2016年のSUPER GT第2戦富士の決勝レースが4日、富士スピードウェイで行われた。
昨晩に大雨が降った影響で、レースは雨が残るかと思われたが、朝から晴天に恵まれ、夏日に迫るくらいの陽気に。ゴールデンウィークを利用し、全国から50,100人が訪れ白熱の決勝レースを観戦した。
GT500クラスはポールポジションのNo.12カルソニックIMPUL GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)を先頭にアクシデントもなく1コーナーを通過。1周目から順調なペースで後続を引き離していく。一方、2位以下はNo.46S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山哲)とNo.38ZENT CERUMO RC F(立川祐路)、MOTUL AUTECH GT-R(ロニー・クインタレッリ)が接近戦のバトルを展開。GT300との混走が始まると、互いにチャンスを見つけて攻め合う走りをみせる。
最初は本山に立川が攻め込むという展開だったが、ここは本山が死守。逆に15周目にクインタレッリが立川をパスし3番手に上がるが、17周目に再び抜き返し順位を取り戻した。20周目以降も安定したペースで走った立川は27周目の1コーナーで本山をパス2番手に浮上した。
後続がバトルをしている間に、オリベイラは順調に周回。10秒以上の大量リードを築き、中盤戦に突入する。30周目を過ぎると1回目のピットストップウインドウが開く。上位陣でまず最初に動いたのは46号車。30周を終えたところでピットイン、千代勝正に交代した。これに合わせて38号車も32周目にピットへ。こちらは石浦宏明にドライバー交代する。ライバルが続々と動きを見せる中、トップの12号車は上位陣では一番遅い38周終わりでピットイン。安田裕信が第2スティントのステアリングを握った。
各車1回目のストップを終え、少し落ち着いた展開となったが、開幕戦に続き千代がまたしても光る走りをみせる。ピットストップでは石浦が駆る38号車を逆転できなかったが、自らの気合がこもった走りで背後に迫りプレッシャーをかけていく。石浦も冷静に対応していたが43周目のTGRコーナーでGT300の混走も絡んだこともあり、ブレーキングで少しクリッピングポイントを外してしまった。これを見逃さなかった千代はすかさず横に並びコカ・コーラコーナーでアウトからオーバーテイク。2番手を勝ち取る。その後も1分31秒台を連発する走りで安田を猛追。当初は15秒近くあった差を、7秒差まで削る力走をみせた。
まもなく2回目のピットストップというタイミングに差し掛かった68周目。RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(伊沢拓也)が100R出口で左リアがバースト。その影響でドライバー側のドアを含む後方部分がバラバラになりコース脇にマシンを止めた。幸い伊沢は自力でマシンを降り無事だった。これで飛び散った破片回収のためセーフティカー導入。ここで明暗が大きく分かれる。
今年からピットの混乱を避けるためSC中はピット作業が禁止となった。しかし2番手を走っていた46号車はガソリンがなくなり、ペナルティを覚悟でピットイン。本山に交代を済ませるが再開後に90秒ストップペナルティを受けることになった。
さらに78周目にレースが再開されると、2番手に浮上した38号車もガス欠に見舞われ途中でストップ。レース前半を沸かせていた2台に不運が襲われた。
トップを走る12号車は1周回ってピットイン。再びオリベイラが乗り込む。このままいけばライバルがピットインした際に再びトップに戻れるはずだったが、81周終わりでピットインした1号車が38.5秒の迅速な作業でピットアウト。なんと12号車オリベイラの前でコースに復帰する。
ここからは、昨年も何度も見られた1号車と12号車の一騎討ちへ。何としても優勝が欲しいオリベイラは気合いで1号車クインタレッリに迫り、96周目のTGRコーナーでインに飛び込んだ。クインタレッリもクロスラインで対応し、一時はコース幅いっぱい使う間でサイド・バイ・サイドをみせるが、コカ・コーラコーナーでオリベイラがトップを奪還した。
このままトップを死守したかった12号車。残り周回数も少なくなり優勝も確実かと思われた107周目。まさかの事態が待ち構えていた。
100Rを全開で駆け抜けている最中に12号車の左リアタイアがバースト。100号車の時と同じようにリアセクションがバラバラになり、コース脇にマシンを止めた。力なくマシンを降りたオリベイラも思わず天を仰いだ。
これで再度トップに返り咲いた1号車がそのままチェッカー。開幕2連勝を飾った。2位にはNo.39DENSO KOBELCO SARD RC F(ヘイキ・コバライネン/平手晃平)が入りコバライネンはSGTで初表彰台。平手も2014年SUGO以来の表彰台となった。3位にはKeeper TOM’S RC F(ジェームス・ロシター/平川亮)が続いた。
最後の最後まで何が起こるかわからない。改めてレースの面白さでもあり、怖さでもある場面をみたシリーズ第2戦だった。
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