【SF】2015第5戦オートポリス:中嶋一貴が待望の今季初優勝!石浦、可夢偉との白熱したバトルを制する

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2015年の全日本選手権スーパーフォーミュラ第5戦の決勝が13日に行われた。

前日の予選ではランキング首位の石浦宏明(No.38 P.MU/CERUMO・INGING)がポールポジションを獲得したが、2番手には小林可夢偉(No.8 KYGNUS SUNOCO TeamLeMans)、3番手には中嶋一貴(No.1 PETRONAS TEAM TOM’S)とスタートの得意な2人が横に並んだ。

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その予想通りスタートで2人とも好ダッシュをみせ、わずかの差で一貴がトップを奪取。2位可夢偉、3位石浦、4位アンドレ・ロッテラー(No.2 PETRONAS TEAM TOM’S)と続くが、ロッテラーはジャンプスタート(フライング)判定を取られドライブスルーペナルティを受けて後退してしまう。

序盤から逃げを打ちたい一貴だったが可夢偉もペースよく猛追。1秒以内に入ると前のマシンから発生するタービュランス(気流の乱れ)でバランスが崩れてしまうため、接近戦とはならなかったがお互い1分31秒台を連発。0.1秒のミスも許されないというプレッシャーのかけあいが続いた。

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こう着状態が続いた中で中盤へ突入。昨年の給油口の問題は今年解消され250kmフルディスタンスに。これにより途中必ず給油によるピットストップが必要となる。上位陣の中で一番最初に動いたのは可夢偉。今回は決め打ちで軽めの燃料でスタートしピットストップでしっかり給油する作戦。タイヤも4本交換し20秒で再びコースへ戻る。直後から1分30秒台のペースで飛ばし、一貴のピットインを待ったが、ペースの上がらないロッテラーに引っかかってしまい大きくタイムロス。これで3位だった石浦の逆転を許してしまう。

可夢偉が実質的に優勝争いから脱落し、残るは一貴と石浦の一騎打ち。それまで最大で4秒の差があった両者だが、周回を重ねるうちに少しずつ石浦が詰めにかかる。逃げる一貴も相手に手の内(ピットストップでタイヤ交換をするのか否か)を見せたくないためにギリギリまで引っ張る。

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そして残り8周というところで両者が同時にピットイン。一貴はタイヤ無交換を決断したのに対し、石浦はフロント2本交換の作戦を敢行。順位は変わらないままコースへ戻り、残り7周のスプリントバトルが始まる。一貴のペースが良かったが、タイヤが温まりだした石浦もペースアップ。3秒以上あった差を一気に1秒近くまで縮め、さらにオーバーテイクシステムもフルに活用していく。これに対し一貴もしっかり対応。残っているオーバーテイクボタンを使ってラストスパート。石浦に横に並ばせるチャンスを与えず、待望の今季初のトップチェッカーを受けた。2位には石浦、3位には可夢偉が入った。

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パルクフェルメに帰ってきた一貴は、待望の今季初優勝と、ライバル2人の猛追から開放されたこともあり、マシンの上に乗って大きくガッツポーズ。「ここまでずっと2位ばかりだったので勝てて良かったです。でも最後の石浦選手のスパートは少し焦りました」とホッとした様子だった。

なお、注目のチャンピオン争いは石浦が41ポイントでトップのまま。一貴が今回の優勝で34ポイントまで伸ばしランク2位に浮上している。

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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