いよいよ開幕した2016年のF1世界選手権。開幕戦オーストラリアGPの公式予選が日本時間の19日15時からアルバート・パークサーキットで行われた。
前日のフリー走行はウエットコンディションだったが、土曜日は朝から天候に恵まれ朝のフリー走行3回目からドライコンディションに。予選は分厚い雲に覆われたがインターミディエイト・ウエットタイヤが登場することはなかった。
今年から予選方式が変更され、セッション中でも最下位のマシンが1台ずつノックアウトされていくというものに。決定当初は批判も多かったが、導入されて初のレースということもあり、注目が集まった。
Q1では7分経過時点から最下位のドライバーが落とされていく。それまでにタイムを出しておかないと例えメルセデスやフェラーリ勢であっても脱落が決定してしまう。グリーンシグナル点灯前からメルセデス2台を先頭にピット出口には長蛇の列ができた。
そしてセッションが開始されると各車一斉にコースイン。まずは1回目のタイムアタックを行う。シーズンオフのテストではマイレージ重視で、あまり速さを見せなかったメルセデス勢だが、しっかりとルイス・ハミルトンが1分25秒351をマーク。一方ニコ・ロズベルグは1コーナーでミスしてしまい1分26秒934と伸びない。それでもQ2進出を確実なものにする。一方中団グループは大混乱。アタックを終えてピットに戻ると、すぐにタイヤを替えてコースイン。中にはピットボックスでレース同様にタイヤ交換を行うチームもいた。ここアルバートパークはピットレーンが狭く、大混乱に。そうこうしているうちに最初の脱落者が決まる7分を迎え、パスカル・ウェーレイン(マノー)が新ルール第1号の脱落者となった。
その後も続々と脱落者が決まっていく中、満足にアタックできなかったダニール・クビアト(レッドブル・レーシング)も早々にノックアウトと波乱の幕開け。Q2進出をかけた15番手争いでは、マーカス・エリクソン(ザウバー)とジュリオン・パーマー(ルノー)のラスト90秒での一騎打ちに。エリクソンが1分27秒435を記録するが、最後の最後でパーマーが1分27秒241で逆転。僚友ケビン・マグヌッセンとともにワークス復帰初戦で2台ともQ2へコマを進めた。
昨年は苦戦を強いられたマクラーレン・ホンダはQ1から躍進。Q2進出を重視し2セットのスーパーソフトタイヤを投入。フェルナンド・アロンソが1分26秒537で3番手タイムを記録。ジェンソン・バトンも1分26秒740で7番手つけ、余裕を持ってQ2へ進出を果たした。
続くQ2もメルセデスからアタック。さらに両者とも1分24秒台を記録しライバルを圧倒。タイヤを温存しながらQ3を待った。一方、Q1でスーパーソフトを複数投入したチームはQ2でタイムアタックに有効なタイヤが残っておらず苦戦。マクラーレンの2台もわずか1度しかチャンスがなく、アロンソが12位、バトン13位でマシンを降りた。
そして最終のQ3はメルセデスを除く6台が1アタック勝負に。ここでファンを沸かせる走りを見せたのがフェラーリ勢。一番最初に出ていたロズベルグが1分25秒260に終わる中、セバスチャン・ベッテルが1分24秒675、キミ・ライコネンも1分25秒033と続き、シルバーアローの間に割って入る。しかしメルセデス勢は2台ともに2セット目のスーパーソフトを残しており残り5分で再度アタック。ロズベルグは1分24秒197で2番手に浮上。一方のハミルトンは1回目の自身のベストタイムを更新する1分23秒837をマーク。通算50回目のポールポジションを確実なものにした。
この時点で全車が持ち込んでいるスーパーソフトを使い切ってしまったため、チェッカーまで残り3分を残しながらコースは静かに。メルセデス2台もマシンを降り、早々にアタックを終えたベッテルは記者会見前にスーツを抜いてチームウェアに着替えてしまうほど。新しいルールで注目を集めるはずだった「ラスト90秒のポールポジション争い」は実現せずセッションが終わった。
2番手にはロズベルグ、3番手にはベッテル、4番手にはライコネンと戦前の予想通りメルセデスvsフェラーリの争いになりそう。またマクラーレン・ホンダの2人も手応えをつかんでいる様子で開幕戦からのダブルポイントも視野に入れている。
注目の決勝レースは日本時間の20日14時から行われる。
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