【F1】第19戦アメリカGP:レースレポート

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『Photo:Pirelli』
『Photo:Pirelli』

2012年のF1は今年初開催となるアメリカ テキサス州オースティンに舞台を移し、第19戦アメリカGPが18日(日)に行われた。

2007年のインディアナポリス以来の開催となるアメリカGP。今回はオースティンに新設された「サーキット・オブ・ジ・アメリカ」が舞台。これまで数々のF1サーキットを手がけてきたヘルマン・ティルケ氏がデザインしたサーキットだ。

スパ・フランコルシャン(ベルギーGP)を思わせるような急勾配から曲がるヘアピン状の1コーナーをはじめ、全体的にアップダウンが激しいコース。コース前半は鈴鹿サーキットのS字区間のような連続コーナーが続き、後半は長いストレート(決勝レースはDRS区間)が存在するなど、比較的難しいレイアウトになっている。

この新コースで初代ポールポジションを勝ち取ったのはセバスチャン・ベッテル(レッドブル)。前回アブダビGPは不運なトラブルに見舞われたルイス・ハミルトン(マクラーレン)が2位に続いた。このレースで優勝し10ポイント差でチャンピオン争いをするフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が5位以下になれば3年連続のチャンピオンが決定する。一方のアロンソは予選で失速し9位。ベッテルがかなり有利な状態で決勝レースを迎えた。

スタートではベッテルに続き3位のマーク・ウェバー(レッドブル)が好ダッシュをみせハミルトンをかわしレッドブルが1−2体制。しかしハミルトンが4周目にウェバーをとらえ再び2位を奪い返す。後方ではアロンソが抜群のスタートをみせ、一気に4位に浮上した。ウェバーはしばらく3位をキープするものの17周目にオルタネーターのトラブルでリタイヤしアロンソが3位にジャンプアップ。さらに前を走る2台の攻略を目指したが、圧倒的に速いペースについていけず、アロンソは終始3位をキープする展開となった。

ポールスタートからトップを死守したベッテルは、いつも通り序盤から後続を引き離して独走していくレース展開に持ち込もうとペースを上げるが、2位ハミルトンも冷静に追いかけ、前半スティントでの両者の差は約1.5〜2秒をキープ。

今回はピレリタイヤがミディアム・ハードという硬めの2種類のタイヤを用意したこともあり、両者ともに1ストップ作戦。20周目にハミルトン、21周目にベッテルがタイヤ交換を完了させ後半スティントへ突入した。

新品のハードタイヤに履き替えたベッテルは再びハミルトンとのりーどを広げようとプッシュを開始。28周目からは1分41秒8のラップタイムを連発し、ハミルトンとの差を2.5秒まで広げた。これで流れはベッテルに傾きはじめたが、思わぬ落とし穴が待っていた。30周を過ぎたところから周回遅れのマシンに引っかかってしまい、ラップタイムを落としてしまう。これをチャンスとみたハミルトンが一気にその差をつめ、DRSが使える1秒以内に接近。ここから数周に渡って現在のF1界を代表するトップドライバー2人による激しい接近戦が繰り広げられ、スタンドを埋め尽くしたファンを魅了した。

何度かチャンスを伺いながら周回を重ねたハミルトン。ついに42周目の裏ストレートでDRSを使って横にならびかけターン12でパス。ついにベッテル攻略に成功した。もちろんベッテルも諦めておらず、再び首位奪還のために猛プッシュ。最終ラップまで緊迫したトップ争いが繰り広げられた結果、最後まで集中力を切らさなかったハミルトンが先にチェッカーを受け、オースティンでの初代ウィナーに輝いた。ベッテルはわずか1.8秒及ばず2位。アロンソは堅実な走りで3位表彰台を獲得。チャンピオン争いではベッテルとのポイント差が13に広がってしまったが、彼のチャンピオン獲得を食い止めただけではなく、予選での失速を見事挽回するレースを披露した。

『Photo:Pirelli』
『Photo:Pirelli』

表彰式では、ピレリのウィナーズキャップもテキサス州らしくテンガロンハットのバージョンで3人が登場。恒例のポディウムインタビューではアメリカで元F1ドライバーのマリオ・アンドレッティ氏が担当した。そこで優勝したハミルトンは「オースティンでの初代ウィナーになれて、本当に嬉しい。週末を通してファンの熱気は凄くて、僕たちを歓迎してくれて思い出深いレースになったよ。」とコメント。

注目のチャンピオン争いはベッテルが273ポイント、アロンソが260ポイントで両者の差は13ポイントとなり、チャンピオン決定は最終戦ブラジルGPへ持ち越し。ベッテルは何位であってもアロンソの前でチェッカーを受ければ3連覇が確定。万が一11位以下(0ポイント)でもアロンソが4位以下であればチャンピオンが決まる。一方のアロンソは3位以内が必須、仮に優勝したとしてもベッテルが5位以下でなければ逆転でチャンピオンにはなれない。

果たして最後に笑うのはどちらなのか?最終戦ブラジルGPは今週末の11月25日(日)に決勝を迎える。

【小林可夢偉、良いところがなく14位フィニッシュ】
『Photo:Sauber F1 Team』
『Photo:Sauber F1 Team』

前回アブダビGPでは波乱のレースを乗り切り6位入賞を飾った小林可夢偉(ザウバー)。今回のアメリカGPは連続で曲がっていくコーナーも多くザウバーチームのマシンにもチャンスがあるかと思われたが、週末を通して歯車が噛み合わず予選では16位とQ2敗退。決勝も今回用意されたミディアム・ハードタイヤの持ち味を上手く発揮することができず苦戦。14位でフィニッシュしポイント獲得とはならなかった。これには可夢偉も「散々なレースでした。残り1戦なので次回のブラジルは気持ちを切り替えてなんとしてもポイントを獲得します。」とコメント。最終戦ブラジルGPは2009年にF1デビューを飾ったコースでもあり、いきなり当時チャンピオン争いをしていたジェンソン・バトンを追い抜いてみせるなど、いきなり存在感をアピール。昨年も終盤チームが低迷する中、9位入賞を果たすなど毎回結果を残してきている。

来季のシート獲得などで周囲が騒がしい可夢偉だが、とにかく次回は泣いても笑っても今季最終戦。“可夢偉らしい”悔いのない走りを期待したい。

『記事:吉田 知弘』

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吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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