【INDY】2013第16戦ボルチモア:波乱のレースを生き残ったパジェノーがV。琢磨はリタイア

©INDY CAR
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 2013年のIZODインディカー・シリーズ第16戦ボルチモア決勝(75周)が現地時間の1日に行われ、3番手スタートだったシモン・パジェノー(シュミット・ハミルトンレーシング)が今季2度目の優勝を飾った。

 久しぶりにストリートコースが舞台となり、予選同様に晴天の中で決勝がスタート。ここ数戦は不運続きでリタイアが続いている佐藤琢磨(AJフォイトレーシング)は得意のストリートコースで上位進出を目指しスタート直後からプッシュ。ポジションを3つ上げて7位に浮上するが、4周目にエンジントラブルが発生。ピットに戻って修復作業を行うが、クルーの努力も実らずレース続行を諦めることに。またしても無念のリタイアとなってしまった。

 トップ争いは2番手からスタートしたウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が主導権を握りレースをリードするが、32周目のピットストップ時に定位置をオーバーしてしまい大きくタイムロス。代わりにセバスチャン・ブルデー(ドラゴン・レーシング)がトップにレース後半へ。ここから今季最大と言ってもよいくらいの大荒れの展開が待っていた。

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 41周目に後続でアクシデントが発生し、この日2回目のコーション。47周目にリスタートが切られる。すると直後のターン1でスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)とグラハム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が接触。ディクソンはスピンを喫し、これがきっかけで後続は大混乱となり、再びフルコースコーションに。仕切り直しという形で52周目にリスタートが切られるが、今度はイン側にマシンを降った5位のディクソンのすぐ前を走る3位のパワーがいきなり進路変更。ウォールとの隙間に挟まれる形となってしまったディクソンは、ストレート上でスピン。またしてもフルコースコーションに。一方のパワーもピットに戻ってマシン修復を行うが、チーム・ペンスキーとチップ・ガナッシ・レーシングのピットボックスが隣と言う事もあり、マシンを降りて帰ってきたディクソンと一触即発になるシーンも見られた。

 このリスタート時にトップはマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポーツ)に代わり、もう一度気を取り直し56周目に再スタート。すると今度は2番手に後退したブルデーがオリオール・セルビア(パンサーレーシング)に追突されターン1でスピン。後続は行き場を失いボーティエ、セルビア、ヴィソなど6台が玉突き状態で接触。この日5度目のコーションとなってしまった。その後の63周目にも直前の接触から戦列に復帰していたブルデー、セルビア、レイホール、ウィルソンらが絡む多重クラッシュが発生し、6度目のコーション。75周レースのうち後半のほとんどはコーション状態という、とんでもなく荒れた1戦となってしまった。

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 そして残り10周で最後のリスタート。ここでプッシュをかけたのが波乱に乗じて2位に浮上してきたパジェノーだった。マルコとの間合いを少しずつ詰めていき、69周目にオーバーテイクしトップ浮上。そこからは一気に後続を引き離す走りでゴールまで突き進み、今季2度目のトップチェッカーを受けた。

 一方のマルコはタイヤの消耗に苦しみ、終盤の数周で一気に後退。結局2位にはジョセフ・ニューガーデンが入り、何度もアクシデントに巻き込まれながらも粘り強く生き残ったブルデーが3位表彰台を獲得した。

『記事:吉田 知弘』

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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