55 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志)との激しいマッチレースを展開。背後に何度か迫られるシーンがあったが、佐々木は順位を奪われることなく、井口にバトンを渡す。
ピットインのタイミングをずらしていた55号車の逆転を阻止するべくペースを上げようとするが、まだピットを済ませていなかった別のGT300マシンに行く手を阻まれて思うような速さを発揮できない。これが原因の一つとなり55号車に逆転を許してしまう。
それでもチェッカーまで約30周。井口はなんとかコース上で逆転しようとプッシュし続けるが差を詰めることができない。終盤、コース上でアクシデントが発生しセーフティーカーが導入。今まで10秒近く開いていた差がゼロになり、逆転のチャンスが訪れたものの、今回の55号車には手も足も出なかった。
地元では久しぶりのポディウム・フィニッシュだったが、やはり勝てなかったという悔しさが表情にも現れた井口。レース後、このように振り返ってくれた。
「完全に55号車の方が上手でしたね。完敗です。最後までペースも落ちることなく追いかける事はできたし、ここまで流れよく週末を終えられたのは全体を考えるとポジティブな結果でした。でも、実質的には僕のスティントで逆転されたので、色々な状況はあったにせよ悔しい気持ちでいっぱいです。ここ2戦は満足のいく結果が出ませんでしたが、今回の表彰台でチームも活気づいてくれると思いますし、後半戦はSUGOや鈴鹿などBRZが得意なコースが多いです。今までの悪い流れを今週末で断ち切れたと確信しています。」
またパートナーの佐々木も「僕達が持っているポテンシャルは十分引き出せたと思う。55号車の方が上でした。2位は悔しいですが上出来だと思います。」とコメント。悔しいレースにはなったものの、開幕戦や第2戦で見られなかったパフォーマンスを引き出せた週末だったようだ。
今回は地元レースでの優勝を果たすことができなかった井口だが、駆けつけたファンの前で、最終ラップまで諦めずに55号車に食らいつくレースを披露。ここ数年はオートポリスで良いレースができず、早く来てくれたファンに結果という形で恩返しをしたいと言っていた。結果こそ優勝はできなかったが、残り5戦のどこかで必ずリベンジを果たしてくれるのではないか。そんなことを期待させてくれるレースだったことは間違いないだろう。
『記事:吉田 知弘』
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