【SGT】童夢レーシング 天澤監督「NSXという名前を背負って戦うのは、光栄であり重責」

©T.Yoshita/KANSENZYUKU

 SUPER GTのGT500クラスに参戦するウイダーモデューロ童夢レーシングが26日に体制発表会を開催。フルカラーバージョンとなったウイダーモデューロNSX CONCEPT-GTが公開された。

 今年から童夢レーシングをはじめホンダ陣営は新車両規定に伴いマシンをHSV-010 GTからNSX CONCEPT-GTに変更。6年ぶりにSUPER GTでも数々の名勝負を繰り広げてきた「NSX」という名前が戻ってくる。これについてチーム監督の天澤天二郎氏はこのように語ってくれた。

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 「私が童夢に入社したのが1998年。その時はすでに初代NSX GTが活躍していまし、会社にもありました。2006年からNSX GTの具体的なマシン開発にも携わってきました。そこからすると、本当にレジェンドな名前のクルマが帰ってきたなというイメージが強いです。そのNSXというネームブランドを今度はチーム監督として背負っていくというのは、当時は全く想像もしていなかったので、非常に光栄なことでもありますし、重責を担うことになるなと感じています。」

 昨年からチーム監督としてNo.18ウイダーモデューロ童夢レーシングを率いている天澤氏。それまではメカニックとして携わってきたNSXを今度はチーム監督として勝利を目指さなければいけない。そこには大きな責任があるとともに、新NSXとしての新たな歴史を刻んでいけるという部分では、改めて身を引き締めているという様子だった。

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 NSXへの特別な思いは、天澤監督だけではなく、第1ドライバーを務める山本尚貴も同様に持っていた。同じ質問を山本にもすると「子どもの頃、初めて好きになったクルマがNSXで、たくさんの夢をもらいました。今度は大人になって自分が子どもたちや、このNSXを応援してくれる全ての人に夢を与える番だと思っているので、それに見合う結果をちゃんと出したい。」と語ってくれた。

 監督、ドライバー、チームスタッフそれぞれに思い入れがある“NSX”というネームブランド。気になる新型の仕上がり具合について天澤監督は「1月末のシェイクダウンから計5回のテストをしてきました。マシンセッティングやハイブリッドシステムの最適化、ミシュランタイヤの開発などバランスよくできたと思います。どうしても他メーカーさんとの比較が話題になりがちですが、開幕戦に向けて必要なものを揃えているところです。SGTの場合は開幕戦でフタを開けてみないと分からない部分がたくさんあるので、開幕戦に向けてセッティング、タイヤ選択をベストなものにできるように意識を集中しているところです。」とコメント。

 3月中旬の岡山公式合同テスト、そして下旬の富士メーカー合同テストではレクサス・日産勢に先行される結果となってしまったが、18号車はロングラン走行を積極的に行うなど、彼らがやるべきメニューをきっちりこなしていたという印象だった。

 開幕戦の舞台は岡山国際サーキット。ホンダ勢と童夢レーシングが得意としているコースで、昨年も終盤まで18号車はトップ争いに加わっていただけに相性は決して悪くない。冬のテストでの成果が、どう現れるのか?来週の開幕戦が非常に楽しみだ。

『記事:吉田 知弘』

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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