【ビギナー観戦塾】知っておくと現地で役に立つ!?デジカメでF1走行シーンを撮ろう!

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いつもビギナー観戦塾をご覧いただきありがとうございます。
今年もF1日本グランプリまで、約3ヶ月となってきました!皆さん、現地観戦の準備は進んでいますか?

年に一度のF1観戦という事で、これを機に「新しいカメラ買いました!」「カメラ買い換えました!」など、お持ちのデジカメを手にサーキットへ行こうと考えていらっしゃる方も多いと思います。特に最近は「カメラ女子」という言葉もでてきましたが、男性・女性問わずに写真撮影を積極的にする方も多いですよね。

今年もF1日本グランプリが開催される鈴鹿サーキットでは、アマチュアカメラマンが走行シーンの撮影に集中できるよう「カメラマンエリアチケット」を用意、過去最高の売れ行きでした。ただ、一般席の方でも「せっかくだから走行シーンを撮ってみたいなぁ」と、いざサーキットに行ってF1マシンが走り出すと、そう思うかもしれません。
しかし、被写体は平均200km/h近いスピードで走り去っていくF1マシン。そう簡単に撮れるものでありません。

そこで!皆さんがお持ちのコンパクトデジカメで「走行シーンを撮りたい!」という皆さんのために、いつも観戦塾にSUPER GTやフォーミュラ・ニッポンのレース写真をご提供いただいている吉田成信カメラマン(以下:シゲさん)に“レース写真撮影時のコツ”を教わってきました!

D1グランプリ『Photo:SHIGE』
『撮影:SHIGE

このコツは、F1でなくてもSUPER GTやフォーミュラ・ニッポンでも活用できるので、ぜひ試してみてください!

【ピントのレスポンスが良くないコンデジは“置きピン”を活用しよう!】
カメラマンエリアチケットを購入されている方々は、高級一眼レフに超望遠レンズというプロ並みの装備で撮影に挑まれますが、一般席で観戦される方の多くは、コンパクトデジカメを持っていくという方がほとんどだと思います。一眼レフほど走行シーンの撮影に適していないコンパクトデジカメですが、ある方法を使えばキレイにマシンが撮れるようになるそうです!

「コンパクトデジカメだと、どうしてもピントのレスポンスが一眼レフほど良くないので、通常の流し撮りをしようと思っても難しいです。そこで、あらかじめ撮影したいところでピントを置いておく事をおすすめします。」

この「置きピン」と呼ばれる撮影手法、具体的にどうすればよいのでしょうか?

「だいたいのコンデジはシャッターのボタンが“半押し”“全押し”と2段階になっています。例えばヘアピンのクリッピングポイントを通過するマシンを撮りたいなぁと思ったら、マシンがそこに差し掛かる少し前からシャッターを半押ししてピントを固定した状態で待っておきます。そして撮りたい場所までやってきた時に全押ししてシャッターを切ります。状況によって半押し状態で待って、撮る瞬間だけマシンを追いかけてシャッターを切ると、より上手くいくと思います。」

なるほど!これならすぐに実践できそうですね!

全日本ロードレース『Photo:SHIGE』
『撮影:SHIGE

【手堅く撮りたい時はシャッタースピードを“1/400”に】
続いては、今年F1観戦のために気合いを入れて「一眼レフを買いました!」という方向けのワンポイントアドバイスです。コンデジの場合は撮影シーンに合わせたモードを選択して、シャッタースピードや絞りなどをカメラが自動で行ってくれますが、マニュアル操作ができる一眼レフでは、その設定次第で色々な撮り方ができます。では一瞬で走り去っていくF1マシンを撮る時はどんな設定にするのが効果的なのでしょうか?

「一眼レフの撮影モードの中に“Tvモード(シャッタースピードを手動で設定、絞りは自動で調節してくれるモード)”があり、走りの撮影時は基本的にこれを使用します。最初からシャッタースピードを落としてカッコいい流し撮りに挑戦しても、なかなか上手く行かないので、いつも報道用の写真など“手堅く撮る”時はシャッタースピードを1/400秒にして撮っています。これだと、ちょうどマシンがハッキリ写ってタイヤは回って見えるような写真が撮れるので、1/400秒をいつも基準にしています。またタイヤのサイドウォール(F1だとピレリのロゴ)が見えない正面からの角度で撮影する場合は、1/640秒くらいにします。」

SUPER GT(2)『Photo:SHIGE』
『撮影:SHIGE

また、走行シーンを撮影する際に役立つモードが、もう一つあるそうです。
「レーシングカーのように動いている被写体を撮る時はAFモードの部分を“AI FOUCS”にします。こうすることで動いているもにピントが合うようになるので、走りの写真がよりキレイに撮れます。コンデジの場合は“スポーツモード”が、これに相当します。」

なるほど、一眼レフで初めてレース写真の撮影に挑戦する時には、役に立ちそうなアドバイスですね。シゲさん、ありがとうございます!

※製品によってモードの名称が異なる場合があります。

【お勧め撮影ポイントは、逆バンクの“非日常と日常が混在する場所”】
最後に、シゲさんお勧めの撮影ポイントを聞いてきましたが、数々のサーキットで撮影経験のあるプロカメラマンが選んだのは逆バンク!その理由は・・・

「お勧めというか、好きな撮影ポイントは逆バンクですね。ちょうどS字の出口(5コーナー)から出てきて逆バンクへ入っていくところを正面に見る場所から撮影すると、天気が良い日はコースの向こうに住宅地や伊勢湾が見えるポイントです。」

フォーミュラニッポン『Photo:SHIGE』
『撮影:SHIGE

「一般的にサーキットは人里を離れた山の中にありますが、鈴鹿サーキットは“街中にある商業施設”という感じなんです。サーキットではレースという“非日常的”なことをやっているはずなのに、地元の人たちからするとそれが“日常の一つ”なのです。特にファンの皆さんになると“F1の音を聞く”というだけでも、苦労してサーキットまで行って、そこで初めて聞いたり感じたりすることができるのですが、鈴鹿の地元の人たちからすると“F1やレーシングカーの音=普段の日常の中で聞こえてくる音”なのでしょうね。普通は混在することがないはずの感覚が、同じ空間にあって、その風景を逆バンクの場所から見られるというのは面白いなぁと、いつも思います。」

なるほど・・・、F1ファンの多くは「1年に一度、鈴鹿だけで現地観戦します」という方々ばかりで、レーシングカーの生の音も1年に一度だけ。そのためレーシングカーの音は“特別なもの”というイメージが強い方も多いと思います。しかし、地元の方は毎週レースが行われる鈴鹿サーキットの近くで生活しているため“音は生活の一部”という方がほとんど。改めて考えてみると、面白いですね!

※今回ご紹介した撮影方法は、あくまで一つの例であり、これらが全てという訳ではありません。

いかがだったでしょうか?
特に金・土・日の3日間観戦予定の方は、是非フリー走行のタイミングなどにでも撮影に挑戦してみてください!きっと、レース観戦が終わった後の“思い出”のひとつになるかもしれませんね!

SUPER GT(1)『Photo:SHIGE』
『撮影:SHIGE

今回、ご協力いただいた吉田成信カメラマンの“カッコいい写真”は、こちらのブログでご覧いただけます。

シゲさん、お忙しい中ご協力いただき、本当にありがとうございました!

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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