【WEC】2014第7戦バーレーン:8号車トヨタのデビッドソン、ブエミがドライバーズタイトルを獲得!

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トヨタ・レーシングはFIA世界耐久選手権(WEC)バーレーン6時間レースで勝利を収めると同時に、アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミがドライバーズタイトルを獲得しました。

レースに優勝したのはアレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイが操るTS040 HYBRID 7号車でした。この勝利はトヨタ・レーシングにとって2014年WECでの記録すべき5勝目になりました。デビッドソンとブエミの8号車は突然襲って来たトラブルの修理に貴重な時間を失いましたが、トラブル解決後は果敢に追い上げ、総合11位でゴールし、最終戦サンパウロ6時間レースを前に、2014年のドライバーズチャンピオンに輝きました。トヨタのドライバーがFIA世界選手権でチャンピオンタイトルを獲得したのは、1994年に世界ラリー選手権(WRC)を制したディディエ・オリオール以来です。

今日の結果は、トヨタ・レーシングのマニュファクチャラーズタイトル獲得に大きなアドバンテージをもたらしてくれました。チームは2位のアウディに40点差をつけて、11月30日に行われるサンパウロ6時間レースに向かいます。1レースあたりの1チーム最大獲得可能ポイントは44点のため、最終戦でトヨタが5点以上獲得すればマニュファクチャラーズタイトル獲得が決まります。

レースはトヨタ・レーシングにとってドラマに満ちたものでした。スタート直後からブルツ、ブエミはライバル達とポジション争いを展開、第1コーナーではやや遅れたものの、7周目にはブエミの8号車がトップに躍り出て、ブルツの7号車は3位に付けました。

レースが開始されて30分が経過した時点でコース全域にわたって黄旗が出されましたが、トヨタ・レーシングはそのタイミングを逃さず2台をピットへ入れ、タイヤ交換、給油を済ませました。ピットインをしなかったライバル達が黄旗下でスロー走行を強いられていたため、2台のトヨタはタイムロスを最小限に留め、黄旗が解除された時にはブエミの8号車が3位、ブルツの7号車が4位につけていました。その後2台はペースを上げ、レースが1時間を過ぎた頃には1-2位でレースをリードしていました。

1時間半経過時点で、トヨタ・レーシングの2台は僅か9秒のインターバルで同じ周にピットイン、7号車はブルツからコンウェイに、8号車はブエミからデビッドソンに交替してレースに復帰しました。8号車はコースへ復帰した時にまだレースをリードしていましたが、そこに思わぬトラブルが待っていました。オルタネーターが壊れ、その交換に予定外のピットインを強いられたのです。交換にかかった時間は30分。デビッドソンが8号車をレースに復帰させた時には総合26位に後退し、トップから17周遅れになっていました。この8号車のピットインによって、レースは7号車がリードすることになりました。

一連の騒動が収まってからは、2台のTS040 HYBRIDにはそれぞれ異なる任務が与えられました。7号車には最終戦でマニュファクチャラーズタイトル獲得を可能にするために勝利を、8号車には完走をしてドライバーズタイトルを獲得することが命題となりました。

そして、2台のTS040 HYBRIDのドライバー達はこの任務を見事に果たしました。レースが半分を消化した時にコンウェイから運転を代わったサラザンはそのままリードを堅持し、デビッドソンからステアリングを受け取ったブエミは最速タイムを更新しながら追い上げました。そして、いよいよレースは最後の1時間に突入、サラザンからブルツに替わった7号車はトップを快走。8号車はデビッドソンがブエミから運転を引き継いだ時点で、何と13位まで順位を上げていたのです。

最後の数周は2台のTS040 HYBRIDはほとんどテール・トゥ・ノーズの状態で走行を重ねましたが、最後はブルツが7号車をトップでゴールに導きました。2位のポルシェとは50秒460の差が開いていました。8号車はデビッドソンの手で総合11位(LMP1クラス8位)でゴール、2台共に完走を果たして任務を遂行したのです。

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木下美明 チーム代表:
アンソニーとセバスチャンのドライバーズチャンピオン獲得を皆で祝いたいと思います。このタイトル獲得は、ドライバーはもちろん、チーム全員の努力の賜物でもあります。とくに今年は燃料効率に関する新規則の始まりの年でもあるので、本当に意味のある大きな成果だと思います。彼らは、この新規則での初代チャンピオンとなり、これによって我々のTHS-R(トヨタ・ハイブリッド・システム・レーシング)の性能が証明されたことを非常に誇りに思います。 ケルンのTMGの全社員、日本のトヨタのモータースポーツユニット開発部やハイブリッド先行開発部他、オレカをはじめ、我々に支援をいただいているパートナーの皆様、全ての方々に感謝申し上げます。また、このプロジェクトを始めた頃からずっと応援いただいているファンの皆様、本当に有難うございました。もちろん、今日優勝したアレックス、ステファンとマイクの3人にも、心からお祝いを述べたいと思います。このところ7号車にはいろいろなことがありましたが、今日はとても速く、非常にタイヤに厳しいサーキットであるにも関わらず、安定して走ってくれました。本当に良くやってくれたと思っています。

TS040 HYBRID 7号車:
(アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/マイク・コンウェイ)
決勝結果: 1位 195周、ピットストップ6回、最高ラップタイム:1分46秒377

アレックス・ブルツ:
チームメイトが世界チャンピオンを獲得し、とても喜んでいます。今シーズン、彼らはとても頑張りました。ドライバーとして、ずっと一緒に頑張って来て、我々はとてもうまく行っていました。今、彼らには世界チャンピオンの喜びに浸ってもらいたいと思います。そして、我々もレースに勝ちました。この週末、始めのセットアップで良い方向性を見つけてくれたステファンには本当に感謝しています。我々のTS040 HYBRIDは強かったけれど、それもチーム全員のおかげです。

ステファン・サラザン:
セバスチャンとアンソニー、世界チャンピオン獲得おめでとう。今シーズンの彼らの走りは凄かったし、この瞬間を待ち望んでいたと思います。このようなレースが出来、かつ再び優勝も出来るとは素晴らしいことです。特にここバーレーンでは、昨年8号車で優勝しているのですから。私のスティントでは、レース終盤でのスプラッシュアンドゴー(給油ピットイン)を避けるよう、燃費走行しなければならなかったので、それに集中をしました。全てうまく行きました。アレックスとマイクの二人も素晴らしい仕事をしてくれ、実際のところ、チーム全員、この週末、そしてこのシーズンを通じて、本当に頑張ってくれています。

マイク・コンウェイ:
アンソニーとセバスチャンには、世界チャンピオン獲得を祝福したいと思います。彼らは今シーズン本当に頑張りました。そして、今日は我々の7号車も最高の結果が出せました。ステファンとアレックスのスティントは見事だったし、私は自分の走りにも満足しています。チームが私にくれた信頼とサポートに応えることが出来て、本当に嬉しいです。トヨタ・レーシングでのわずか2戦目でWEC初優勝が叶うとは凄いことですし、素晴らしい日になりました。末永く忘れられない記憶になるでしょう。

TS040 HYBRID 8号車:
(アンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ)
決勝レース:11位 177周、ピットストップ7回、最高ラップタイム:1分45秒989

アンソニー・デビッドソン:
信じられないような一年でした。個人的にも、私自身の長いキャリアの中で最高の成果であり、今日は最高の一日となりました。私にとって初めての世界チャンピオンということは、多くのことを意味するはずですが、まだ実感が湧きません。チームは素晴らしい仕事で、最速のTS040 HYBRIDを用意してくれました。勝ってタイトルを決めるという望みは叶いませんでしたが、不満はありません。トラブルの後、迅速な作業でコースに戻してくれたメカニックには本当に感謝しています。8号車のクルーだけでなく、7号車のクルーも手伝ってくれました。チャンピオン獲得は真にチームの努力によるもので、関わった全ての人に感謝しています。素晴らしい一日になりましたが、まだもう一戦、ブラジルでの最終戦で勝利し、マニュファクチャラーズタイトルも獲得するという仕事が残っています。

セバスチャン・ブエミ:
本当に嬉しい。世界チャンピオンを獲得出来て素晴らしい気分です。望んだレース結果でのタイトル獲得ではありませんでしたが、とても幸せです。ポルシェ、アウディという強敵と競い合って、チャンピオン獲得が果たせたことは、本当に素晴らしいです。我々は勝てるTS040 HYBRIDを持っていましたが、7号車が勝ってくれたことも喜んでいます。チャンピオン獲得には、最高のレースカーとチームが必要であり、それを与えてくれたチームに感謝しています。ドライバーズチャンピオンの獲得ではありますが、このタイトルはチームのものです。アンソニーと私だけでなく、ここにいるスタッフ全員、そしてケルンや東富士研究所にいる全ての関係者の努力無しには成し得なかったものです。次戦ブラジルでマニュファクチャラーズタイトルも獲得出来れば、更に素晴らしい一年となるでしょう。

[トヨタ リリースより]

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吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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