KEIHIN HSV-010のクラッシュにより、2度目のセーフティカーが導入されたポッカ1000km。残り12周というところで再スタート。SCによりトップ集団の間隔が縮まり、4年ぶりの1000kmレースは終盤約60kmのスプリント勝負で勝敗が決した。
再スタートと同時にトップのMOLA GT-Rは上手く逃げ、2位以下とのギャップを再度築いていく。しかし2位のNISMO GT-Rのペースが伸びず、3位インパルGT-R、4位kraft SC430、5位KONDO GT-Rの4台による2位争いが勃発。その中で奮起したのが4位のkraft SC430国本雄資だった。
残り8周でインパルGT-Rオリベイラを抜き3位に上がると、2位のNISMO GT-R本山に照準を合わせる。SUPER GTを代表するドライバーとして知られる本山哲に対し、若手の国本は全く臆することなく果敢に攻めこんでいく。
そして残り4周の西ストレートでイン側に飛び込むと並んだまま130Rへ突入。一歩も引かなかった国本の意地に本山が屈し、国本を前に出してしまうが、その隙を狙っていたオリベイラとビルドハイムにもパスされ、最後の最後でNISMO GT-Rは5位に転落してしまった。2位争いが白熱する中、トップのクインタレッリはベストタイムを連発。最終的に2位に15秒の差をつけトップチェッカーを受けた。
ウイニングランを終えてメインスレートへ戻ってきたクインタレッリは、日産応援団席の前でエンジンを思い切り空ぶかしさせ、6時間応援し続けてくれたファンに感謝の挨拶。パルクフェルメに戻ると、出迎えた柳田とガッチリと抱き合った。日産GT-R勢にとっては、今季初勝利。MOLA GT-Rは2011年のSUGOで初優勝して以来となる1年ぶりの勝利となった。
表彰式後には、GT300の優勝チームとともにポッカ1000km恒例の花火を堪能したMOLAの2人。
柳田は「今日は表彰台の上から花火を見られるとは思っていなかったので、本当に嬉しいです。途中、自分の判断ミスで4号車との接触し、その後タイヤの空気圧が著しく低下していったので、すぐにピットに戻りました。ここで勝たなければチャンピオンは厳しいと思っていたので、勝てて良かったです。残り3戦あきらめずに頑張ります。」とコメント。
クインタレッリは「昨年は2位で花火を見たけど、やっぱり1位になって見る花火は格別。最後セーフティカーが入ったときは“またか”と一瞬思ったが、再スタートの時にチームから思い切りプッシュしていいと指示が出たので、燃料のことは気にせず走りました。」
今季はなかなか結果が出ず、苦しい戦いが続いていたGT-R勢。調子の上がってきた前回SUGOではスタートで同士討ちという悔しい結果に終わったが、今回の1000kmでは途中GT-R勢がトップ4を独占するなど、レースを支配。最終的に終始安定したペースを維持したMOLA GT-Rが勝利を手にした。
『記事:吉田 知弘』
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