【2014F1日本GP】雨に見舞われたレースはまさかの結末に…ハミルトンが鈴鹿初勝利

©KANSENZYUKU

 2014年のF1日本グランプリ決勝。台風18号が接近している中、悪天候になることが確実だったが、それでも1年に一度のレースイベントを観ようと、全国から72,000人のファンが来場した。

 15時00分からの決勝レース。悪天候のためセーフティーカー先導でスタートした、雨脚は強くなる一方で1周目最終コーナーでマーカス・エリクソン(ケータハム)がスピンを喫した。他のドライバーも無線で路面状況が悪いと訴え、2周をおえたところで赤旗中断となった。

 ルール上は、ここで終了しても順位として正式結果が反映されるのだが、レースを観たいというファンの思いも通じ、天候が若干回復。20分間の中断を経て再びSC先導で再開された。

 ピットから隊列を組んでマシンが出てくると、ファンも拍手で出迎えたが、S字を抜けたところでフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)がマシントラブルでストップ。わずかSCラン2周で姿をけすことになってしまった。

 10周目にSCがピットに入ると本格的なレースが開始。それと同時にジェンソン・バトン(マクラーレン)がいち早くピットインしインターミディエイトに交換。これをみたライバルたちも翌周に続々とピットに入っていく。早めの判断をしたバトンの方が有利だったようで、8番手スタートから一気に3位へ浮上した。

 また後続でもバトルが白熱。特に予選では遅れをとったセバスチャン・ベッテル(レッドブル・レーシング)が16周目にヘアピンでフェリペ・マッサ(ウイリアムズ)をパス。さらに18周目には同じヘアピンのアウト側からバルテリ・ボッタス(ウイリアムズ)をオーバーテイク。これにはファンも歓声を上げた。

 これに僚友のダニエル・リカルドも黙ってはおらず、マッサ、ボッタスを逆バンクのアウト側から攻略。濡れていて滑りやすい縁石を何事もないかのように踏んで追い抜いていった。

 トップ争いは予想通りニコ・ロズベルグ、ルイス・ハミルトンのメルセデスAMG勢が逃げていく展開。ライバル陣営が一通りタイヤ交換を終えると、ロズベルグ、ハミルトンの順でピットイン。その後も2人による接近戦が白熱。スタンドのファンを魅了する。

 しかし、流れは後のハミルトンにあった。ロズベルグは無線でマシンバランスが悪いと訴えペースも上がらない。そこへハミルトンが少しずつ近寄っていく。ちょうど雨が完全に止みDRS解禁になると、1コーナーをターゲットに攻め込んでいく。

 そして29周目、直前のシケインから最終コーナーで間合いを詰めたハミルトンはDRSを使ってアウト側からロズベルグをパス。ついにトップに浮上する。ここからは一気にハミルトンの流れに変わり、ベストタイムを更新しながら後続を引き離した。

 ハミルトンがトップのまま進んでいった終盤。とんでもないアクシデントが発生してしまう。42周目のダンロップコーナーでエイドリアン・スーティル(ザウバー)がスピンしクラッシュ。その回収のため出動していた重機にコントロールを失ったジュール・ビアンキ(マルシャ)のマシンが激突。現地で対応していたマーシャルの要請ですぐにSCが出され、メディカルカーも現場へ急行。マシンから救出されたビアンキは意識不明の重体で、すぐに三重総合医療センターへ搬送された。

 この事故により赤旗が再度出され、44周をおえたところでレース終了が決定。ハミルトンが今季8勝目を飾った。2位にロズベルグ、3位にはベッテルが入った。

 幼少の頃から憧れていた鈴鹿の舞台で勝ち取った勝利ではあったが、表彰式ではビアンキの容体が気なる様子で笑顔が少なめ。しかし表彰式インタビューで登場した母国の大先輩ナイジェル・マンセル氏から質問を受けると、今日のレースを振り返り最後は「アリガトウ!」と日本語で集まったファンに挨拶をした。

 ウエットコンディションでのレースとなり、途中赤旗などがあったものの、コース各所で激しいバトルが繰り広げられた日本グランプリ決勝。しかし、終盤のアクシデントで少し後味の悪い終わり方となってしまった。

『記事:吉田 知弘』

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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