【WEC】2013第5戦オースティン:2号車アウディが優勝、可夢偉はクラス表彰台を獲得

©DPPI MEDIA
©DPPI MEDIA

 2013のWEC第5戦オースティン。テキサス州のサーキット・オブ・ジ・アメリカズで6時間耐久レースの決勝レースが現地時間の22日(日)に行われた。金曜日のフリー走行時には大雨が降るなど荒れた天候となったが、決勝日は快晴。終盤までドライコンディションの中でレースが行われた。

 スタート直後にLMP2のマシンがスピンを喫しコース上にストップ。いきなりセーフティカーが導入される。開始から13分経って再スタートが切られると3番手の8号車トヨタが積極的に仕掛けていく。まずは2位の1号車アウディを抜いて2位に上がると、開始1時間に差し掛かったとことで行われた1回目のピットストップでタイヤ無交換作戦を敢行。これで首位を走る2号車も逆転しトップに浮上した。しかし、新品タイヤを履く2号車の方が速く、すぐに接近戦に。8号車に乗り込むセバスチャン・ブエミも必死にブロックを試みるが逆転を許してしまう。一方、前回サンパウロで優勝している1号車は序盤の8号車とのバトルや、他クラスのマシンを追い抜いた際の接触でマシンにダメージを負い、ガレージでの修復がありタイムロス。一時はLMP1クラス最下位の4位に転落してしまう。

©DPPI MEDIA ©DPPI MEDIA
©DPPI MEDIA

 後半になっても2号車と8号車のバトルは展開された。今年のル・マンを制しているアラン・マクニッシュ/ロイック・デュバル/トム・クリステンセン組の2号車が徐々にリードを築いていくが、ピットのタイミングで8号車のセバスチャン・ブエミ/アンソニー・デビッドソン/ステファン・サラザン組がトップに躍り出るという僅差の間隔。終盤共に両者ミスの許されない緊迫したレースとなった。最終的に確実に周回を重ねた2号車がトップチェッカー。今季3勝目をマークした。8号車トヨタは優勝こそ手が届かなかったものの23秒差の2位フィニッシュ。次回の地元富士スピードウェイに向けて手応えを掴むレースとなった。3位にはアクシデントで後退していたアンドレ・ロッテラー/ブノワ・トレルイエ/マルセル・ファスラー組の1号車アウディが追い上げて表彰台を獲得している。

©DPPI MEDIA ©DPPI MEDIA
©DPPI MEDIA

 また小林可夢偉が参戦するLMGTE-Proクラスは、スタートからクラスPPのブルーノ・セナ/フレデリック・マコヴィッキィ組の99号車アストンマーチンと可夢偉/トニ・バイランダー組の71号車AFコルセによるマッチレースが展開。スタートドライバーを務めたバイランダーが序盤にポルシェ2台を抜き去り2位に浮上。可夢偉も昨年F1でオースティンを走っており、その経験を活かし激走。レース中盤には一時トップに浮上する。そこにジャンカルロ・フィジケラ/ジャンマリア・ブルーニ組の51号車AFコルセも加わり三つ巴の展開に。最終的に99号車が意地をみせ再びトップを奪還。猛追するフェラーリ458の2台に15秒の差をつけ今季2勝目を飾った。可夢偉はアンカーを務め51号車のブルーニと接近戦を演じたが最後は一歩及ばず3位フィニッシュ。それでも第2戦スパ・フランコルシャン以来となる表彰台を獲得した。

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

この著者の最新の記事

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


おすすめ記事

  1. 2019-2-23

    【2019F1日本GP】F1日本グランプリ 民間駐車場予約開始!

    2019年10月に開催されるF1日本グランプリの民間駐車場の予約が早くも始まった! 場所は、鈴鹿…
  2. 2019-5-12

    【2019F1日本GP】2019日本GP期間中のキャンプサイト予約受付が5月16日(木)9時からスタート

    5月19日(日)の観戦券販売開始に先立ち、レースウィーク中に利用できるキャンプサイトの予約受付が…

最近の記事

  1. ©️GTA 2024シーズンのAUTOBACS SUPER GT Rd.3『S…
  2. SUPER GT Rd.2 富士スピードウェイ
    Rino Onodera 2024年シーズンのAUTOBACS SUPER GT Rd.2『…
  3. Rino Onodera 2024年 AUTOBACS SUPER GT Rd.1『OKAY…
  4. Rino Onodera いよいよ、2024年シーズンのSUPER GT開幕戦が4月13〜1…
  5. 画像:鈴鹿サーキット いよいよ2024年のF1日本グランプリ開催が近づいてきました。例年より…

カテゴリー

アーカイブ

SPECIAL SITE

*

*

ページ上部へ戻る