【FormulaNippon】第2戦もてぎ(決勝):王者対決を制したロッテラーが今季初勝利!

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『撮影:SHIGE

予選同様、快晴に恵まれたツインリンクもてぎではフォーミュラ・ニッポン第2戦が行われた。
ポールポジションは王者アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)、2位の僚友中嶋一貴以下に0.5秒以上の大差をつけた予選だった。
スタートでは、最大のライバル一貴をけん制して1コーナーに飛び込んだロッテラーが首位をキープ。2位一貴を引き連れてリードを築いていく。3位には2010年王者のジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)が浮上。独走していくトムス2台を追い上げた。

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1位ロッテラー、2位一貴、3位オリベイラのまま落ち着いたレース展開で、ピット作業のタイミングを迎えるが、ここでレース展開が一気に動く。いち早くピット作業を済ませた一貴とロッテラー、給油に時間がかかり作業時間に20秒以上を要してしまう。一方、上位陣の中では一番遅く32周目に入ったオリベイラはTEAM IMPULの迅速な作業にも助けられ17.4秒の早業でピットアウト。トムス2台の前でコースに復帰する。トムス勢、特にロッテラーにとっては予想外の展開となってしまったが、すぐにオーバーテイクボタンを作動させ、オリベイラに並びかかると、3コーナーで膨らんだ隙を突いてインに飛び込み、4コーナーで抜き去った。
昨年、横綱相撲のような他を圧倒するレースをみせ、オーバーテイクボタンに手をかける機会がほとんどなかった王者ロッテラーだが、今回は珍しくオーバーテイクスイッチを利用し、一気に勝負をかけた。

後半スティントでは3位に落ちた一貴のペースが伸びず、戦前の予想とは異なりロッテラーvsオリベイラのチャンピオン経験者同士による優勝争いに、会場に詰め掛けた観客は釘付けになった。
一時は2秒近いリードを再び広げたロッテラーだったがブレーキが厳しくなり、残り8周で1秒を切る。しかし、背後まで迫ってくるオリベイラに対して全く動揺を見せなかった現王者のロッテラーはそのまま最後までトップを死守し、今季初のトップチェッカーを受けた。

2位は最後まで粘り強い追い上げをみせたオリベイラ、3位は一貴がそのまま順位を守ってフィニッシュした。2011年にFNデビューした一貴は9戦全てで表彰台に登る快挙。16ポイントでポイントランキングでも引き続き単独首位を守った。

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『撮影:SHIGE

パルクフェルメでマシンを降りたロッテラーはガッツポーズ。「良い一日だった。前半はリード保って走れたけど、オリベイラの素早いピットストップで“ギリギリ”な瞬間があったね。終盤になってブレーキが厳しくなってオリベイラに追いつかれたけど、なんとかトップでゴールできた。楽しいレースだったよ」と笑顔でコメント。
一方、ライバル攻略があと一歩のところで実現しなかったオリベイラは「燃費とタイヤの消耗を気にして走って、必要な時にプッシュできる準備をしておいた。ピットストップも上手くいって、コースに戻った時は“ギリギリ”だったね(笑)。3コーナーで並ばれたときはタイヤ交換したてでタイヤも温まっていなかったから、無理に頑張らなかった。最終的にロッテラーを抜き返す事は出来なかったけど、いいレースだった」と、互いにもてぎを沸かせたドッグファイトを讃えあった。

3位の一貴は「スタートはロッテラーより少しだけ良かったけど、抜くには至りませんでした。ピットストップでオリベイラに逆転されたのは相手がそれだけ燃費が良かったという証拠だと思います。前半は自分の出来る仕事をきっちりこなせたのですが、後半になってペースが伸び悩んでしまいました。チャンピオン争いのことを言うのはまだ早いですが、最低でも今回のように表彰台に乗れるレースをしていきたいです。」とレースを振り返った。

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また、レース後の公式記者会見では「今日は母の日ですが、皆さんは何かされましたか?」という質問もされ、ロッテラーは「今回の優勝こそ最高のプレゼントだよね!賞金をいくらか渡そうと思う。言ってくれなかったら(今日が母の日ということに)気付かなかった。ありがとう!」と母の日に“優勝”という最高のプレゼントを贈る事が出来た。
オリベイラも「母は遠くに住んでいるからなかなか会えないけど、今回の2位と言う結果には喜んでくれると思う。昨日花束を贈ったよ。」と笑顔でコメント。
一貴は「僕も、今質問されて今日が母の日ということを気付きました。僕も普段から何もする側ではないので、この場をお借りして日ごろの感謝をお伝え申し上げたいと思います!」と照れながら一礼してコメントした。

次回は第3戦オートポリスが5月27日に開催される。今回、表彰台に登った3人が今シーズのタイトル争いの主役になりそうだが、まだまだタイトル争いに絡んでくるドライバーがたくさんいる今季のフォーミュラ・ニッポン。次回のオートポリス戦からも目が離せない。

『記事:吉田 知弘』

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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