【F1】第17戦インドGP:レースレポート

『Photo:Pirelli』
『Photo:Pirelli』

2012年のF1世界選手権も残り4戦。第17戦インドGPの決勝レースが28日(日)、ブッダ・インターナショナルサーキットで行われた。

予選は今回も本調子に戻ったレッドブル勢がフロントローを独占。前回韓国GPでランク首位に立ったセバスチャン・ベッテルがポールポジションを獲得。一方、6ポイント差で追いかける形となったフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)はマクラーレン勢の先行も許し5番手からのスタート。日本期待の小林可夢偉(ザウバー)は週末を通して歯車が噛み合わず、17番手からのスタートとなった。

気温30℃、路面温度36℃、ドライコンディションでスタートが切られ、ベッテルとウェバーが順当に1・2位で1コーナーを通過。アロンソもターン3後のストレートでマクラーレン2台に襲いかかるなど積極的に前を狙うレースを見せる。結局ハミルトンを追い抜き4位に浮上。この後DRSの使用が可能になると4周目にバトンを追い抜いて3位に浮上。予想よりも早くマクラーレン2台をかわし、レッドブル2台を追いかけた。

一方のレッドブル勢。トップのベッテルはいつも通り序盤からベストタイムを連発し後続とのリードを築いていく。2位ウェバーも3位アロンソとの差を開いていき、前半からレッドブル勢完全有利な展開を築いていった。

今回はソフト・ハードという少し硬めのコンパウドが用意されたこともあり、上位陣のほとんど1ストップのみの作戦を選択。トップ3の中で先に動いたのがアロンソ。29周目に入り、ハードタイヤに交換する。続く30周目にウェバーのピットに入り、トップのベッテルは直前の数周を1分30秒台で周回。十分なリードを築いて33周目にピットイン。結局2位ウェバーの11秒前方でコースに復帰。ピット作業でウェバーを逆転することは出来なかったが、前半で置いていかれた分を取り戻し、1秒後方まで近づくことに成功した。

これまでのレッドブル優勢の流れから一変。後半はアロンソの光る走りが目立つレース展開となる。日本、韓国と圧倒的な強さを見せてきたレッドブル勢に真っ向勝負で挑んだアロンソ。数少ないチャンスを待ち、辛抱強くウェバーを追いかけ続けた。すると後半になってウェバーのマシンにトラブルが発生。KERSが使えない状態に陥ってしまった。これで一気に間合いを詰めたアロンソは48周目の裏ストレートでオーバーテイク。ついにレッドブル勢の牙城を崩し2位に浮上した。

残るは1位のベッテル。しかしこの時点で11秒前方を走っており、逆転は不可能かと思われた。それでもアロンソはアクセルを緩めることなく全力でベッテルを猛追。ファステストラップを連発し、最後まで追いかけ続けたが、結局大きなリードを築いていたベッテルがトップを死守し、今季5勝目のチェッカーフラッグ。2位アロンソ、3位ウェバーの順でフィニッシュした。

『Photo:Pirelli』
『Photo:Pirelli』

これで注目のチャンピオン争いはベッテルが220ポイント、2位アロンソが227ポイント。その13ポイントとベッテルがリードを広げる形となったが、アロンソにとってはまだまだ逆転可能圏内。残り3戦、2人のバトルから目が離せない。

[関連記事]ベッテル4連勝も、レッドブルチームに生じた誤算

また17番手スタートの可夢偉は終始苦しいレース展開が続いた。ラップタイムこそ悪くはなかったが、全体的に直線でのスピード不足が目立ち、なかなか前のマシンをオーバーテイク出来ず、フラストレーションばかり溜まるレースとなってしまった。スタートでハードタイヤを履き、後半のソフトタイヤでの順位アップを目指したものの、結局ポイント圏内に届かず14位でフィニッシュした。

『記事:吉田 知弘』

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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