16日に開幕した2012年のJAFGP富士スプリントカップも、早いもので最後のレース。GT500クラスの決勝第2レースのスタートの時を迎えた。直前のGT300第2レースではコース各所で白熱したバトルが展開されたが、GT500は今週末の最後を飾るにふさわしいベストレースとなった。
スタートではポールポジションの中嶋一貴(PETRONAS TOM’S SC430)がやや出遅れ、2列目にいた立川祐路(ZENT CERUMO SC430)と松田次生(カルソニックIMPUL GT-R)が好ダッシュ。1位立川、2位松田、3位一貴の順でレースが始まっていく。スタートで一気に前に出た立川は序盤からリードを築いていくが、出遅れ分を取り戻そうと一貴も本領を発揮。2周目に松田を抜くとトップの立川を追った。一方、3位に落ちた松田はスタート時にフライングをしていたことが判明。前日のJ・P・デ・オリベイラ同様に悔しいドライブスルーペナルティを受けてしまう。
一時は3秒以上のリードを築いた立川だったが一貴がすこしずつ接近。6周目の最終コーナー明けで横に並びかけると、そのまま1.4kmのメインストレートをサイドバイサイドで通過。1コーナーのブレーキング勝負で一貴がトップを奪い返した。
その後は両者、約1秒前後の間隔をキープ。しばらく膠着状態が続いたレース中盤だったが、残り7周というところで立川がチャンスを掴む。まずは16周目のヘアピンでインに飛び込むが、一貴も応戦。サイドバイサイドのままダンロップへ侵入するが、ここは一貴が意地でトップを死守する。それでも諦めず食らいつく立川。17周目の最終コーナーで再びチャンスを作り、一瞬トップに立つものの、一貴も負けじとストレートで横に並び、再び1コーナーでのブレーキング勝負に。先程は競り勝った一貴だったが、今回はブレーキを遅らせすぎてオーバーランしてしまい、勝負あり。序盤から続いた一貴との死闘を制し、見事GT500の第2レースを制した。2位には一貴、3位には昨年の第2レースで優勝した伊沢拓也(RAYBRIG HSV-010)が入った。
優勝した立川は「本当にうれしいです。一貴とのバトルは、最後まで激しく続きましたが、ドライブしていた僕は本当に楽しかったです。良いレースができました。」とコメント。レース終了後はすべてを出し切ったかのように疲れきった様子をみせた立川。それだけ一貴との死闘が激しかったのだろう。
これで2012年の富士スプリントカップ全レースが終了。最後はまさに特別戦「JAFGP」にふさわしい白熱した大熱戦が繰り広げられ、スタンドに詰め掛けたファンからも大きな拍手と声援が沸き起こった。
『記事:吉田 知弘』
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