2014年のF1第2戦マレーシアGP。注目の決勝レースが現地時間の30日、セパン・インターナショナル・サーキットで行われた。前日の荒天とは打って変わり、東南アジアらしく蒸し暑い1日となった決勝日。スタートに先立ち、3月8日に発生したマレーシア航空370便の事故を悼み、黙祷が行われた。
トラブルで出走を断念したセルジオ・ペレス(フォース・インディア)を除く21台グリッドに整列。今回は特に混乱もなくスタートが切られた。ポールポジションのルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が好ダッシュを決めて1コーナーへ。前回同様に3番手のニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)も抜群のスタートをみせ、2位へ。逆に2番手だったセバスチャン・ベッテル(レッドブル・レーシング)は僚友のダニエル・リカルドにもかわされ一気に4位へ後退。
前回オーストラリアGPではエンジントラブルで早々にリタイアを余儀なくされたハミルトンだが、今回は予選も含め絶好調。2位のロズベルグ以下を徐々に引き離していく。一方、メルセデスAMGを追いかける立場となったレッドブル・レーシング陣営。3周目にベッテルがリカルドを抜き返し反撃モードに転じようとするが、ロズベルグをおいかけるので精一杯。トップとの差は10秒以上に広がっていく。
昨年まではタイヤマネジメントで苦労し、序盤からペースが乱れていたメルセデスAMG陣営。しかし、今回は灼熱のコンディションの中でタイヤへの不安を全く感じさせない走りを披露。第1スティントは1分47秒台、第2スティントは1分48秒台ときれいにまとめていく。順調に周回を重ねるシルバーアローに対し、レッドブル勢は苦戦。ベッテルは1回目のピットストップ後にファステストラップを刻みロズベルグを追いつめるが、そこから突破口を開くことが来ない。4位のリカルドは41周目に行った3回目のピットストップの際に左フロントタイヤがロックされないまま再スタート。すぐに気づいて急停車、チームクルーがピットまで押し戻すが、アンセーフリリース(危険な状態でピットアウトしようとした)として10秒ストップペナルティが下される。しかし、それを消化する前にマシントラブルでリタイアを決意。結局、次回バーレーンGPでグリッド降格ペナルティを受けることになった。
結局、序盤から安定したペースでリードを築いたハミルトンがほぼ全ての周回でラップリーダーを死守し、そのままトップチェッカー。通算23勝目を挙げた。2位にはロズベルグが入り、メインスポンサーであるペトロナスの地元マレーシアで、嬉しいワン・ツーフィニッシュを飾った。3位にはベッテル。前回オーストラリアGPでの0ポイントを挽回する表彰台を獲得した。
また日本期待の小林可夢偉(ケータハム)は20位からスタート。トラブルで金・土曜日のフリー走行は全くと言っていいほど走りこめておらず、レース中のバトルでは劣勢になるシーンもあったが、粘り強く周回を重ね15位へ。途中ロマン・グロージャン(ロータス)との1コーナーのダブルヘアピンで何度も抜き返してみせ、国際映像に取り上げられるなど注目も集めた。その後も、着実に順位をあげ、結局13位でフィニッシュ。ポイント獲得とはならなかったが、次回につなげる走りを見せた。
『記事:吉田 知弘』
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