【SF】2016第6戦SUGO:予選Q1で可夢偉と山本がピットレーンで交錯するハプニング発生、再発防止策の必要ありか?

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©T.Yoshita/KANSENZYUKU

スポーツランドSUGOで開催されているスーパーフォーミュラ第6戦。毎回「SUGOには魔物が棲む」と言われており、普段ではなかなか起こらないようなハプニングが発生することで有名だが、今回は予選Q1で小林可夢偉(SUNOCO TeamLeMans)と山本尚貴(TEAM無限)がピットレーン上で接触するという、前例にあまりないハプニングが発生した。

20分間で争われた予選Q1。各車との1回目のタイムアタックを終えてピットに戻り、新品タイヤを装着。残り7分で一斉にガレージを後にしたが、その時にガレージからピットレーンに進入したところの可夢偉に、ちょうどガレージから出てきた山本が接触。ピットレーンを2台がふさいでしまう形となり、一時大混乱となった。

2台とも、ある程度のスピードが出ていたため、山本の左フロントタイヤと可夢偉の右フロントタイヤが絡み合う状態でストップ。そこに居合わせたITOCHU ENEX TEAM IMPULのメカニックも手伝って対処した。その結果、可夢偉は予定より2分以上遅れてコースイン。さらに接触の影響で、フロントウイングも破損し満足した状態で走れないままのアタック。15番手でQ1敗退と悔しい結果となった。

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山本もダメージが大きく、一旦ガレージに戻ってフロントノーズを交換してコースインするが、マシンに違和感を感じたとのことですぐにピットイン。結局アタックできないまま19番手となった。なお、この件は山本側がピットアウト時の安全確認違反という形で5グリッド降格ペナルティを受ける。

今年は不運もあってここまでノーポイントが続いている可夢偉。「まだ開幕していない」というコメントが定着してきているほどの状況。それだけに今回こそという意気込みは強かったのだが、またしても思わぬ形でQ2進出を逃してしまったのだ。「どうしようもなかった。僕も“ウソやろ”と思って一番左まで避けたけど、ほぼノンストップできた感じ。本当にどうしようもなかった。これ以上な不運はないです」と苦笑いをみせていた。

©T.Yoshita/KANSENZYUKU

一方の山本は「最終的に、僕が確認をしないでファストピットレーンに出たので、僕に責任があると思います。エンジンをかけてメカニックがGOサインを出して、ピットを出たところまではいつもと同じでした。その後メカニック自身の判断で止めようとしてくれたんですが、その時点で僕の視界から消えたところにメカニックがいたので、そのまま進んじゃった感じです。可夢偉選手とチームルマンに本当に申し訳ないです」と、普段では見られないほど反省した表情をみせていた。

確かに裁定通り、ピットレーンを走行していた山本が悪いといえば悪いのだが、実際には“様々なタイミングの問題”で様々な不運が重なったのではないか、というのが筆者の見解だ。

スーパーフォーミュラが開催されているサーキットの中でも、ピットが狭いというのが特徴のSUGO。さらにTEAM無限のSUNOCO TeamLeMansのピットはF3のピットを挟んで、ほぼ隣同士。さらにピットから出てくるタイミングもほぼ一緒だった。

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[手前がTEAM無限ピットで奥がTeamLeMansのピット、思った以上にピット間の距離が狭い(日曜フリー走行時に撮影)]

実際に山本の16号車側も安全を確認した上でエンジンをかけてガレージアウトの動作に集中した瞬間に可夢偉がガレージアウト。おそらくそれが原因で可夢偉の発見も一瞬遅れた可能性がある。また山本だけでなく可夢偉も勢いがついていたことも接触にいたってしまった。

ただ、いずれにしても最近のスーパーフォーミュラはセッション開始前から先頭でコースインしようとピットレーンに並ぶ傾向がある。現行のSF14導入時はエンジンがオーバーヒートする可能性があったため、長時間ピットレーンに並べなかったが、現在は長時間待ってられるようなモードも追加されたとのことで昨日も7分前から並び始める光景がみられた。

特に予選の場合は、ピットから出られるタイミングで予選順位が大きく変わるほどの影響と重要さを持ち始めているため、ライバルよりも前に出ようと、ピットレーン上でも激しい争いが繰り広げられるようになり、これも今回の事故を誘発したと言っても過言ではないだろう。

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もちろん、しっかり安全確認しているとはいえ、SUGOのようにピット間の距離が狭く、フォーミュラカーはドライバー自身で目視確認できる視野も狭い。特に隣のチームでタイミングが重なると、こういった交錯が起こる可能性も高い。今回はたまたま可夢偉と山本が引き起こす形となったが、同じようなことが起きても不思議ではないという状況だったと言えるだろう。これに対しては、JRP側も来シーズンに向けての何らかの対策は検討しているとのことだ。

SUPER GTでは、こういった混乱を防ぐために、現在ではピットレーンで並んで待機というのは禁止。またピットアウト時もガレージから斜めにした状態でマシンを出してからエンジン始動、ピットレーンへの進入というのが義務付けられている。実際にどのような内容になるかは分からないが、スーパーフォーミュラでも何かしらの対策が施されることになりそうだ。

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吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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